「この映画は決して二番煎じではない。 人々がなぜアンネ・フランクに惹かれたのかを再認識させてくれる」アンネ・フランクと旅する日記 スクラさんの映画レビュー(感想・評価)
この映画は決して二番煎じではない。 人々がなぜアンネ・フランクに惹かれたのかを再認識させてくれる
第二次世界大戦の悲劇の1つとして、今もなお語り継がれるアンネ・フランクの物語。
彼女が書いた日記を基にその悲劇は、様々な創作の題材とされ、隠れ家での日々や同居人たちとのやり取りを知らない人は少なくないはず。
でも、この映画はそんなアンネの悲劇の物語を再演するようなものではなかった。
日記に登場する架空の人物キティが、現代のアムステルダムに具現化され、日記の記述を手がかりにしながら友人であるアンネを探す。そう、日記から生まれたキティはアンネの最期までの道のりを知らないのだ。
アンネを探す旅の中でキティはある社会問題を目の当たりにする。その問題を抱える現代はアンネ・フランクが望んだ未来とはかけはなれていた。キティはアンネ・フランクの最期を知らなかったけれども、アンネの心は誰よりも知っていた。そのキティが取った行動にハッとさせられた。
監督はこの映画を通じて、観る人に問いかけているようだった。
私たちはなぜアンネ・フランクに惹きつけられ、今もなお彼女たちの隠れ家に長蛇の列を作って訪れているのか。その理由は忘れて、「アンネ・フランク」を神格化し、彼女の日記を崇拝対象のように飾っていることに対する皮肉も混ざっているように感じられた。
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