マイ・ニューヨーク・ダイアリーのレビュー・感想・評価
全68件中、21~40件目を表示
1990年代のサリンジャー
この映画の中に、1996年に「ハプワース16、1924年」を出版しようとしていたサリンジャーが登場している。サリンジャーファンにとって、とても興味深いプロットだ。
熱狂的に好きになるか、意味不明で終わるか、振り幅が大きいサリンジャーだが、この映画の方が安心して楽しめる。
サリンジャーはニューヨークのユダヤ系作家なので、全米で人気があったわけではなく、ライ麦・はスラング多用の言葉遣いで学校図書館には置かれにくい状況だったようです。だから西海岸出身の主人公が、読んだ事ないのはわかる。
日本では単行本の形でサリンジャーが発表した小説は全て読めるが、アメリカでは雑誌に掲載されただけというものもある。
翻訳だから新訳というのも読める。
ファッション、空想的なシーン、音楽、ムーンリバー、職場の人間模様などのディテールがなんだか深く、面白い映画だった。
原作を読みたくなった。
ニューヨークが舞台だけれど、ニューヨークでロケはしているのかな?
本当の主役はシガニー
シガニー・ウィーバーの作品と言っていいと思う。いっそ彼女を主役にしたら、もっと深みのあるかなりいい作品になっただろう。サリンジャーとサリンジャーを読んだこともないジョアンナの関係性より、シガニー・ウィーバー演じる実在したエージェントとサリンジャーの関係性のほうがよほど切実で興味深い。
サリンジャーのネームバリューを利用した映画は近年増えてきたが、今後はよほど質をあげないとサリンジャーの価値は下がってしまうのではないか。そうならないことを切に祈る。
題材はよいのに…
「シガニーウィーバー出演。サリンジャー。ファンレターの返信を熱意に絆され、作者の代わりに書いてしまった出版業界のボスの助手…」のあらすじと宣伝映像に期待し鑑賞。
…んん?話の流れが観る側をおいてけぼりにしてるような印象。もっとじっくり味わいたかった。恋人と友達の絡みあんなにいる?主演の子のサービスショットシーンも監督のあざとさが伝わってきてなんだかなぁ…。
題材は良いのに生かしきれてない印象。ただ、ジョアンナの服のセンスが品良く、お洒落でそこが1番の見どころ。年期の入ったシガニーウィーバーは味があり、老い方も素敵でもっと見たかったし、もっと手厳しくやって欲しかった。でもいい方向の作品選んだなと感心。
名前が多く飛び交ってて、ちょっと混乱。
もっと簡略化して組み立てられなかったか。
という自分も高校時代サリンジャー挑戦したが途中下車組。村上春樹訳の方で再度挑戦してみようと思います。
なりたい自分に
ファンレターへのテンプレ返信を送る仕事に疑問を持ち始めた出版エージェンシーの新人アシスタントのジョアンナ。そんな中、超大物作家からの電話を取ったことから、秘めたる思いが溢れ出し・・・といった物語。
初っ端から「一方通行」の標識。切ないですね。
色んな人からの、サリンジャーへの熱いファンレターを見ていくうちに・・・という展開とアイデアは面白いですね。月並みな言い方ですが、夢を追う若き女性の良き物語です。
全体を通し、数々の悩める人々の想い、そしてサリンジャーからの言葉に触発されるジョアンナの姿は良かった。取り繕った結果、大物作家を前に自身にも上司にも恥をかかせてしまうとこなんか、若き夢見る女性の歯痒さと微笑ましさが感じられる。
見てもらえない手紙を悲しむジョアンナ・・・しかし形は違えど、同じ事を元カレ(?)に。。
そんなこんなで良いポイントは数々あるんだけれど、未熟者のワタクシ、恥ずかしながら出版エージェンシーというものをよくわかっておらず、マーガレットやジョアンナ達が一体何をやっているのか理解できず、地味に物語をロストしてしまったのが痛かった・・・。
それでも、最後のジョアンナの粋な計らい(?)は良かったですね。爽やかなラスト♪
新しい物語が始まるのでしょうか。
そして気になったのは落第の女学生。ジョアンナの所為だなんて言ってたが、返事の内容云々は関係ないですよね(笑)?
あとはジョアンナ、夢見る若き女性としては応援したいけど、恋する女性としては・・・。。。
確かに彼も良くないところはあったけど、あんたそもそもカールのこと・・・(笑)
そんな細かい所が気になりつつ、ジョアンナが本当になりたい自分に気づき向き合っていく様は良かったけど、その仕事内容について理解していたならもうちょっと面白い作品だったのかなぁ~と。もの知らずな自分が残念(笑)
サクセスストーリーかと思いましたが違うようです。一人の女性のニューヨークでの行動を書き記した作品です。その意味では「ダイアリー」と付けた邦題は言い得て妙かもしれません。
ポスターを見た第一印象が爽やかな感じだったので
観てみましょうということで鑑賞してきました。
シガニー・ウイーバーが出ていたのも理由かも。
舞台は90年代のアメリカ。
作家を夢見る少女が西海岸の街から
憧れのニューヨークへ。
ふんふん。
少女のサクセスストーリー なのかな、と
思ってみていたのですが…。
時間が進むに連れてそうでもない気がしてきまして…。 ふむ
この主人公の行動を分析してみると
1)西海岸の街からニューヨークへ。
2)仕事上の越権行為 (勝手にファンレターに返信) をやらかし
3)怒ったやってきた返信相手に誠意の感じられない謝罪をし
4)ニューヨークで同棲中の男にも一方的に別れを告げ
5)仕事で認められた直後に辞めると言い出し
…
う~ん
笑った顔は魅力的だし
行動力もあって大変素晴らしいキャラなのですが
こうしてみると実は
「自己中心のオンパレード」 で出来た作品
なのかもしれません。
この作品が楽しめるかどうかは
ヒロインの行動に共感できるか否か
そんな気がします。
その点で私にはちょっと… な作品でした。 …残念
※
この女性を 「素敵な女性」と呼べる人というのは
本当に「太っ腹な大人」 でないと無理かも
そんな事も思うのでした。 …ふぅ。
◇ あれこれ
サリンジャー
名前だけ知っていて、全く読んだことがありません。
90年代のアメリカで
そんなに人気があったと言うことに驚きました。
ちょっとびっくり です。
サリンジャーの作品と人生を理解した上で観ると
もっと評価の視点が変わるのでしょうか。
サリンジャー その2
サリンジャーが読者に与える影響の大きさ
たとえば最近の時代だと 「村上春樹」
そんな感じの作家なのでしょうかね うーん。
熱心なファン(いわゆるハルキスト)は世界中にいるようですし。
(こちらは数作読みました。 「羊をめぐる冒険」 とか)
紫煙たなびく場面
喫煙シーンが多いのが気になりました…。
90年代って、こんなに喫煙自由な時代だったかなぁ。
70年代の日本のTVドラマならば
こんな感じだったかも と思ってしまいました。
(太陽にほえろ とか)
出版エージェンシー(…と言ったかな 記憶が怪しいデス)
出版社 でもない
プロダクション でもない
出版エージェンシー …って、何なのでしょう?
若い作家の掘り起こし ?
作家と出版社との取り次ぎ ? う~ん
日本にも同様の制度、あるんでしょうか
(私が知らないだけ?)
◇余談
サリンジャー
というコトバの響きでゴレンジャーが頭に浮かんだ人 はーい
…って
そんなヤツは私ぐらいでしょう …きっと。
☆映画の感想は人さまざまかとは思いますが、このように感じた映画ファンもいるということで。
一部では人気映画、そしてたまに、だからなんやねん
大好きな映画館で観たので★甘め(笑)
NYに憧れる主人公。
彼氏を地元に放置のまま滞在し続け、物書きになりたいのも職を得るために隠し、得た仕事は届いたファンレターへのお決まり文句返信。
とある時からサリンジャーと電話で話せるようになり、物を書くことへの意欲が高まり始め…
んんん?
NYで彼氏?そんな家で同棲?そこで食器洗う??
いや元彼とダンス?
顔が見えないサリンジャー??
起伏が少なく平坦に流れていくストーリー。
あ、そっか、だからダイアリーなんだ。
ハラハラすることも、ドキドキも、悲しくなることもない。
一人の女性のダイアリー。
いざ自分のために!が始まった途端映画終了。
個人的にはこの手のフラットな映画は好きなので良いのですが、
隣の席で映画好き友人はグーグー寝てました(笑)
瑞々しい
詩人を目指す若者が一歩踏み出す話。さわやかな読後感の短編小説を読んだような印象。
チャンスを求めて西海岸からニューヨークに出てきた主人公の学生が、出版エージェントでの様々な体験ややりとり、とりわけサリンジャーとその愛読者の想いに背中を押されたことが描かれる。
自伝ベースだからか、あまり劇的なイベントはなく(彼の作家の「新刊」は大ニュースではあるが)、正直、映画のストーリーとしては物足りない気もする。シガニー・ウィーバーを始め、ベテラン俳優たちがチャーミングで素敵だったことと、謎の作家サリンジャーを取り巻くエピソードが好きなので贔屓目はあるだろう。
(映画「フィールド・オブ・ドリームス」劇中でジェームズ・アール・ジョーンズ(とても好き)演じる作家テレンス・マンが、原作小説ではサリンジャーだったことを思い出した)
嫌味のない青春映画⭐️
真っ直ぐで快活な青春映画で決して印象も悪くは無かったが
主人公ジョアンナが余りにも恵まれ過ぎて
その境遇の甘さが退屈さを誘ってしまったかなぁ
ジョアンナがサリンジャーを一冊も読んでいないってのに物語か嫌味なく進むのは
逆にお見事でしたけど😅
観賞後即!古着屋さんに駆け込んだ程
あの当時のファッションにオシャレ力を駆り立てられちゃいました
気取り無くサッパリとした作品でありました
画面が綺麗
タイプライターと柄シャツのミント色とか、間仕切壁とタイツのクリムゾンレッドとか、韻を踏んでくる色使いが好き。アングルも気持ちいい。野心的ではなく、誰からも嫌われない画づくりなので、音楽でいうイージーリスニングみたいな感じはあるけど。
ストーリーも『プラダを着た悪魔』出版エージェントVer.のようで見やすい。
ただ、同棲した彼氏は、最初からどこがいいのかまったく分からず、最後になって「愛してなかった」って、いやそりゃそうでしょうよとしか。書くことに向き合えずに、書くことの周辺(ワナビーや業界人?と付き合うとか)でお茶濁してしまっていた時代の象徴なのかな、あの彼は。
安心して観ていられる
作家志望のジョアンナは大学卒業後、その夢を隠して老舗出版エージェントで働き始める。彼女の担当はサリンジャー宛に届く様々な手紙を仕分け、適切な返信を書くこと。とは言え文面は厳密に決められていて、逸脱することは許されない。だが彼らの手紙に込められた思いに胸を揺さぶられた彼女は、その禁を破ってしまう……。
作家ジョアンナ・ラコフの回想録を基にした映画で、文学と映画の幸せな結婚だった。お久しぶりのシガーニー・ウィーバーが練達のエージェントを好演して存在感を示していた。
『サリンジャーと過ごした日々』ジョアンナ・ラコフ
『サリンジャーと過ごした日々』の映画化、原作は知ってたけど未読です。
『ライ麦畑でつかまえて』で有名な作家J・D・サリンジャーの担当になる、出版業界の女性の自伝です。
いい話だけど、さっぱり、あっさり、してて、あまり印象に残らない感じですね。
マーガレット・クアリーは、
『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』のイメージが強かったけど、
この映画で可愛らしい女性を演じてて、かなりイメージが変わりました。
この映画の話からは逸れるけど、
『ライ麦畑でつかまえて』を読まれてない方は、この機会にオススメです。
ジョン・レノンを殺した犯人が読んでた有名な本です。
本が苦手な僕でも簡単に読破できました。
すごく純粋な少年の話です。
読みやすいので、ぜひ!!
働く女子のポジティブワーキング
東海岸からニューヨークにやってきた作家志望のジョアンナは、出版エージェンシーに就職する。彼女は上司のマーガレットに説教されまくり。普通そうでしょ。
プラダを着た悪魔的な展開を想像してたんだけど、仕事的にはそれほど厳しくなかった。邦題の通り、ジョアンナの日常を日記に描いてる感じだったかな。失敗してもそれ程落ち込んだ感じもないし、彼氏と同棲してるのに他の男友達と仲良しだったりと、妙にリアル。
最初に引っかかったのがこの仕事、作家と出版社を繋げるエージェント。アメリカにはこんなのあるの?何で出版社が自分でやらないのよ。
あと演出で、会った事もない手紙の相手の映像や、想像だか現実だかよく分からない人物達。クスッとは笑えるけど、必要だったかな?
最後にジョアンナが夢を叶える展開なんだけど、なんだか軽すぎかな。てな感じで、ポジティブ思考で楽しいので、将来の夢を持っている若者にオススメだよ。
自分的には、出てくる作家や作品の事が分からないのが多かったので、邦画でリメイクして欲しい。そうすればもっと楽しめるはず。
正直、あまりよくわからなかった…
主人公の心情は理解も共感も出来るが、メッセージ性が伝わらなかった。
でも、そんなに強いメッセージ性を期待しなければ、楽しめるとと思います。
どう感じるかは個人差はあると思いますが、観て失敗したと思うほど低い評価ではありません。
映像はとても良かったです。
どのシーンも飽きさせないカメラワークでした。
配役も全員どハマり!
心地良さは最高でした。
シガニーウィバーはやっぱりカッコいいなぁ。
マーガレット・クアリー、可愛い!洋服も全部お似合い。
「プラダを着た悪魔」とは全然違う
特別なコトのない日常生活を過ごすが「やっぱりやりたいこと」を見出す、という、若い男女に向けた、応援歌のような作品。
「プラダ…」みたいな劇的な展開もなく、テンションが上がる展開もないが、殺伐ともしてない。
悪く言えば「退屈」な映画ではある。
でも、時々はこーゆー作品もいいのかな、と思う。
「サリンジャー人気に便乗してる」とも言えるし、
ニコラス・ホルト主演の「ライ麦畑の反逆児」も見たけど、
そもそも、「ライ麦畑で捕まえて」を読んだことがない。
大昔、読みかけて速攻で挫折した覚えがあるが…
すぐに思ったのは
見終わって、すぐに思ったのは、「The Devil Wears Prada」と共通点が多いな、ということ。
厳しい女上司の下で成功をおさめるとともに、彼氏がいるのに二股かけて、結局は元彼に戻るというストーリー。
異なったのは、より内面的な部分(というか、ちょっと精神的に病んでしまっていること)にスポットをあてていたところですかね。
女性も男性も結局は同じで、仕事上の出世・成功やエロの為には、手段を選ばす、と言った感じでしょうか。
ヒロインの女性は、最初は、そんなに可愛くないなあと思って見はじめましたが、徐々に可愛く見えてきてしまったのは、謎、です。
それなりに楽しい作品
何のエッセイか忘れたが、大江健三郎が、数年に一度はドストエフスキーを読み耽ることがあって、それは幸福な時間だという意味のことを書いていた記憶がある。ドストエフスキーを読んだことがある人ならご存知だと思うが、作品の多くは会話によって成り立っている。話し手が自分の魂を取り出して見せるような会話である。あるいは人の心の奥を覗き込んで囁きかけるような会話である。そんな会話で溢れたドストエフスキーの小説は、一度読みはじめると止まらない。ドストエフスキーとの濃密な時間を過ごすことになる。
本作品の原題は「My Salinger year」である。ヒロインのジョアンナは、とても気に入って長期滞在することにしたニューヨークで、J・D・サリンジャーという生きる伝説にまつわる濃密な時間を過ごす。
サリンジャーを読んだこともないジョアンナだが、サリンジャー本人からの電話を受けて勇気づけられる。そして同居相手が留守をしている間に、サリンジャーを読み耽る。それは大江健三郎がドストエフスキーを読んで過ごした濃密な時間と同じで、優れた作品は読む人の魂を揺さぶり、自分でも見ようとしなかった心の闇を炙り出す。
心の闇はカオスだ。あらゆる感情と記憶と妄想が渦巻いている。多くの人はそれを理性の衣装で押し隠して、社会と上手く生きていく。しかしカオスを言葉で表現しようとする人もいる。詩人であり、小説家だ。ジョアンナはサリンジャーとその作品との関わり合いによって、人生を見つける。にこやかなジョアンナの心の奥には、マグマの滾った火山があるのだ。いくらでも噴火できるだろう。
ジョアンナを演じた女優さんはやや表情に乏しく、観客が想像力で補わなければならないところがあったが、共演したシガニー・ウィーバーの素晴らしい演技に助けられて、ジョアンナという難役をなんとか演じきったと思う。それなりに楽しい作品だ。
夢に夢見て
自分には、共感度0%。
主人公が「書きたいものがある」とか「こういう生き方しかできない」から作家を目指すのではなく。
「作家になりたい」「ニューヨークでおしゃれに暮らしたい」みたいな、スタイルから入っていくタイプで、作中で全然作品を書いていない。
だから、文学青年崩れの自称作家にすぎない、自己の肥大した屑男に騙される。
「恋に恋する10代半ばの子供か! 」と突っ込みたくなって仕方がなく。
同棲相手と欲に溺れていてはダメと気づいて、サリンジャーに「毎日書く時間を作りなさい」とアドバイスされただけ、勤務先で刺激受けてデビューできました…
って展開は、「世の中ちょろい」って言いたいのか???
などと、見てる間は半ば怒っていたのですが。
自分はこの映画のターゲットではなく、別の客層が存在するんだろうな、きっと。
少し前で言うところの「F1層」。
変化球の『アナ雪』ユーザー。
夢に夢見て、現実を知って足踏みしてる人や諦めた人、昔は憧れていた仕事に今は就いていない、10代後半~30代の女性をターゲットにした「夢見ることの素敵さ」を売りにしたファンタジー風味の実話ものであれば、「夢見る自分」を肯定して「売れるかな」と思い直しました。
ブラダっぽいところと言えば……
ラスト20分で放置していたプライベートを怒涛の勢いで片付けるところはプラダを着た悪魔と同じです。
別段ヒロインが受ける仕打ちに理不尽なものはなく、カタルシスはない。
終わり方はちょっとこっちの方がおしゃれ。
全68件中、21~40件目を表示