「岸井ゆきのの演技に尽きる」ケイコ 目を澄ませて chikuhouさんの映画レビュー(感想・評価)
岸井ゆきのの演技に尽きる
「愛がなんだ」でも今年の「やがて海へと届く」でも、また放送中のCMであっても、警戒感を感じない柔らかな笑顔しか浮かんでこない そんな柔らかな岸井さんが、同じ障がいを持つ友人との語らいの場面以外では、常に厳しく他人を寄せ付けない表情で、常に前を見ている
実話がベースにあり、障がいと向き合いながら生きていくことが、彼女をそうさせているのであろうが、これまでの岸井さんからの大きな変化に圧倒された
学校の先生は、一年とか決まった期間だけ受け持つのに対して、こういったジムは様々な動機や理想を持って期間を定めず入会してくる それこそダイエットやストレス解消、体力づくりの目標の人がいる一方で、人生に足りないものを求めたり、一生を賭けてくる人もいるだろう 三浦友和演じる会長や指導者の側からすれば、そんな重い大きな動機を持って入会してくる「会員」に、その思いに応えていくという責任を、岸井さん演じるケイコから感じ取り、向き合ったともいえるだろう
ケイコは何と闘っているのか、母親の心配にも揺るがないのは何故なのか、それでも他の「会員」や指導者に気遣って手紙を書いたのは何故か、いつもの岸井さんではない、倒されてもすぐ起き上がり、足を踏まれたことを懸命にアピールする姿に打たれました
「櫻の園」の中島ひろ子さん、アイドル並みの人気であった仙道敦子さん、こういう役をされる年代になられたのですね(12月29日 なんばパークスシネマにて鑑賞)
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