劇場公開日 2022年12月16日

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「江頭2:50のギャグみたいな事を、映画でやって満足なん?」ケイコ 目を澄ませて ソビエト蓮舫さんの映画レビュー(感想・評価)

2.5江頭2:50のギャグみたいな事を、映画でやって満足なん?

2025年1月6日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

難しい

聴覚障害のある女性ボクサーの日常を淡々と「だけ」描いた作品。
黙々とロードワークをこなす早朝。澄み切った空気。都会の静寂。

「だけ」。

だからそれがどうしたというのだ?

早朝ランニングしてる人には当たり前の光景だ。
学生時代、奨学金のため新聞配達していた私が、毎朝、目にした光景。
確かに、気持ちがいい。清々しい。

だからそれがどうしたというのだ?

意味のない事に意味を見出そうとする風潮がたまらなく嫌だ。

だって、退屈じゃないか。

退屈を切り売りする風潮、なんだよこれ。
日本映画ってこういうの、好きだよなぁ。
平凡を平凡のままでいいんだよ的な昇華させるのも、百歩譲っていいとしよう。

「アバウトタイム〜愛おしい時間について〜」はまさに、そういう映画だった。
でも、アバウトタイムは、設定がタイムトラベルというトンデモ非日常設定で、
タイムトラベルを繰り返すうちに、
やっぱり、平凡を平凡のままでいいんだよ的に、
昇華させていたから良かったし、斬新だったのだ。

平凡や退屈を切り売りなんてしてない。
非日常的経験から平凡や退屈を肯定するから面白かった。

平凡を、切って、撮って、売る。

だからそれがどうしたというのだ?

江頭2:50の「取って、入れて、出す」みたいなギャグ映画なのか。

「取って、入れて、出す」。この一連の動きは、
江頭がベルトコンベアの流れ作業をテキパキ真剣にやっていて、
それをバイト仲間が見て、笑ったから生まれた鉄板ギャグなのだ。

主人公の平凡な退屈な日常を、切って、撮って、売る。
笑わせたいのだろうか。だとしたら、相当意地の悪い映画である。
実は、聴覚障害の方をとてつもなくバカにしてるんじゃないかと、
耳を疑う話である。

いやだから、耳は聞こえないし、笑えないんだが。

良かった演者
岸井ゆきの

ソビエト蓮舫