「やっかいな、大切な、贈り物」カモン カモン ONIさんの映画レビュー(感想・評価)
やっかいな、大切な、贈り物
最近監督の名前あまり覚えないので観ていて「20センチュリーウーマン」に似ている、と思ったらマイクミルズというのはまさにその人だった。
何を思ったかというと、ロケーションや美術、空撮、衣装などのセンスはいい、役者も自然で、脚本も自然となるようなシチュエーション中心にしてドラマっぽくなるのを排除してる。だけどもうちょっとドラマ的膨らみもあっていいんじゃないか、と思うくらいにフラットな数珠繋ぎで話が進むのが似ている。小津とかロメールとかホンサンスとかとも違う。
とても質の良い空間ぎ繋がってゆくのだけど初見では乗りづらい。ただ、少年が異様なくらいにかわいくて、大人びて、うん、モンスターに思える。いい意味で。知的な大人の男からすると、最も手に負えない生き物としての存在感が異様。いい子でも悪い子でも、ましてや自分の子供の頃というサンプルも相手にならない、けれどどこかで通じ合ったりもする、脚本で書かれててもその正体がわからないものが映画に映っていた、と思う。
と、思ってまとまりに入った振り返りのナレーションでボロボロ泣けてくるのだから映画はわからない。なんでもない、なんとも説明のつかない時間が確実に存在したのだと、そういうのに弱い。
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