「水攻め金庫」ウェイ・ダウン odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
水攻め金庫
冒頭から沈没船のお宝さがし、トレジャーハンターの海洋冒険ものかと思ったら、金庫破り映画でした。この手の映画は人気が高く乱作気味なのだが本作は一味違ってます。
普通なら最新テクノロジーの粋を集めて人が近づけないなど難攻不落のセキュリティの高さを競うのが相場ですがスペイン銀行の金庫は70年前の産物、人が侵入すると水が流れ込み逃げられない仕掛け、当然、映画のためのフィクション、奇抜なことを考えたと思ったら、驚くことに実際にそうらしい。
スペイン銀行の金庫室は、マドリードの中心部にある「シベレスの噴水」の地下 35 m にあると言われ、万一、何者かが金庫室に侵入した場合、噴水の水が自動的に地下に誘導されて金庫室を満たす仕掛けになっているとのこと。
金庫破りにはいろんな分野のプロフェッショナルが集うのがお約束だがキーパーソンがケンブリッジ大学の天才青年というのも若者受けを狙ったのでしょう、普通なら若者はIT分野、ハッカーが役どころなのだがこれは爺さん担当、彼は問題解決能力、発想に長けている設定。エリザベス女王お抱えの海賊フランシス・ドレーク卿のお宝さがしというのも妙にリアルっぽい、MI6の諜報員が絡んだり、サッカーワールドカップで手薄になる隙をねらうというのもうなずける。驚くことにドレークのお宝のありかはロンドンの銀行の地下と分かったところでTHE END、今度はオリンピックで大賑わいのロンドンが舞台かと続編を臭わせていましたね。
イングランド銀行の巨大金庫は、またもや、プールのような水に浮いているそう。もし地下を掘って金庫破りに入ろうものなら、まず水攻め、その先は、リンと亜鉛が詰まった壁があり、それを空けると毒ガスが出る仕組みになっているそうです。凝った金庫破りシリーズですかね、もし続編が作られるなら観てみたい・・。