映画はアリスから始まったのレビュー・感想・評価
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なぜ映画史から忘れ去られてきたのか。
リュミエール兄弟や映画の魔術師と言われたジョルジュ・メリエスと並ぶ映画黎明期のパイオニアでありながら、これまで映画史から忘れ去られてきたのはなぜなのか。
インタビューに答える現在の著名な俳優や監督たちも大半が口々にアリスについて「知らなかった」と言う。ジョディ・フォスターのナレーションで、生前のアリス・ギイ自身や彼女の親族、さらにベン・キングズレー、アニエス・バルダ、マーティン・スコセッシらへのインタビュー、フッテージ映像などを通し、その功績と人生をひも解いていくとともに、忘れ去られてきた理由が明かされ、映画史的に非常に貴重なドキュメンタリーとなっている。
アリスが自ら演じているシーンや監督している姿は感動的。その時代や社会的背景も影響していると思われるが、さらに緻密なリサーチを続ければ、彼女が忘れ去られた理由がより明確になることだろう。
むかーし、むかーし
はるか昔、まだアメリカにハリウッドが名を馳せる前のフランスで「記録」でしかなかったシネマに「物語」を創った最初の人物。
アリスは「ポーズをとる事が演技だった時代に、映画は自然でいい」と説いた監督・製作・脚本・演出家。(はたして?)
アリス・ギイ( Alice Guy)またはアリス・ギイ=ブラシェ(Alice Guy-Blaché)1873年7月1日 〜 1968年3月24日。
ちなみにイギリス出身のチャールズ・チャップリン(1889年4月16日 〜 1977年12月25日)の16歳年上のフランス女性。
映画作品に物語を創った最初の人物と紹介されているがジョルジュ・メリエス(1861年生まれ)は有名な『月世界旅行』(1902)の前に『悪魔の館』を1896年に作っている。まぁ細かい事はいいや。
本人のインタビューや娘シモーヌ・ブラシェ(たしか1908年生まれ)のインタビューや映画製作会社であるゴーモン社の事など中々興味深い[資料的ドキュメンタリー]である。リュミエール兄弟は聞くのに彼女の事をこの映画まで全く知らなかったのはアリス・ギイが女性だったからなのだろう。つまり男性陣から記録を残されなかった不運の努力家だったからで 他にも映画界で活躍した女性達も出てくる。ハリウッドの映画人でさえ知ってる人は少ないので日本にアリスの事が届かないのは当たり前で、このドキュメンタリー監督のパメラ・B・グリーンの着眼点が斬新。
『キャベツ畑』『森番の息子』『マダムの欲望』『大酒飲みのマットレス』『分割された家』『海の漂流物』『女帝』等観てみたい。
埋もれた女性たちをもっと掘り起こして欲しい。
映画史から消し去られた
女性映画監督アリス・ギイの足跡を残された映像と
遺族や関係者にインタビューして綴られた本作。
新しい事実の発見と出来事に驚かされるばかり。
こういう映画は感想を云々するのではなく
ただただ事実を受け止めて、ああ、凄いな〜〜
と、感嘆し、知識として蓄積し
勇気を貰うため為にある。
昨今の #Me Too の風潮に乗って
様々な分野で封印されている女性たちの足跡を
もっともっと掘り起こして欲しい。
私はもう手遅れだけど、
今から生きてゆく若い女性のために〜〜
もっと、もっと〜〜
アリスの話でありまた映画黎明期の話だった
彼女とアメリカ映画システムの成り立ちが切っても切れないものであることを実感できる。手元にあったらへーボタンを何度も押してた。
映画史とアリスの足跡
まるでファミリーヒストリーか行方不明者捜索みたいなドキュメンタリー
監督にとっては我が子同然の昔のネガ、戦争もしかりで現存する作品がほとんど無いというのは悲しい 優れた監督だったので周囲に旨いこと利用された感も しかし知る人ぞ知るで功績を理解している人がいるのも救い あんな時代に好きな仕事に没頭出来ただけでもラッキーか 多作な監督のようですが、1作品辺り何分ぐらいだったんだろう?気になった
かつてはハリウッドが映画の都じゃなかった、Uマチックの復元方法(えっ焼くの?)や現在のYOUTUBE動画のはしりみたいというのが興味深かった
全ての始まりは
男どもの嫉妬と自尊心により改竄される。
悲しいかな僕も男故、この事実を受け入れ難いが、
ことビジネスや競争となるとそうで有る場面を見てきているだけに変な気分が生じた(^^)
いやぁ、アリスギイの行った物事の時系列の行き来の激しさと実際に行ったコトの膨大さ自由度が半端なく103分のドキュメンタリーとは思えない作品だった。
ナレーション、ジョディフォスター。製作監督、ロバートレッドフォードにも驚きだけど‼️観てよかった映画で有る◎
最後に付け足し。
歴史とは事実よりも彼の物語で有るんだ。
映画制作黎明期の頃
19世紀末から20世紀初頭にかけての映画制作の黎明期、実はたくさんの女性映画監督がいたが、その事実は歴史の影に埋もれてしまっていたという話。
たくさんいた女性映画監督のなかでも草分け的存在であり、もっとも多くの作品を手掛け(その数1000本以上!)、才能を発揮したフランス人女性アリス・ギイにスポットを当て、存命中だった1964年のインタビューを交えながら(この時既に90歳で1968年他界)、どうしてそうなってしまったのかを追いかけている。アリスの生涯はもちろん、黎明期の映画制作の様子や実際の作品映像など興味深いものをたくさん観ることができた。時代的にはエイゼンシュテインやチャップリンなどの歴史的映画人(巨匠)との絡みも出てくる。となるとなぜ無視されたんだと余計に怒りが込み上げてくる。
いろいろな原因が考えられる(多分複合的なんだろう)が、結局は映画制作なるものが20世紀になって黎明期には想像もできないほどの一大産業(娯楽かつ芸術)となるにつれ、女性軽視の風潮の中で歴史から消し去られたということなんだと思う(偉大であるべき映画監督が女にでも出きちゃうというのが嫌=映画の権威付け?だったのかななんて僕は勝手に思ってます)。だとしたら馬鹿げたホント酷い話です。
男性の皆さん、私達を踏みつける足をどけて
は、ルース・ベイダー・ギンズバーグ
発掘良品、、、では済まされない。
発掘良人、発掘良映画人。
インサートされる、カット、シーン。
ユーモア、アクション、軽いスペクタクル、スラップスティック、差別への抵抗、シニカルな笑い、オールジャンルで素晴らしい。
リュミエール兄弟よりも早い映画開発、エイゼンシュテインも影響を受け(エ研究家の証言あり)、エジソンとの共同作業、
チャップリンの現場にもいて、
製作本数200本は前述の通り、センスがいい。ヒッチコックも影響されている。
何故、歴史から消されたのか。
本作の主題です。
アリス・ギイの実像に迫る、とても貴重なドキュメンタリー。
アリス・ギイという人の存在を初めて知ったが、とても才能があり、創造的な女性だ。
フィルムも残っておらず、女性ということもあり、歴史の中に埋もれていたのだと思う。
上映館が少なく、見逃してしまうような映画だが、これは観てよかった。
このような優れた人は、掘り起こして評価されることを願う。
なかなか、観づらいとは思うが、映画を愛する人には観てほしい映画だ。
ぜひ、劇場でご覧ください!
僕らの歴史は本当なのか?
アリス・ギィ、独創的な発想、斬新な技術、先進的問題意識、独自の視点。多面的に有り余る彼女の才能、それを利用するも正当に評価しない環境、実績にそぐわない実際の人生。
史実再発見による誤った記録への反撃に溜飲が下がる。
そんな彼女の物語を見てどうしても連想されるのは
歴史修正、公文書改竄、記録廃棄
を放置している今の我々の社会だ。
これらを許すことの未来や子孫に対する罪深さをあらためて思い知らされる。
折角見た映画自体よりも、現実社会の問題に思いが至るとは何と不幸なことだろうか!
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