「いい意味で、まだ足りない」ケイコ 目を澄ませて またぞうさんの映画レビュー(感想・評価)
いい意味で、まだ足りない
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とてもいい人たちがいい雰囲気の中でもがいている日常。まるで20年前のような東京の下町の風景描写は心地よく、もっと長く、もっといろんな場面を見ていたいと感じた。仙道敦子、中島ひろ子といった懐かしい助演者への感慨もこうしたムードを手伝っていたのかもしれない。ベストに上げられる方もいらっしゃるが、当方としては良作というところです。このレベルのタッチ・ルックで描いてくれるのであれば、もう少しはっきりしたスジを取り込んで時間も伸ばした方がいろいろな思いが多くの人に伝えられそうだ、と思いました。
生まれついての聴覚障碍者という比較的少数な立場の主人公、ケイコを演じる岸井ゆきのは、失礼ながら初めて素直にいいなと思った。ボクシングも練習シーンを見てそれなりに準備されていることが見受けられた(ただ、洋画では当たり前な話なのだが、これをほめている自分がなんか物凄く微妙だ。。。)。16㎜撮影にこだわったゆえの予算の制約か、試合のシーンで何度か映るTV素材が同じだったりしたのは残念。
ともあれこの作品も良作であり、製作委員会筆頭のメ~テレの昨今の打数と打率に感服です。
蛇足:
もし自らが聴覚障碍者となったなら、そうであることを周りにわかるようにしたいと思いました。
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