ツユクサのレビュー・感想・評価
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俳優陣の自然な演技にほっこり。
みんな抱えている過去だったり、子どもが直面する現実だったりは、それなりに厳しい。その中で、日常生活は淡々と進んで行く。
出会う人たちのことを、大切に、尊重して、生きていけるといいなと思う映画でした。
小林聡美と松重豊のラブストーリーが、こんなにいじらしいなんて
アラフィフのフミちゃんは、気の合う同僚達やその息子コウヘイと楽しく過ごしながらも癒えることのない過去の傷を抱えている
そんな中フミちゃんが、車を運転中に隕石に激突するアクシデントにあった日から、毎日に小さな変化が起こり始める
海沿いの小さな町で暮らす登場人物達の日常を、ショートストーリーを切り貼りしたような構成の、なんでもない生活風景、会話で描かれていく、その一コマ一コマの中を流れていく役者達がみんな良い!
小林聡美、平岩紙、江口のりこが、それぞれの境遇の違いからくる悩みとその受け入れ方を、リアリティをもたせながらも、人生の一場面とばかりにさらりと演じているのがさすが
そして、なにより小林聡美演じるフミちゃんと、松重豊演じるゴロウのラブストーリーがこんなにいじらしいなんて!
互いに癒えない傷を持ち、自分が幸せになることに後ろめたさを感じてしまう2人が、ぎこちなく距離を縮める様に、やきもきしてしまう(しかし、松重さんがゴロウて、ワザトか笑)
ラスト近くのフミちゃんとコウヘイのシーンは、彼女がたくさんの変化を通じて自分のために生き直す決意をしたスタートに感じて、泣きそうになった
芸達者な役者さん達の、熱くない演技合戦も最後まで楽しかった
特に、ラジオ体操のベンガルはズルいし、それを受ける江口のりこに吹いた
明るさの裏にある痛みや悩みも描きながらも、それでも前向きに生きる人々の希望にスポットを当て、人は何度でも生き直せる、そう思わせてくれる映画でした
映画レビューではないんですが。
芙美と同年代なんだな。自分がそういう年代に達したせいか、最近好んでこういう映画を観るようになった。思うのは、意外に早く死は身近な存在になったなという感じ。人生をどう生きるかは誰でも考えると思うが、最近はそこに「残りの」人生という修飾語が付くようになってきた。この映画の登場人物の多くは、大きな喪失感を抱えて生きている。描かれていないが、断酒会の人達や工場長や航平のお父さんやマスターや、もしかしたら吾郎の奥さんだって。極論すれば、これを読んでくれている全ての人が容易くない人生を歩んできている(でしょう?)。人に歴史ありとはよく言ったもんだなと思う。そう言った思いを抱えながら、いや抱えているからこそその人にしかできない生き方とは何か。最近は老人を主役に据えた映画が、国内外を問わず随分増えた感がありますが、今後は映画界全体にとっても主要なテーマになっていくのではないかと映画を観ながら考えてました。
それぞれ
70本目。
えっ席が、そっか今日はファーストデイ。
すっかり忘れてたけど、前列は埋まってないから、ラッキーかと。
分かり易く撮っていると思うし、観やすい。
それぞれ過去に何かあったりだけど、きっかけは何だっていいんだよね。
行動するのは、自分だから。
ドラマチックな展開に慣れてしまったせいか、物足りなさを感じるのは、自分の若さかな。
小林聡美さん
かもめ食堂が大好きなので
ちょっと期待が高すぎたかもしれません。
もういい歳なんだからと
現状を変えることをためらったり諦めたりせず
ちょっとだけ自分を後押しして
一歩踏み出してみれば
また違った生き方があるということなのかなと思います。
それにしても
小林聡美さんは個性的な女優さんたちと
しっくり組み合わさって,
居心地の良い世界観が創り出せる女優さんだなあと感じました。
転校生やかもめ食堂の頃から変わらず
凜としてありのまま自然に歳を重ねていく小林聡美さんが
やっぱり好きだなと思いました。
名人劇場
伊豆の港町のタオル工場で働く50歳手前の独身女性と同僚やその家族達に訪れる変化の話。
ある日の断酒会の帰り道乗っていた車に隕石がぶつかり…と始まっていくけれど、これはまぁ気の持ち様ですね。
宇宙が大好きな同僚の息子との交流や彼と家族の問題やちょっと甘酸っぱい出来事、主人公本人の過去とこれからの話等、THE 邦画!な笑いを交えつつみせていく。
恋愛物語がメインでこれと言った掴みどころや熱い流れがあるわけではないけれど、優しく温かくホッコリさせられたし、3人の女優陣の上手さに感心させられた。
たとえ隕石が落ちてこようとも揺るがない「日常」
とある港町にひとりで暮らすフミさん。隕石が落ちてきたり、謎の男性と出会ったりしたことすら、穏やかなその日常は美しい海や山の風景とともに包み込む。隕石の件を描くことで、フミさんがそれにすら騒がないことで、すべをありのままを受け止め自然体で生きていこうとしていることがわかる。やがて明らかになる彼女の「秘密」。
小林聡美や江口のりこがタオル工場で働いてて、松重豊が草笛吹くんですよ。良くないはずがない。
ただ、あの小学生のキスシーン要るかな?ちょっとギョッとしちゃった。キスしなくても、隠れ家でふたりでひっそり寄り添ってるだけでもじゅうぶんコウヘイは傷ついたと思うし、キスなくてもよかったと思う。あそこだけ描写がちょっとどぎつくて違和感。
あと、穏やかな日常、はぜんぜんいいのだが、要所要所もう少し深く描いて欲しい感はあった。
もう少し踏み込んでほしかった
予告編での期待が高すぎたか、鑑賞後はため息が出てしまった。
アルコールに走るきっかけはあったかもしれないが深みにはまる心情のひだが見えないし、なぜ禁を破り飲んだのか。
何故東京の歯科を訪ねるのか?
どれもが消化不良で、内容の薄さを演者さんの良いイメージに救われているような気がしてならなかった。
ほんわかして良かった
田舎の港町で暮らす五十嵐芙美は、友人たちと時間を過ごしたり、天体観測が好きな小さな親友・航平と遊びに行ったりしてた。また、運転中に車に隕石がぶつかるという珍しい事故に遭ったり、草笛の上手い篠田吾郎と出会い惹かれて・・・てな話。
たわいもない日常生活を描いたような話なんだけど、なんかほんわかして良かった。
小林聡美、江口のりこ、平岩紙、徳重豊、など出演者が良かった。子役の斎藤汰鷹も良かった。
ボンネットを貫通したのは本物の隕石だったのかな?
ツユクサで草笛吹いてみたくなった。
命みじかし恋せよ乙女‼️❓
人生は短いから、不倫でなければ、死ぬまで、いつでも、誰とでも、恋すれば良いと思う。
酒も、迷惑をかけなければ、自己責任で、いくらでも飲めば良いと思う。
しみじみ、コクのある、自然体の、いい映画でした、是非。
キャストが素晴らしい
脇の脇までいい俳優揃いで、とても味わい深い素敵な作品になっています。
日常の中にある小さな奇跡に気付いてちょっとでも前に進めたら、きっと今日よりもいい明日に出会える。そんな夢を抱きながら優しい気持ちで劇場を後にすることができました。
ほとんど見かけなくなったツユクサ
…ツユクサ
今ではほとんど見かけなくなりました
久しぶりにみました
ツユクサの葉で音が出るなんて
…知らなかった
全体にほのぼのとした人間関係
楽しい人たち(職場仲良し三人組)
小学生の息子を亡くした女性芙美(小林聡美)
ある男性吾郎(松重豊)と出会う
男性も妻を亡くしている
優しい語り口でツユクサの話をする
お互い好印象の二人
若い人たちとは違って歯がゆいところが
ありますが落ち着いた雰囲気が
心穏やかに見られます
ところ所でクスッと笑ったり驚いたりで
楽しめました
いろいろ抱えるものもあるけれど
前向きに生きる芙美の笑顔が素敵です
長い人生…どこで恋がはじまるか
どこに縁があるのかわかりませんね
なんだかホッとするものがあった
小林聡美の演じた五十嵐芙美さんが、大林宣彦監督の映画「転校生」の斉藤一美とタブって見えた。三つ子の魂百まで。女は歳を重ねても乙女のままなのだ。
芙美さんは古臭い価値観から抜け出せないでいる。子供は親の言うことを聞かなければならない。義理の親でも親は親。尊敬して大切にしなければならない。昭和と呼ばれそうな価値観だ。
そんな価値観が息子を死に追いやったことを、芙美さんは未だに理解していない。だから友達の息子の航平の話すことを理解しようとせず、一方的に偉そうに説教をする。映画だから航平は芙美さんのことを嫌いにならないが、現実なら愛想を尽かしていたはずだ。
主題歌は昭和に大ヒットした中山千夏の「あなたの心に」である。中山千夏は歌手活動の後に国会議員になったり、たくさん本を書いたりしている。何冊か読んだ記憶がある。内容は殆ど忘れてしまったが、その中のひとつに、恋とは性欲のことだと看破している文章があった。誰もが明言を避けている真実を堂々とストレートに書いているところに感心した。改めて歌を聞いて感動した。やっぱり昭和の歌手の歌は、聞いていて心地がいい。
本作品で芙美さんが成長するわけではない。さすがに50歳のおばさんに成長はあり得ない。しかし松重豊の吾郎さんに逢って、芙美さんは乙女に戻る。キスをして男の舌で口の中を舐め回されれば、心も溶けてしまう。
芙美さんといい、吾郎さんといい、子供の心のままの大人である。東京で居場所をなくして流れ着いた伊豆の町で出逢い、そして忘れていた恋心に目覚める。そう、本作品は恋愛映画なのだ。優しい大人同士の優しい恋愛である。なんだかホッとするものがあった。
忘れることはできないが、前に進むことはできる
心の傷を負った人が、再生していく物語といえば、大事件を解決したり、厳しい試練を乗り越えたりと、ドラマチックな展開が多いが、『つゆくさ』では隕石にぶつかる程度のアクシデントしか起きない。
この作品に登場する人たちの喪失感を埋めていくプロセスは、身近な人たちが行なっている過程にとても近い。傷がカサブタで覆われ、何かの拍子にカサブタがはがれる。劇的な何かが起きるわけではない。
だからこそ、共感できる部分がいっぱいある。仕事に集中したり、気の合う人とおしゃべりをしたり、行きつけの店でくつろいだり。そんな物語を小林聡美、江口のりこ、松重豊らの演技達者が、コミカルに演じる。彼らの過去はさらりと触れられるが、そう簡単に癒えるような出来事でもない。忘れることもできないが、前に進むことはできる。そんな事を思う作品でございました。
普通に恋ができる…それ自体が奇跡に思えてきます
絶対に忘れることのできない喪失と後悔。
それでも、普通の仕事があって、普通の暮らしをしていれば、少しずつ薄れていく…。
薄れていく、という言葉はそれ自体にややネガティブな印象が伴いますが、決して悪いことではありません。
残された人だって生きていかなくてはならないのだから、少しでも幸せなほうがいいに決まってます。本人だけでなく、周囲で暮らしている人たちだって、声の掛け方にも気を使うような辛い精神状態の人が身近にいるのは、どうしても息が詰まる訳でなるべく少ないほうがいいと思います。
ルーティン・ライフって大事ですね。
仕事でも家庭でも、一定の役割があって、ささやかながらも自分なりの使命感と自負が持てる規則正しい生活ができる、ということ。
芙美が航平と友達付き合いをしているのは、見ようによってはボランティア。世間的にそれほど立派なことでなくてもいいから、ルーティン・ライフの中にそういうことが加わって忙しくなるのは、亡くなった人に対して、自分が生き残っていることに負い目を感じる時間も減っていき、心も穏やかになっていくはずです。
生きているんだから、恋くらいしたっていいんだよ。
※ウクライナやコロナ禍だけではなく、以前からあったアフリカの内戦や飢餓、ミャンマーや香港やタリバンその他色々な形での圧政に苦しむ人たち。
今、世界人口は約80億人ですが、普通に恋ができる環境で生きていける人は一体どのくらいいるのでしょうか。
『ツユクサ』
オンライン試写会にて鑑賞。
海辺の小さな町でのクスッと笑える日常と人間模様、出会いと別れ、新たな恋の芽生え。
切なくもほっこりと心温まる作品でした。
なんと言ってもあの停電の演出、最高でした!
もういい年だからと諦めてしまう事が多いけど、幸せになる為の一歩を踏み出す勇気をもらえた映画でした。
出演者を見て、好きなタイプの邦画かもと思っておりましたが、当たりでした。
やはりこの手の出演陣はいい味を出してくるなと、つくづく感じてしまいました。
(オンライン先行試写会なので)ネタバレなしです。
今年109本目(合計383本目/今月(2022年4月度)19本目)。
前々から興味があって、ツユクサのアカウントをフォローしてメールアドレスを登録したら当選しました。
当然のごとく「ネタバレは禁止」ということなので軽くいきます。
テアトル梅田やシネリーブル梅田等でよく予告編が流れていたのですが、「東京テアトル系列」みたいです(2022年だと、「私は一体なにと戦っているのか」(?)だったかも、この系列)。
この映画とテイストはやや似ているかな…という印象です。
地球に住んでいる人に(小さい)隕石がぶつかるという天文学的な経験をした主人公(この映画の主人公は誰に取るかは微妙ですが、五十嵐芙美さんでしょうね)や、彼女を取り巻く知り合いと話が進んでいきます。
ところが彼女は諸般の事情で一人暮らしであり、それには過去の問題がありました。あるとき、その一人暮らしで住んでいる町に引っ越してきた人がいて、その人と奇跡的な出会いをするのですが…。
※ (参考) ツユクサにも色々な種類がありますが、江戸時代に入ると友禅などの絵具として用いられています(青色の色紙として)。
全般的にほのぼのと進む日本映画の特徴そのままで、アクションシーンもなければ目を見張るようなシーンもない(恋愛シーンもないわけではないが、ごくごく最小限)、平坦に過ぎるというのはあるのかもしれませんが(それで引いても減点0.1程度に過ぎない)、東京テアトル系列さんの映画はこの傾向があり、そういう映画だということを認識した上で見に行く限り、そこまでの減点要素ではないと思います(どう解しても4.9にしかならず、四捨五入で
5.0まで切り上げています)。
邦画の“大好き”が全部詰まった映画
花の名前を教えてもらうと、その花を見る度にその人の事を思い出すそうな。
行き止まりに思えた道も、よく見回すと別の横道に繋がっている曲がり角だった。
そんな人生の2ターン目の戸惑いや喜びが、心にスッと入ってくる。
見事な脚本。素晴らしい演技。真摯な演出。
邦画の大好きなところを全部集めたような映画でした。
航平くんの元気な語り口が、映画のトーンを一段明るくしています。
てっきり、子供の目線から主人公の芙美を観察しているのかと思いましたが、ガッツリ物語の中に入り込んでます。
まさか初恋のくだりが、こんな風に影響してくるとは!
それで言うと、まさかインコがこんな風に影響してくるとは!笑
主人公の芙美を中心にはしていますが、芙美を取り巻く人々のドラマも描かれます。
最小限で無駄のない脚本が本当に素晴らしい。
そして、その最小限のエピソードの見えない部分…氷山の下に隠れている部分を最大限に膨らませて見せてくれる名優たち。
小林聡美さん、松重豊さん、平岩紙さん、江口のりこさん、渋川清彦さん。
ちょっとしたニュアンスに込められたユーモアとペーソスがたまりません。
子供の頃、50歳っておばあちゃんだと思っていました。
でも、人生100年の時代では折り返し地点にすぎない。
人生のどん底から少しずつ動き出した心が潤っていく。距離が縮まるトキメキや、誰かと寄り添う心地よさ。
いい歳の大人でもキュンキュンしちゃうんだなぁ。これが。
航平君と対に描かれる、人生2ターン目の初恋。
靴下を脱ぎ捨てるシーンに胸が詰まって泣けました。
とっても好き
オンライン試写会にて。
もう全てのキャラが魅力的!素晴らしい脚本&演技で、とても好きなタイプの作品でした。好きな落語家さん達の出演も嬉しい!舞台となる港町の雰囲気も素敵で、のどかで美しい西伊豆に行きたくなりました。
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