ジェーンとシャルロットのレビュー・感想・評価
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シャルロットが撮った、ジェーン・バーキンの遺作
折からの、ジェーン・バーキンの訃報の後に見たせいか、とても特別な感慨を覚えました。2017年のオーチャードホールの公演も見に行ったのですが、ジェーン・バーキンのとても元気だった姿を思い出します。亡くなったのは大変残念ですが、それでも最後に、シャルロットが素敵な作品を遺してくれたのはとても素晴らしいし、羨ましいとさえ思います。安らかにお休みください。
【”ウィスパーヴォイス母娘”ジェーン・バーキンの生き様に、娘シャルロット・ゲンズブールが迫る貴重なドキュメンタリー映画。ファンには堪りません・・。】
ー 私が年齢が随分と違うジェーン・バーキンを知ったのは、大学の岳友のアパートの彼のCDラックの中にあったジェーン・バーキンのCDを聴いてからである。
彼の有名な、彼女と良い仲だったセルジュ・ゲンズブールとのエロティック過ぎるデュエット曲「Je t'aime moi non Plus」での、ジェーン・バーキンが喘ぎ声を囁きながら”Je t'aime”と繰り返すウィスパーヴォイスにヤラレテしまったのである。
あー、やられたよ!
で、中古CD屋を回り名盤「BABY ALONE IN BABYRON」を購入した。このCDは1000枚あったCDを半分処分した際にも、手元に取って置いた。今、そのCDジャケットを見ながらこのレビューを書いているのだが、ジェーン・バーキンの顔が物凄い妖艶さで、映されているのである。
その後、彼女とセルジュ・ゲンズブールとの間に娘さんがいて、若いのにCDを発売していた事を知った私は、コレマタ速攻で中古CD屋に行き、シャルロット・ゲンズブールが15歳‼の時にリリースした「Charlotte For Ever」(日本版のタイトルは”魅少女 シャルロット”である。)を探し回って購入した。
一曲目からセルジュ・ゲンズブールとのデュエット曲”Charlotte For Ever"が流れ、何故か”コノヤロー、セルジュ・ゲンズブール‼”と思った事は覚えている。このCDも当然、手元にある。可愛い声だがシャルロット・ゲンズブールも又、ウィスパーヴォイスなのである。
その後、だいぶ経ってから「5.55」「IRM」が発売された時は、コレマタ速攻で購入し、聴きまくったモノである。当然、この2枚も手元にある。売る気はサラサラない。ー
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・最初は、2018年の日本で、二人は小津安二郎の映画の舞台にもなった京都の旅館で向き合うが、雰囲気がギコチナイ。
それはそうだろう。二人に諍いが有った訳ではないが、シャルロット・ゲンズブールは、ジェーン・バーキンが新しいパートナー、ジャック・ドワイヨンの元に走ってからも、セルジュ・ゲンズブールに育てられたからであろう。
・その後、撮影は2年中断され、二人は自宅や思い出の地で昔の事を語り合うのである。ジェーン・バーキンが、若い頃から不眠症であった事や、長女ケイトを”事故”で亡くした事などや、彼女が今でもシャルロット・ゲンズブールに対し、後ろめたい思いを持っている事など・・。”貴女は、特別な子だったの。近寄りがたくて、神秘的で・・。”
・それにしても、ジェーン・バーキンが齢70歳とは思えないチャーミングさなのには、驚いた。話し方、立ち居振る舞いも若く、シャルロット・ゲンズブールと交わす会話も、哀しい出来事に対しても真摯に話す姿勢には、感服したなあ。
矢張り、このお二人は素敵な母娘なのである。
<二人は、打ち解けた様子で語り合い、最後は浜辺でワインを飲んだ後に、二人でお互いに腰、肩に手を回しながら歩んで行くのである。
そして、ジェーン・バーキンは、今作後、2023年の夏に長女ケイトのいる場所に旅立ったのである。
今作は、”こんな素敵な母娘って、そうは居ないよなあ。”と思った貴重なるドキュメンタリー映画なのである。>
2人のファンなら…
2人のファンなら楽しめる映画だと思う。
予告編の「ママと向き合うと気まずさのようなものを感じる」という言葉から、母娘が関係性を見つめる物語かと思って観たが、映画の中で2人の間に気まずさや距離感に戸惑う様子は感じず、肩すかしをくらった感じ。
ジェーンの誠実さとシャルロットの芯がしっかりしたところはすてきだなと感じたが、
セリフにジェーンの夫やシャルロットの娘の名が出てきて、誰なのか説明されないまま進むので、観るなら予習した方がいいかも。
私は知らずに観て、何言ってるのかわからないまま置き去りになり、集中を削がれたりした。
映像は美しいが、親子関係を前向きに再構築する過程を見せてくれるのかなと勝手に期待した身としては、うーん…
仕事への思いや、自分の父以外の夫との関わり等、シャルロットが聞きたいことを聞いているが、気まずさとか何かしら距離感がある親子という雰囲気は感じなかった。
鑑賞後に調べたところ、ジェーンは三度結婚してそのたびに1人ずつ娘を産み、長女が自死している。
シャルロットは2番目の夫の子で、離婚後は父セルジュ・ゲンズブールの元で育ったよう。
そのため、疎遠な時期があり?聞きたくても聞きづらいことがあって、予告編の言葉が出てくることになったのかもしれない。
親子でこうやって話せるのは素敵です。
私自身も、母の晩年、子ども時代からわだかまっていた自身の気持ちを母に伝えたことがあります。
勇気が要りましたが、母に伝えてよかったと思っています。
親子だから、家族だから、必ずしも本音が話せるわけではないんですよね。
ジェーンとシャルロットを観ていて、ヨーロッパ、フランスだなーと感じました。
少なくとも、私と母の組み合わせより、数倍おしゃれ。
親と子の組み合わせだけ、確執はあり、それとどう向き合うかも、親子の数だけ答えはある。
そんなことを考えた映画でした。
(原題) Jane par Charlotte
ジェーン・バーキンさんのご冥福をお祈りいたします。
母であるジェーン・バーキンとの「対話」、すごく良かったです。
娘さんだからこそ引き出せた本質、2人の間に流れる空気は素敵でした。
ステキな母娘
母と娘は、親とそのこどもだったり、子どもとその母親だったり、
友だちだったり、ライバルだったり、いろんな関係性を築くのだよなー、
と自身と重ね合わせて、今は既に身罷っている母を思いだし、
心がジワーんとなりながら観ておりました。
ジェーンの表情から、シャルロットへの愛が、
そして、そんな表情を引き出せるシャルロットの母への愛がひしひしと伝わってくる
そんな母娘の愛に触れ、終始微笑みながら観ることができました。
ジェーンが身罷る前に、この作品でお互いの母娘の絆を確かめることができ、
お互いに幸せでしょう。
優しさが溢れてる。
家族の肖像
音楽・ファッション・映画とフランスのイコン的な存在だったジェーン・バーキン。41歳のときのゴダールの「右側に気をつけろ」で、木漏れ日をまっすぐ見つめる表情や目線が、ああ美しいなと思いました。
今回その娘シャルロットは、フランスではその瑞々しい演技からフランス人みんなの娘とまで言われて愛された14歳のときの「なまいきシャルロット」から17歳のときの「小さな泥棒」まで一貫して母のいない不安定な思春期の娘を好演していたことに気づきました。が、その根っこには、両親の離婚や母親の芸能活動故に寄宿舎に入っていたという事実が、彼女に父母に対する何かの欠乏感と不安感、距離感の土壌となり、それが、役柄に反映していたのかもしれないと今振り返ると思います。
家族の関係はいつもどこかにやっかいなものがあるものですが、シャルロットにとって、父と母との距離を縮める唯一の手段は、父監督・父子共演の父子家庭を描いた「シャルロット・フォーエバー」にしても、父死別の中で母子を描いた子監督・母子共演の本作にしても、結局「映画」という口実しかなかったのかもしれません。そう考えると芸能一家の特権というよりは、むしろ縮めたいけど容易に縮められない距離感を特に感じさせてむしろどこかもの悲しく思えたりします。
とにもかくにも、カメラの力を借りてでも、最後にお二人が対話できたのはとても良かったと思います。そして日常の会話の中に、揺れ動く二人の感情や父母と暮らした家族の幸せな思い出の輝きがとてもきれいに描かれていて、二人の中にあった心の中のモヤモヤが完全ではなくとも、大分整理されたのではと感じました。それが海岸での素敵なシーンに繋がっていたように思います。多分「シャルロット・フォーエバー」と本作はシャルロットにとって二本ではじめて完結した「家族の肖像」だったのではないかと思います。
親日家でもあったジェーン・バーキンのご冥福と、大女優にして初監督にも踏み出したシャルロットの、今後のご活躍をお祈りしたいと思います。
バーキンとゲンズブール
ジェーン・バーキンは、これを入れて3本
シャルロット・ゲンズブールは、これを入れて5本
観た作品の数です。
特に大ファンってワケじゃありませんが、まあ好きな役者さん。
このドキュメンタリーは日本の映像から始まります。
知らなかった事を知れました。
ファンの方なら楽しめると思います。
ジェーン・バーキンが、チャーミングなお婆ちゃんになって、愛する娘と女子トーク❤️
美のアイコン、ジェーン・バーキンが、チャーミングなお婆ちゃんになって、愛する娘と女子トークする❤️
アットホームな会話なのに、映像はどこかシュール😉とっても不思議な映画でした🎶
心からご冥福をお祈りします🙏
二人にとってどれほど大切な作品だろう
おそらく日本でも一番有名なフランス人の母娘、ジェーン・バーキンとシャルロット・ゲンズブール。
これはシャルロットが母ジェーン、そしてシャルロット自身を撮ったドキュメンタリー。
お互いに距離を感じていたという二人。
冒頭から緊張感が漂う。
思えばジェーンがセルジュ・ゲンズブールが別れたあと父のもとで成長したシャルロット。二人の間の距離もやむを得ずか。
しかし二人で過ごす穏やかな時間が二人の距離を縮めた。時間とともに空気が柔らかくなっていった。観る自分も幸せな気分に浸った。
この作品が在ってホント良かった。
今年7月に逝ったジェーンにとってシャルロットと過ごした時間が、そしてこの作品がどれほど大切なものだっただろう。
特別なのに自然で普遍的なフランスの親子
カリスマと言っていい存在の親子が家族愛を語るが、全然気取らず自然なのに、その言葉は普遍的で美しく心に染みる。われわれの好きなフランスって、コレだよねと思う。われわれ日本人はわざわざ言葉にすることないとか、寡黙に価値を置いたりさえもするが、やはり違うと思う。ことさら言葉に出して響き合う感情がとてもいい。
かなり特殊な母娘だけど、
こんなふうにに母と娘が半生を振り返ってハグできる関係性って、なんかすごいなと思った。ケイトのこと、全然知らなかった。「母の年齢と病気がこわい」と語っていたシャルロットはジェーンを失ってしまった。現実と境のないドキュメンタリーならではの、現在の彼女の胸中を思うと本当に胸が痛い。それでも撮ってよかったよ!と、言ってあげたい。スチルカメラマンとしてのシャルロットの腕前はなかなかなのではないか、ともと思った。
この方のファンならぜひぜひ。おすすめ枠。
今年268本目(合計919本目/今月(2023年8月度)7本目)。
(参考)前期214本目(合計865本目/今月(2023年6月度まで))。
そういえば、最初に出てきた日本はいったい何なんでしょうか…(来日したことは何度かあると思うけど、最近の話?)。
ほぼほぼ娘・母の対話形式というストーリーで、ストーリーというストーリーがほぼ存在せず(場所を変えたりするところはある)、母親にとっても娘(シャルロットさん)にとっても言いにくかったことの告白など、一定程度重い話題も出てきます。ただそれもまた一人のアイドル(?)であると同時に「一つの家族」で起きた出来事であり、それを否定することは誰にもとっても否定はできないだろう、というところです。
ほぼ前編フランス語、ごく一部に英語、なぜか日本語(上記の事情)という構成ですが、字幕が丁寧なので気になりません。
シャルロットさんといえば結構若い時の作品が有名で、今では復刻上映以外ではVOD課金する程度でしか見られませんが、ぜひぜひ見てみようと思います(三井住友銀行は日曜日にメンテするのやめて… ←銀行に紐づいているので課金を伴う操作ができない)。
なお、展開上気になった点(単なる説明不足)は以下の通りで、一応補足入れてます。
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(減点0.3/「グレープフルーツジュースがどうだの」といったお話)
・ 柑橘類、その中でも特にグレープフルーツジュースは、特定の薬物の効果をあげてしまうということが知られています(そのあとに、不眠で睡眠薬を…という話が出ますが、日本で出る一般的な睡眠薬もこの扱いで、「グレープフルーツジュースと一緒に飲むな」というお薬のしおりには書かれているはずです)。このことを指していっています。
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フランス人の表現の豊かさ、さり気ない人生の哲学
僕が初めてフランスに行った頃だと思うが、ちょうどセルジュが亡くなった後で、テレビ番組ではセルジュの特集を組んでいた。
人気のある人なんだなぁと漠然と思い、その後ジェーンを知りシャルロットを知った。シャルロットはまだ「小さな泥棒」を撮ったかどうかというくらい。
シャルロットは劇中、セルジュのことを「パパ」と呼んでいるのが気になり、また、気に入った。
この映画は彼女たちの限りなき日常の記録であり、それがゆえに価値がある。
日常ほど、尊いものはない。
もう二度と戻らないのだから。
ジェーン・バーキン。
今でも格好いいし、美しいと思った。
なんて言うのだろう、フランス人特有のしなやかさ。
そして、言葉を選びつつ、表現しようとする点。
フランス人はなんと会話が上手なのだろう。
この映画は会話(対話の方が近いが)で成り立っているが、それが、面白い。
シャルロットの独白もとても良い。
何故に彼らは抽象名詞が好きなのだ?
その辺が非常に哲学的である。
そしてその2人の間にいるセルジュ。
家が観れたのは良かった。なんともセルジュらしい凝った家。
あそこにジタンタバコをふかしながらセルジュがいたんだなぁと感慨深い。
僕はセルジュのレコードを全部レコードで所有しているが、そんなセルジュに対する彼女たちの未だに続く愛情が嬉しかったし、そうだよな、っていう思いで一杯になった。
フランス映画らしい映画。おススメ。
いろんな事情
が重なり映画は前半1/2程は寝て過ごしたと思うw
が、ちょうどジェーンとシャルロットがセルジュと過ごしたアパルトマンを訪ねてあれこれと過去を紡ぎだす辺りでしっかりと観たが、カッコええわ。と言うのが真っ先に浮かんだ感想だった。
ほなどのへんでそうおもわはるの?と仰る方向けにもう少し。
いけないことや自分の弱みのような悩みも包み隠さず正直に語るジェーン。それを受けて丁度良い塩梅の返しで会話を繋ぐシャルロット◎これが良かったんよね。
自然体で作り込み感がなく。ね◎
スターとは作り込まれて作り込まれて光るものではなく
自然に時と共にうつろいながら光り輝くからスターなんだ。と、この映画を観て本年、今世を去っていかれたスター達にも思いが巡った映画だった。
もうほんまに勝手にしやがれ。ですわw
シャルロット ゲンズブール大好き❗️
なまいきシャルロットを見てからシャルロット ゲンズブールのファンになり、当時、映画雑誌を読みまくり切り抜きをしてました。
また、今は絶版かもしれませんがシャルロットのCDまで購入してCDウォークマンで聴いていました。
出演作品では小さな泥棒は何度観たか覚えていないくらいです。
一方ジェーン バーキンさんは世代が離れてるせいかそれほど詳しくは分かりませんが、女性憧れの👜バッグに名前がつくほどのすごい女優さんだったんですね。
だからかな?今日の劇場鑑賞では、50代、60代位の女性が八割くらいだったように感じました。
もうちょっと公開劇場を増やしてもいいのではないかと思うくらいの人出でした。
フランス人🇫🇷女優はソフィー マルソーも大好きです。
ジェーン バーキンさんのご冥福をお祈りします。
娘が母のために、 そして今後の自分のために作ったかのようなドキュメ...
娘が母のために、
そして今後の自分のために作ったかのようなドキュメント
訃報の直後の公開というのがなんとも切ない
途中、娘のナレーションの一言一言が心にグッときた
いつか母を亡くしたらまた見たくなる気がする
いわずと知れたフランスの名女優さん一家。 シャルロットさん側から母...
いわずと知れたフランスの名女優さん一家。
シャルロットさん側から母親に向けて、思い出話や、ほかの姉妹の話をうかがったり、
母娘というよりお友達のような側面もあったり、時には遠慮がちだったり。
出だしがいきなり日本でのコンサート場面で、あらためて親近感が沸いてきました。
日本公開前、つい数週間前に、ジェーンさんが他界。合掌。
母を見つめる口実が欲しかった娘
なぜ歴代旦那と一人ずつしか子供を作らなかったのか、
歴代旦那の話やジェーンが考えていたこと、幸せだったこと苦しかったこと、
いろんな話をしているようで、これはきっとシャルロットのための話で、ルーや亡くなったケイトへの話もきっとまた違うんだろうな
不眠症のジェーン
「ジョン・バリーは爆発寸前だった
彼が寝ているのを起こしてまで私が優しい言葉を欲しがるから」
ってところで悲しいやら可愛いやら、ちょっと笑ってしまう
ドワイヨンの話をもう少し聞きたかった
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