「雄弁な静寂」ケイコ 目を澄ませて ぱんちょさんの映画レビュー(感想・評価)
雄弁な静寂
驚くほど静かな映画であるにもかかわらず、世界がいかに音に満たされているのかを感じさせる。
そうした音響的な工夫とは裏腹に、ドラマ的には出来るだけフラットになるように意識されていると感じられた。
そうしたセッティングの中で、岸井ゆきのの台詞なしの眼差しと訓練されたボクシングの動きが感情を揺すぶってくる。
新しいコンビネーション、そのメモ、日々のトレーニング、でも試合は思うようにはならない…
女性であること、聞こえないこと、しゃべれないこと。その抑圧からいっとき解放されるための方法としてのボクシング。
あまりにも雄弁な静寂に、我々聴者は耳を傾けるべきだ…
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