「ジョーカーとジェシーが出会っていたなら…」カモン カモン humさんの映画レビュー(感想・評価)
ジョーカーとジェシーが出会っていたなら…
甥っ子ジェシー(ウディ)を預かり暮らすことになった独身でラジオジャーナリストのジョニーおじさん(ホアキン)。
2人が暮らしはじめて間もなく、ジェシーの屈託のない物言いや奔放な振る舞いにとまどうジョニー。
慣れないこどもとの生活で疲れ果て嫌気がさしてくる。
少々気だるく疲れた中年男、自分ペースな一人暮らしからの差は大きく、任務果たせるか??と、心配は募る。
しかし、そうこうしながらその天真爛漫さと向き合っているうち大人になりながらいつしか固めてきたジョニーの概念はほぐされほろほろと剥がれていく。
ついにはジョニーからふいに出てくる言葉の音色が和らぐ。
ーそうかもしれないな、ぺっらぺら
何気ない会話中、
ジェシーに自分のことを“ぺらぺら“だと言われ
笑いながらそう返すジョニー。
ここはポイントだろう。
こどもに言われた自分を単に卑下した復唱ではなく
真っ直ぐにむきあって解き放つ鍵を手にした言葉だった。
ジョニーにその鍵を投げたのは
他ならぬジェシー。
錆びかけ綻びかけたままのおじさんの様子にジェシーのピュアさが自然作用を促したのだ。
自分を緩め、許し、労わっている?
自分にやさしくないとまわりにもやさしくなんてできないよ。
そんなことをジェシーは本能的にわかっているのだろう。
なんだか苦しそうだな。
なんだか難しくしてるな。
ー伯父さんはばかのなかでも一番のばかだね。
とつぶやく。
そんな本能はこどもの特権か?
面白いのは物語の構成にこどもへのインタビューシーンがジョニーの仕事として描かれ点在していているのだが、全てがリアルなものだということ。
つまり、ちゃんと聞いて胸のなかに一度落として考えなければならない声。
どの子も真摯に大人が知らぬふりや本当に忘れてしまった部分をとらえ鋭くときにはふわりとつついている。
ある子が、大人についてこう答えた。
「20世紀によくあったこと。
相手をそのまま受け入れず
間違った方法でねじ伏せようとする。
今は自由に表現できると思えるけどーそうじゃない。」
胸がチクチクする。
大人たちが牽引する現世界の実情。
この子はこの先大人に諭され信じることができるだのだろうか。
だけどそれだけではないんだ。
ジョニーもジェシーと対峙する。
—笑ってる? 泣いてる?
ちゃんと対応したい…とストレートに伝える。
これってジョニー、自分自身へのことばだね。
しかもジェシーたちこどもが未来に希望をもてるおとなの救いあることばだ。
そしてこう紡ぐ。
ー長年理解しようとする
幸せで悲しく豊かで変わり続ける人生の意味を
そして星に還る日が来たら
不思議な美しい世界との別れがつらくなるだろう
日々、私もみんなも星に還る日が在ることを実感する年代。
字幕に自分のこころが映し出されたとたん涙があふれた。
ー未来は考えもしないようなことが起きる
だから先に進むしかない
c‘mon c’mon
ジェシーがそう語る澄んだ瞳に映るものをごまかさないで済む世界とじぶんに。
静かなる戒めを感じとり自分をほぐしながら、やさしく強く永遠ではない毎日を進みたい。
そしてモノクロの意味は、訳知り顔になりがちなおとなが
目にうつるすべてをこどもとおなじようにニュートラルにしたかったからじゃないのかなと思う。
ホアキンとウディ
役を超えスクリーンを越えどこかにいる2人だった。
知らなければ星に還るときまで知らないままのことを伝えてくれる素敵な映画。
おはようございます😃
コメントいただきましてありがとうございました😊
🌺 🌼 🌸
ー長年理解しようとする
幸せで 悲しく 豊かで
変わり続ける人生の意味を
そして
星に還る日が来たら
不思議な美しい世界との別れがつらくなるだろう
🌸 🌼 🌺
またコピーさせていただきました。
人生のこと私もしっかりと考えなければもったいない、と感じました。
いつのまにかすぎてしまった、では駄目ですね。
humさんのレビューに漂う雰囲気、素敵で夢見心地みたいな気分。
新しい作品が多いですが、またレビューしてくださるのを楽しみにしてお待ちします。
返信結構でございます。
また今後ともよろしくお願いいたします🤲
おはようございます😃
先程は、コメントいただきましてありがとうございました😊
🌺humさん、凄いですね。🌸
としか言いようのないレビュー☀️です。
TVで一度しか観ていなくてレビューもできていません。humさんのレビューを解説書?(すみませんわかりやすいので)みたいにして再度鑑賞しようと思います。
ありがとうございました😊