配信開始日 2022年1月7日

僕を育ててくれたテンダー・バーのレビュー・感想・評価

全29件中、21~29件目を表示

3.5自伝を書いて売れる人なんてひとにぎり

2022年1月20日
PCから投稿

いい顔の少年。豊頬で濃いまゆ。漫画みたいなまつげ。かれDaniel Ranieriだけで、五分は評点できる──そんな子役だった。
母親役はお母さんを彷彿とさせた。ロートルならきっと結婚しない女に出ていた“お母さん”を思いうかべるにちがいない。

成長して作家になったひとが、じぶんのことを語っている。スタンドバイミーやリバーランズ~みたいな感じ。

JR少年の幸運は、父に早々に捨てられ、母と伯父の愛に育まれたことだと思う。
もしダメな父が居付いていたら、この環境は得られなかった。父が奔走したおかげで、JRは母と伯父にとても可愛がられた。ことに加え、かれの日常はとても知的だった。伯父がやっていたバー=大人が酒を飲むところには聖俗入り混じった溜息と知恵が詰まっていた。

だれかの自伝に触れるたびに、ひとは幼少期に愛されなければダメだと思う。(←これは絶対である。)
また、ばかな環境でもダメだとも思う。(親や自身が積極的に底辺から脱却しようとしているならだいじょうぶ。)
愛されて知的ならぜったいにモノになる。──粗削りな意見だが、真理だと思う。

個人的に映画の白眉だと思ったのは、大学を卒業して父に会い、父の女の家に行った場面。そこに女の連れ子がいる。ひとりで静かにジグソーパズルをしている。壁には完成したジグソーパズル──諸外国の景観が貼ってある。いま少女はベネチアを完成させようとしている。少女は「旅行がしたい」と言う。

クズの父に絡め取られた女の連れ子。そんな子供の未来は、手に取るように明らかだ。だからJRはかのじょに言う。「だったら勉強をがんばれ。がっこうの勉強をすごくがんばるんだ。ぼくはまずそうした。そうするしかないときもある。」
母の苦労を見て育ったJRは、初対面の少女に本気でそう諭した。──そんな場面だった。

わたしはロバートレッドフォード監督のリバーランズスルーイットで町牧師の父役トムスケリットが“兄”に「おまえは文章を書くのが好きなようだ。それならいつか家族のことを書きなさい。」と言った台詞を明瞭におぼえている。
自伝を書く人はそれなりの人生をやってきている。──それも真理だ。

レトロな映画でもある。懐かしいあの頃──の映画でもある。そんな映画を新型コロナウィルス禍下に見る気分は、新型コロナウィルスがなかった時に見る気分とは違うものになった。

ざっくりした感慨だが、新型コロナウィルスによって今までなんとか保たれてきていたものが破綻している。平常時なら顕在しなかった膿が出ている。街往く人々や、空気感に厭世がただよっている。職場でも、立ち寄った飲食店や商業施設でも。みんな一様に不機嫌を決め込んでいる。テレビやネットのつたえる出来事も、それを反映している。
唐突で大風呂敷で漠然とした所思だが、コロナ禍下の社会は「日本人てぜんぜんリッパな人種じゃないよな」と思わせた。もちろん自分もその一員に過ぎないわけだけど。

わたしは事件/時事に「世も末だ」とは、まったく感じない質(たち)だが、邦画を見て洋画を見る、あるいは洋画を見て邦画を見る、あるいはさまざまな国/人種のYouTubeを見る──と、そのなんともいえない懸隔に、われわれ日本人て、──何と言ったらいいか解らないが、いい感じの人間性を感じない。もちろんエンタメ等々を見て影響をこうむる年じゃないし、そんなことおくびにも出さず平気な顔して生きているわけだが。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
津次郎

2.0ちょっと退屈かなあ

2022年1月18日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

ジョージクルーニーが監督を務め、キャストにベン・アフレックがいる事で観てみようと思ったが、
肩透かしにあった感じだ。賞味100分もないと思うが、何度か『まだ何分あるのか』と見てしまった。

自伝小説を映画化したもので、これといって大きい出来事は起きないのは別に良いが、それでも集中するには魅力に欠けた。主人公と叔父の会話がこの映画を楽しむにおいて重要なファクターだろうが、如何せんウィットに富んだ哲学的ジョークが多くて、イマイチわかりづらい。

大学に入り、ガールフレンドとの間に起きる出来事なんかも、まあ弱いんですよ。

気分の悪くなる映画ではないし、昔のアメリカの良き姿を観るのは面白いかもしれないが、
ほぼ子守歌と割り切って観た方が良いかもしれない。

コメントする (0件)
共感した! 2件)
じーたら

3.5愛しき郷愁、少年期の記憶

2022年1月17日
iPhoneアプリから投稿

作家J・R・モーリンガー(Amazonで検索しても何も出てこない!)の自叙伝。原題は「Tender Bar」。

恵まれた境遇ではないものの、母親と叔父(ベン・アフレック)とバーの常連に愛された少年期。離婚して疎遠な父親、70年代、オレンジ色がかった日差し。子役がお目めくりくり。何とも可愛らしい男の子。

この作品を観ながら、誰もが自分を育ててくれた大人たちを想い、暖かで儚い郷愁を味わう。人生には嬉しいことも悲しいことも訪れる。(イェール大学に入ったことを除けば)ハリウッド映画的な特別な事は何も起きないが、普通の人生はそういうものである。人間愛に溢れた雰囲気に画面から目離せなくなる。

ベン・アフレックは素晴らしい芝居をみせて、本作でゴールデングローブ助演男優賞にノミネート。

コメントする (0件)
共感した! 4件)
Yuk

4.0仕事は人の幸せのベース

2022年1月16日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

 男として生きていくためのモットーをかっこよく教えてくれる叔父、そして叔父が経営するバーにやってくる常連客もJRに人生に必要なことを短い言葉で教えてくれる。チャーリーおじさんの言葉は、覚えやすくて実行しやすい。そして絶対に役にたつ。

 チャーリーおじさんは、JRの素質への見極めも気持ち良い。向いていないことへの無駄な努力ほど人生の徒労であるとわかっている。「スポーツは、すっぱりあきらめ、徹底的に本を読め。」なんて、なかなか甥っ子にアドバイスできない。

 JRが自分の中でトドメておくのはもったいない温かくてほろ苦い物語であふれている。自伝になり、映画化されるのは必然なのかもしれない。加えて、仕事をするということは、人の幸せの大前提であることもさりげなく教えてくれる。

コメントする (0件)
共感した! 3件)
bion

3.5JRは何の略?(※Japan Railwaysではありません)

2022年1月14日
Androidアプリから投稿

"笑いと涙があふれていた" --- 最高にノスタルジックなあったかさに包まれる!70年代の青春 × 少年のカミングオブエイジ成長モノ。正直、既視感はある。ごまんとある類似プロット作品の中で頭一つ抜け出すようなものじゃない。だけどちっとも嫌いじゃない、むしろ好きな部類。ジョージ・クルーニーのあたたかなタッチが全編通して伝わるように優しい温度感、心地よい空気感(サントラ含む)。使い古された題材でなにが悪い?
タイ・シェリダンが夢に恋に頑張る。ポール・ベタニーの好演光る『フランクおじさん』(アラン・ポール脚本監督作)に次ぐAmazonオリジナル × アンクル"おじさん"モノ。バーテンダーの伯父さん。店に入り浸ってる常連客みんなが家族みたいに、ノリノリなベン・アフレックな好演が引っ張っている。ベン・アフレックとアルコールは切っても切れない。彼の口から出る酒についての教えは。ジョージ・クルーニー × ベン・アフレック =『アルゴ』で監督主演と製作として組んでいた二人。
"上層中流階級の下" ニ銃士、主人公と母は二人三脚でやってきた。父親はラジオの中の"ザ・ボイス"。主人公の少年時代の子がかわいい。車の修理、母親を敬う、金の隠し場所、何があってもハサミで刺されても女を殴るな。カーセックスの経験は?今は自伝が人気。ピリオド。伯父さんがここで名言を言う。自伝なら構成的にあの件を解決しなきゃな。吹っ切れたみたいな顔をしてる。ベネチアに行ってみたい!なら学校の勉強を頑張らないとな。車という小物使いはじめ予期せぬところで大好きな『グッド・ウィル・ハンティング』も思い出した。気の利いたオチまでついてる!これはズルいって最後に突っ込みたくなった。

P.S. ポスタービジュアルのベン・アフレックがエルビスみたいで格好良い

おじいちゃんは家族を気にかけない、パパは誰も気にかけない
店の名前は?ディケンズ、作家になれるかも
ハーバードかイェールに
スティンキー。9回もフったから
ほとんどがバーの人々の話
安物のスコッチなど頼むな、破滅に向かってるやつが飲む
吹っ切れたみたいな顔をしてる、人生には悪役も必要だろ
親は選べない。かもね
作家は自己申告制だ、自分で証明する必要がある

コメントする (0件)
共感した! 1件)
とぽとぽ

3.0環境が人を作る。

2022年1月13日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

エンドロールのおじさんたちプラス子どもの構図が
カッコ良い。
もっとバーの人達の交流も観たかった。

親ガチャと言う言葉が少し前話題になっていたけど、
なんて事ない人を作るのは環境。
そして、今自分の持ってる手札でなんとかしようと
やってみる行動力が人を成長させるのだと思う。

ベンアフレックのおじさんが渋くて少し悪くてとても
良いキャラだった。
本当に頭の良い人ってのは、言葉に説得力があって
端的で分かりやすく心に残る。

アルマゲドンの頃はあまり好きではないと言うか、
好んで出演作を観る俳優ではなかったけど、
ここ最近は渋みとやさぐれ感が増してとても良い俳優
に思える。

ベンアフレックと反対に父親がとてもダメな奴で、
こうなるなよと言われたことをやる姿は
映画上では気持ち良いくらいに悪い奴だった。

主人公にバーがあり、そこにいるお客さんやおじさんに
父親の姿を求めたみたいに、
親ガチャと嘆く人たちにも、先生や周りの大人たちに
この人みたいになりたいと思える人がいれば良いなと
思いました。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
奥嶋ひろまさ

3.5古い記憶を辿っていくような

2022年1月12日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

自叙伝だからか、子供の頃から、成長して自立する迄の成長記録みたいな話。
母親の実家に暮らす少年と、バーテンダーの叔父との交流が主。父親には恵まれなかったが、面倒見のよい叔父に男の善し悪しや、人としての基礎の部分を教わったりして成長していく。クローゼットいっぱいに詰まった本を読んだり、読書家の叔父をリスペクトしている事がつたわってくる。温かい気持ちになりました。

コメントする (0件)
共感した! 1件)
motohayako

5.0とてもゆったりした気持ちにしてくれる

2022年1月9日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

時間がゆっくりと流れていく中に身を任せて見ればとてもリラックスできる。ゆったりとして鑑賞すれば満足出来ます。

コメントする (0件)
共感した! 4件)
ゆうひち

1.52022年 10本目

2022年1月8日
スマートフォンから投稿

単純

ジョージ・クルーニー✕ベン・アフレックなので期待値が高かったかもしれない。
物語は終始盛り上がりにかけ、淡々と進んでいき睡魔に襲われる。
これといって記憶に残らない映画となってしまって残念でした。

コメントする (0件)
共感した! 2件)
しゅん.13
PR U-NEXTで本編を観る