劇場公開日 2022年4月16日

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「【バングラデシュでの、女性の人権、労働環境を考えさせられるドキュメンタリー作品。ファストファッションの店に行って、産地国を確認して”何が出来るかを考えなければいけないな・・”と思った作品でもある。】」メイド・イン・バングラデシュ NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5【バングラデシュでの、女性の人権、労働環境を考えさせられるドキュメンタリー作品。ファストファッションの店に行って、産地国を確認して”何が出来るかを考えなければいけないな・・”と思った作品でもある。】

2022年6月5日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

難しい

幸せ

ー 中国に次ぐ世界第二位のアパレル大国、バングラデシュを支えているのは、過酷な労働環境下、低賃金で働く若き女性労働者である事は、今作を観れば良く分かる。
  隣国、インドの過酷な労働環境を描いたドキュメンタリー作品「人間機械」をふと、思い出した・・。-

◆感想<Caution! 内容に触れています。>

・バングラデシュで縫製された布を使って、多くのファストファッションが成り立っている事は周知の事実であろう。
更に、私が働く企業Gもその布を織る機械をバングラデシュの企業に、沢山買って頂いているので、今作を、鑑賞させて頂いた。

・描かれるのは、縫製企業で働く若き女性達が、残業代も払って貰えず、工場の火事で亡くなったり、深夜まで作業する姿である。
ー 実際に、縫製工場が崩壊したり、全焼するような災害が起こっているが、バングラデシュの労働省の動きは、今作で描かれているように遅いし、縫製会社との癒着も実際にあるようである。-

・縫製工場で働くシムが、労働権利団体のナシマと出会った事で、労働組合結成のために奔走するが・・。
ー 観ていると、バングラデシュでも、30日前の解雇通知が義務付けられているようだが、実際には会社側は、労組結成に関わったモノを、即、馘首している。ー

・更に、シムの同僚女性が会社の管理職の既婚の男と、不倫をしても女性だけが罰せられ、馘首されている。
ー バングラデシュ女性の人権は、どうなっているんだ!
  更に言えば、シムの夫には、”お前、何やってんだ!、働け!”と脳内で、激しく突っ込む。ー

<ラストは、やや爽快であるし、この作品で描かれるシムが、実在の女性をモデルにしている事などを鑑みると、少しは状況は改善しているのだろうか・・。>

<2022年6月5日 刈谷日劇にて鑑賞>

NOBU