モリコーネ 映画が恋した音楽家のレビュー・感想・評価
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映画が彼を離さなかった
※ドキュメンタリー映画は娯楽・芸術だけでなく、時代・報道によって大きく左右されるという考えから、私のレビューではドキュメンタリー映画の採点はしていません。
2020年に91歳で逝去した映画音楽の巨匠:エンニオ・モリコーネ。「荒野の用心棒(1964)」をはじめ「アンタッチャブル(1987)」や「海の上のピアニスト(1998)」など多くの映画音楽を手掛け、生涯現役であり続けたマエストロの最期の5年間に密着したドキュメンタリー映画です。
自分にとってエンニオ・モリコーネの曲と言えば「ニューシネマ・パラダイス(1989)」。あの風景や情景に合わせた美しい音楽・・・観終わった後に作曲家の名前を調べ覚えました。それから観た映画でモリコーネの名前を見ると「やっぱすげえなぁ」と思いながらその映画音楽を聴いていました。彼の風貌や動画を見る限り自分が持つイメージは“寡黙”。だからこそ、如何にして名曲を生み出したのかに興味を持ちました。それがこの映画を観る理由です。
そして画面に出てきて語りだすモリコーネを観て、そのイメージは覆りました。
「ごぢゃしゃべるやん、このじいちゃん」
語り出したらキリがないのではと思うぐらいに軽快に語り続けるマエストロ。実はこちらが本当の顔だったか。しかしその軽快な語り口から出てきた思いが“純音楽と映画音楽に対する葛藤との戦い”であったことに驚きだ。彼の音楽の師が映画音楽に対して快く思っていなかったことから「師を裏切ってはいないか」という葛藤にさいなまれていたそうな。しかし彼はそれを作曲することで払拭していった。その曲は、映画の情景を見事にとらえたモノばかりであった。そしてそれを聞いた映画人たちが彼に作曲を依頼していった。その中で音楽に対する映画人の意識を変えていったことも驚きだった。またモリコーネは普通に音楽を作るだけでなく、雑音にまで音楽を求めていった。楽器以外にも音楽の要素があれば取り入れていった。どれだけ名が知れ渡ろうとも、指摘されれば自分を変える柔軟さを持ち、探求心がヘタることはなかった。それがモリコーネの曲は常に新しいんだなと思えるんだと感じ、
映画音楽の地位向上にモリコーネなしでは語れないことを感じました。
そんな彼がオスカー1回だけとは!!名誉賞を与えたとはいえアカデミー賞はどこを見ていたのか。しかもその1回も86歳で受賞した。もっともっと受賞してておかしくないのに。これは率直な意見です。それだけモリコーネは偉大な作曲家であることを、この映画では語っていました。少なくてもモリコーネに触れることができるこの映画は素晴らしいドキュメンタリーです。
それゆえに、率直な意見をもう一つ・・・
91歳での死は、映画界にとって早すぎた。
映画の序盤でも観られるのだが、モリコーネは常に体を作っていた。タクトを振るために、作曲するために。この度は転倒による大腿骨骨折で手術をした後に病院で亡くなっている。新型コロナの影響で体を鍛える機会が少なくなり筋力が落ちてしまったのか。もし転倒しなければ、もし新型コロナがなければ彼はこの先も名曲を生み出していたのかもしれないと思うと、彼の死は早すぎたと思うのです。
素晴らしきマエストロ!!
素晴らしき作曲家人生!
マエストロであるエンニオ・モリコーネの人生を彼自身と著名な監督、音楽家等のインタビュー及び映画のシーンを交えて描いたドキュメンタリー映画。
まず驚かされたのが作曲するのに楽器を用いずに小説を書くかの如く五線譜にペンを走らせるだけという姿。彼の頭の中には音楽が流れてるのでしょうが音楽に関わりのない私には神業に見えました。
セルジオ・レオーネ監督の「荒野の用心棒」「夕陽のガンマン」などの西部劇に既存の音楽とは全く異なるアプローチで作曲し、映画音楽に新風を吹き込み、以降次々と新たな試みを行いモリコーネの映画音楽家としての名声を高めていく。アカデミー賞にはノミネートされながらもなかなか獲得できなかったがついに名誉賞をとり、そしてタランティーノの「ヘイトフルエイト」でアカデミー賞作曲賞を受賞。
映像では意外と日本未公開の作品も多かったが、「アンタッチャブル」や「ワンス・アポン・アタイム・イン・アメリカ」の映像など当時が懐かしく思い出され涙が。実際にはいろいろご苦労があったと思うのですが、こうして振り替えると立派な作曲家人生を歩まれたのだなあと思いました。良い奥さんにも恵まれ羨ましく思いました。
個人的に未見の「シシリアン」「ヘイトフルエイト」は映画音楽にも注目してぜひ見てみたいと思いました。
映画って一体誰のものかを考えてしまう作品
映画音楽と言えばエンニオ・モリコーネとジョン・ウィリアムズ(次のインディ・ジョーンズで引退表明)が2大巨頭だと思うが、作品の影響もあり印象としてはそれぞれ陰と陽ではあるものの、全てオリジナルの楽曲にもかかわらず映像以上に頭から離れないほどのインパクトを残せるのは妥協が許せない性格というだけではなく、作品への理解力と鑑賞者の感情への共感力が優れているからだと思う。
ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカでは音楽を流しながら撮影をしたと言うのは驚愕だった。
これは俳優が後からセリフをアテレコしなくてはいけないという事を意味するが、デ・ニーロらからは好評だったという事でさらなる衝撃を受けた。
リップサービスだとは思うが「モリコーネは監督以上にその映画のことをわかっている」と言う発言があり、映画ファンとしては捨て置けないと憤りも感じたが、まあ状況に対して適正な音楽をあてる力は天才的だったのは間違い無いと思う。
「時計じかけのオレンジ」は残念だったが、こだわりの権化のようなキューブリックとはぶつかって上手くいかなかったのではないかと思ったりする。
セルジオ・レオーネはハリウッドが嫌いなのか?
イタリア映画なので当たり前なのだが、前半イタリア国内の映画やアーティストへ向けた作品を通してのエピソードへは若干退屈さを感じたが、中盤から終わりにかけ知っている作品の話になって以降のめり込んで観てしまい、トータル157分があっという間に感じたほどだった。
アカデミー名誉賞受賞後の作曲賞受賞ってかっこよすぎ。
「モリコーネが音楽を担当したら映画は成功した様なものだ」・・・・最高!
映画ファンにはお勧めです。
音楽の素晴らしさはよく分かった
かなり特殊なタイプの音楽家である事が、前半でかなり時間を割いて語られる。
「荒野の用心棒」「夕陽のガンマン」あたりの音楽はもちろん聞いたことはあったけど、結局上映開始から2時間近く経って、ようやく私にとっては馴染みのある作品が登場するという展開。
今のアーティストが彼の楽曲を引用している描写も、何のどの曲なのか判然とせず、総合的に見て、このドキュメンタリーを咀嚼するには私はリテラシーが不足してたんだと思う。
もちろん『ワンスアポンアタイムインアメリカ』『ミッション』あたりの名曲の良さはビンビン感じられるので、実際の映画作品を知っていなきゃいけない映画ではないんだけど、それにしてはちょっと上映時間が長かったなぁ。
とにかくモリコーネ礼賛!!
2時間半にわたり各方面の著名な方々がモリコーネを褒めまくってました。それぞれの楽曲がどういった考え•プロセスで作られたのかは非常に興味深く、楽しく拝見できました。また、自分の好きな楽曲の場合には、その曲に浸る心地良さもあり、とても幸せな体験となりました。
確かに額面通り受け取れば、彼が現在の映画音楽(時にはロックシーンにも)に与えた影響は多大なものがあったのでしょう。ただ、一人の人物に関してその人に肯定的な関係者を集めて発言集を作れば、究極のキリトリ映画となり得るのも事実だろうなとも思いました。
本作がそれに当たるかは、モリコーネに関する知識不足のため判断しかねますが。。。
映画そのものは鑑賞体験としては悪くなかったです。
モリコーネにゆかりある大勢の著名人が出演し、関わった名作約50本が引用されて、映画の神髄を伝えてくれる作品。
映画音楽の分野で、史上最も大きな存在といえば、おそらくモリコーネだろう。イタリアの生んだ巨人である。後進への影響は計り知れないといわれます。
美しい旋律と 作品に合わせ、タッチや印象を変えながらも、流麗なメロディーを聴くと、エンニオ・モリコーネ(1928~2020)の作曲だと分かります。500作を超える映画、テレビ音楽の作曲に携わり、2020年に亡くなった巨匠、映画のことを知り尽くしたマエストロ。本作は、そのエンニオ・モリコーネの生涯と足跡をたどったドキュメンタリーです。
全編にわたり、その手がけた音楽が流れます。2時間37分のボリュームに加え、中身の充実ぶりにも驚かされる一作です。これほど濃密で格調の高い作品はそうそうあるものではありません。何ともぜいたくな時間でした。
監督は「ニュー・シネマーパラダイス」(88年)以来、全作品でモリコーネと組んだジュゼッペ・トルナトーレ。本作はモリコーネの指名だったそうです。
モリコーネは1928年ローマ生まれ。父の勧めで幼少期にトランペットを始め、さらに音楽学校でクラシックを学び、作曲家ゴッフレード・ペトラッシに師事したのち、編曲者として成功を収めた青年時代。幼なじみのセルジオ・レオーネ監督と組んだクリント・イーストウッド主演のマカロニウェスタン「荒野の用心棒」(1964年)の音楽で一躍脚光を浴びました。そしてコヨーテの遠ぼえにヒントを得た「続・夕陽のガンマン」を始め、「ミッション」「アンタッチャブル」など500を超える映画やテレビ音楽を手掛けてきました。07年、米アカデミー名誉賞受賞しました。
映画はモリコーネ自身のインタビューを中心に進みます。代表作のみならず「アルジェの戦い」「殺人捜査」「歓びの毒牙」といったマニアックな作品にも言及しているのがうれしいところ。
既成曲を使うのを嫌ったこと、クラシックを捨てて商業音楽に走ったことへの苦悩(若い頃、モリコーネにとって映画音楽の作曲は、屈辱的だったという。)、そのため何度も映画をやめようとしたことなど、意外な真実が本人の口から語られます。そして世界の超一流映画人が次々登場し、彼について語る。イーストウッド、レオーネ、タランティーノ、ベルトルッチ…。「今回、出演を依頼した人たちは全員喜んで応じてくれた」とトルナトーレ監督。「出ていない人がいたとしたら、それは私が依頼していないんです。今でさえ十分に長くなっていたのでね(笑)」
クエンティン・タランティーノ、ペルナルド・ペルトルッチなど、モリコーネにゆかりある大勢の著名人が出演。
監督や俳優だけではありません。ブルース・スプリングスティーンらミュージシャンも数多く登場します。今の映画音楽を引っ張るジョン・ウィリアムズとハンス・ジマーも出演していました。
ジマーはモリコーネの『ウエスタン』を見て、映画音楽を志しましたそうなのです。ウィリアムズもモリコーネと固い友情を築いてきました。2人から本当に素晴らしい話にも注目です。
それにしても、モリコーネの代表作の1本 「ニュー・シネマーパラダイス」に対する言及が意外に少なかったことが少々不満です。でもトルナトーレ監督は自分の過去の作品を長々と紹介するのは、おこがましかったのでしょう。ちなみに製作当時のトルナトーレは無名監督でした。100%断られると思いたそうです。プロデューサーが『まず脚本を読んでくれ』と脚本を渡したら、『絶対やるよ』と言ってくれたのだとか。それでモリコーネは映画音楽を辞めることも翻意したとも。
この作品の特色は人物像の探求が旺盛なことです。一人ひとりのコメントが印象的でした。そして作品の秘密に触れていることです。例えば、彼は若いころ実験音楽を試みていて、後年の作品に、反骨、先鋭、果敢が潜んでいたことが知せされました。さらに、映画の引用が多いこと。皆さんもきっと「荒野の用心棒」のあの口笛が流れたとたん胸が高鳴ることでしょう。それだけでなく、なんと「ミッション」(86年)など懐かしの名作が50本余も登場するのです。
そして逸してならないのは、その引用だけで映画の神髄を伝えていることです。真の映画は、目を奪うのではなく、魂を奪うのだ、と思い知らせてくれました。ラストの膨大なカットを高速で繋いだ高揚感は格別です!
さて、最大の協力者を失ってトルナトーレ監督は今後どうするでしょうか。「彼は唯一無二。別の作曲家に同じような音が欲しいと頼む気はありません。私か作る物語に、新がしい音楽を付けてくれる作曲家を探します。」トルナトーレ監督と新しい才能が出会えることに期待したいですね。
最後にモリコーネが冒頭、カーペットに寝転んでストレッチする姿こそ映し出されるものの、暮らしぶりが見える場面はほぼありません。仕事人としての側面にフォーカスしたドキュメンタリーゆえの満足感が得られる1本。口ーランド・ジョフィ監督の「仕事中の彼はアスリートのよう」という言葉に納得できました。
映画が好きな方も、音楽が好きな方も。
今年21本目(合計674本目/今月(2023年1月度)21本目)。
日本基準ではどうしても海外映画は数か月から1年単位で遅れたりしますが、(ある程度映画館で映画作品を見ていて)彼の名前を知らない、という方は少ないのかな…というほどです。その「映画音楽家」に焦点をあてたドキュメンタリー映画です。
このような事情のため、関係者へのインタビューや、そのインタビューを反映・裏付けさせる彼の作品の一コマが流れる(なお、音楽に関しては一部の例外を除いて、どれかの曲がかならずかかってます)という展開がずっと続きます。また、歴史にそって描写されますので(2020年に亡くなったそうです)、その意味で「話の展開」自体は非常にわかりやすいですが、同時に残した業績も今の映画界では「知らない人はいない」ほどの方であり、また、映画音楽家として関係した映画が多数あることからその紹介も入ることもあり(本映画内では、日本未公開については「…(未)」などとでます)、その関係でかなり長いです。ただそのように長くすることで、長い人生でいろいろな影響を受けたであろう中で、たとえば前期と後期でどう作風が変わったか、あるいは、いつのときも変えない「絶対に変えない何かの信条的なものは何か」といったものがあればそれは何か…というところが論点になりますので、どうしても本作品程度の長さは必要だったのだろう、と思います。
なお、実際に彼が作曲をして五線譜(音楽に音符をのせるときに使う線のこと)に音符を描くところなど、一部のセリフが結構マニアックなところがあります。ここは見られる方で理解がわかれるかな、とは思います(私はエレクトーンを子供のときに習っていたので6級まで持ってます)。ただ、わからなくても漢字語なのである程度の推測がつくことと、「全体が実際の音楽」で勝負してくるので、「字幕に多少わからない点があっても全体として感動できればそれでよし」に結果なっている、そういう部分はあります。
2年ほど前に亡くなったとのことですが、とても気に入りました。
いわゆる「●●ベストアルバム」等がないなのかなどいろいろ調べてみたいところです。
なお、作品に関しては、特段の減点事情は見当たらないので、フルスコアにしています。
モリコーネの半生を描いたドキュメンタリー映画。 本年度ベスト。
20世紀の映画史を観るようなドキュメンタリー
2023年初っ端の映画鑑賞は、2020年に91歳で亡くなった映画音楽家エンニオ・モリコーネの生涯を描くドキュメンタリー映画でした。2時間半を超える”超大作”でしたが、モリコーネが携わった数多の映画作品や、その作品を通じて関係のあった監督や音楽家らのインタビューをテンポよく繋ぐことで、冗長さを感じさせない作りでした。有名作品のオンパレードであり、言ってみれば20世紀の映画史を観たような感じでした。
最近の映画はよく観るものの、あまり映画史については詳しくない自分にとって、ややハードルは高いかなと思う部分はあったものの、曲を聴いただけで映画を観たくなるような作品が目白押しで、非常に興味深いところでした。
日本との関係で言うと、モリコーネの名前を世界に知らしめた「荒野の用心棒」が、黒澤明の「用心棒」をモチーフとしていたことから始まり、1987年のアカデミー賞作曲賞で「アンタッチャブル」がノミネートされながら、坂本龍一らが作曲した「ラストエンペラー」が受賞してモリコーネは惜しくも受賞を逃したことなども描かれていました。これは本作中には描かれていませんでしたが、パンフレットによると2003年のNHK大河ドラマ「武蔵MUSASHI」のテーマソングもモリコーネの作品だったことを知りました。
あまり映画音楽について考えたことがありませんでしたが、既存の曲をはめ込むパターンもあれば、モリコーネの作品群のように映画の内容に沿って作曲される場合もあり、当然後者の方が手間も時間も金も掛かるでしょうが、映画の価値は飛躍的に向上するんだと、今さらながら認識させられました。
映画音楽のエンニオ・モリコーネ 伝記映画〓映画音楽製作の歴史 🎥音楽構成(アレンジ編曲、新たな楽器の発掘)➕ユーロポップ音楽へも変革をも 映画関興味が無くとも、音楽に興味ある人にも
1960年代〜1970年代は音楽ヒットにユーロ系に、それらを本人や日本人歌手のカバーなど多く、また映画音楽も常に街中で流れてヒット(サントラ盤、他)いる(フランシス・レイ、ニーノロータ、ヘンリー・マンシーニ、他)時代の有名どこの映画作曲家のひとり。
映画音楽の巨匠Morricone Ennio
トランペット奏者から、曲を新たに創造、作ることにこだわり、1960年代頃より徐々に映画の曲作りに入っていく。最初の頃は映画クレジットに名前もでないが、一般にメロディー中心の曲作りに変革ともいえる、曲と曲のつなぎ目とか、曲に入る頭部分に強烈な 音(変成や楽器以外の音など)でしだいにユーロポップにも影響していって、60年代から70年代の音楽の反映の元を作ったように思える。
エンニオ・モリコーネが深く映画に関われたのも後に分かるが、同 級生の映画監督セルジオ・レオーネがいて、本人自身の実力に映画監督の巨匠達に繋がっていったこともあるよう。
セルジオ・レオーネ監督といえば、マカロニ・ウェスタン〓エンニオ・モリコーネ音楽
当時聞いていた映画音楽に拳銃の発射音を入れたり、何でも楽器にして楽曲の中に入れてしまう。譜面にも書かれてなど言われていたことが、この映画で本人からや実演で見ることができます。
全体の映画の作りは、周りの関われた製作者(セルジオ・レオーネ、他者)の話に➡エンニオが作曲や編曲(アレンジ)にいたった経過を、メロディーや今でいうパーカッション的な音作りを口づさむ➡それらを実際の演奏風景などにかぶせていく➡使われた映画シーンへとの流れで進行。
関わった製作者が多数出演
(監督、音楽家、プロデューサー、俳優)
クリント・イーストウッド、クエンティン・タランティーノ、ハンス・ジマー、ジョン・ウイリアムス、クインシー・ジョーンズ、オリバー・ストーン、他
上映時間は157分と長いが、各巨匠の証言やエンニオ・モリコーネの映画音楽の曲作り過程を本人よりの口ずさみに魅了され、また、使われた映画映像挿入、俳優の証言、妻との関わり合いや周りの人たちとの関わり合いから人間性を知り、本人指揮のコンサート(日本公演あり)で、大いに楽しめました。
エンニオ・モリコーネ〓映像、音楽のエンターテイメントの歴史そのものでは。
有名音楽スターの映画が数多く制作される中、メインな俳優、歌手、監督でない裏方さんを題材とした映画として、こんなにも長編のドキュメント風映画がを制作してくれたことに感謝したいですし、ここまでのクオリティ、この手の映画にはふさわしい最良の作りでできたと思います。
★Digital5.1CH鑑賞
★重低音 0
★音圧 0
★分離度 ○
★サイド(左右、後、活躍度) 1
★サラウンド 1
本編、ほぼスクリーン側での音響。1960年代よりの映画や記録映像の為、モノ音源が多いのはいたし方ない。が、そのモノ音源の映画映像は、当時を思い起こす人もいたのでは?
コンサートや現代に近い物はSTEREO音源や、サラウンド成分のものも僅かにあり。
自分の映画ファン歴史を振り返りつつ…
映画ファンでモリコーネの音楽を嫌いな人はいないと思うが、映画とは映像だけでなく音楽もあってこそ。私も映画を通して様々なジャンルの音楽を知り好きになった。
モリコーネは映画作品を音楽でより良くするのではなく、撮影にも影響を与え、監督に影響を与えるような音楽製作をしていたことを初めて知った。自分が映画館に通い始めた頃に見た作品の製作秘話を見ながら胸が熱くなり、見たことが無い古いイタリア映画も見てみたいくなる。かなり古い曲ですらしっかりすぐに口ずさめるほど、それぞれに思い入れがある製作過程を本人がしっかりと語る事から、その仕事ぶりをじっくりと知ることができる。かなり上映時間が長いので、気軽に見られないかもしれないが、ファンにとっては涙もの、よくまとめてくださきましたと感謝です!
最高の音楽(家)映画
至福、アドレナリン、至福。もっと観てたい。
傑作とかいうつもりはさらさらない。ただただ同じ時間を体感したくて劇場に。これは劇場で観なくてはいけない映画。至福過ぎてボロボロ涙が出てくるそのフィルモグラフィー。なんだかんだ言っても同時代だった作品も多くていろんなことを思い出し過ぎる。
確かに流れ出た瞬間にモリコーネ、とわかる何か。全身からアドレナリンが流れる何か。そして画面とあわせるとより強烈な威力を発揮するあの音楽。そして映画より優ってしまう場合もあるモリコーネサウンド。
こんなにバラエティ溢れる監督たちと組んでも混ざり合うものかってくらいの幅とキャリア。
映画はそんな体感を重視して作られたかのような解き明かしエンターテイメントになっている。なんと言ってもイタリア人気質な監督たちと音楽仲間が楽しい。
ワンスアポンアタイムインアメリカ、音楽流して撮ってたんだ。。
そして、デボラのテーマは…
高名な映画音楽の作曲家についての作品です
永久に観ていられる
夢が叶えば、モリコーネが携わった全ての作品についてのコメントが聞きたかった。
“さすらいの口笛”、“ゴールドのエクスタシー”、“勝利への讃歌”、“ジルのテーマ”、“1900年”、“デボラのテーマ”、そして“ミッション”。
映像と共にそれらの曲が流れると、胸が高鳴り、自然に涙していた。
ジュゼッペ・トルナトーレ監督が自身の「ニュー・シネマ・パラダイス」において、在り来たりなラストシーン(愛のテーマ)を使用せず、廃墟になったパラダイス座を訪れるシーンを使用した辺りに、モリコーネ愛をしたり顔で語るどこかの国の元総理との違いを見せつけた。
個人的には“リーガンのテーマ”が流れなかった事と、
やはりブルーノ・ニコライについて触れなかった点が残念ではあるが、
妻マリア映像で“ペイネ愛の世界旅行”が流れたのが嬉しかった。
【屈辱と劣等感をバネに永遠不滅の映画音楽を作り続けた稀有な作曲家の半生を描いたドキュメンタリー作品。私は、モリコーネが関わった映画の半分も観ていないが、物凄く引き込まれた作品でもある。】
- 年代的に今作品でモリコーネが関わった映画の半分も観ていない。が、今作品は私には大変面白かった。-
◆感想
・若きモリコーネがトランペット奏者だった父親から医者に成りたかったのに、トランペット奏者になる過程。
- 彼が入学した音楽院でも、秀でた存在ではなかった事には、驚いた。そして、彼の終生の師であったペトラッシも、最初は彼を軽んじていたという・・。ビックリである。モリコーネは、努力の人だったんだ。-
・そして、ペトラッシの指導で作曲家としての実力をつけながら、小学校時代の同級生だったセルジオ・レオーネの「荒野の用心棒」や、「夕陽のガンマン」での口笛が印象的なメインテーマや「続・夕陽のガンマン」でのコヨーテの鳴き声から着想した印象的なイントロのメインテーマなどにより、確固たる地位と築きながらも、映画音楽である事で当時のクラシック音楽界からは、認められなかった事。
・だが、その後も映画音楽を作り続け、到頭、世界の音楽家、ロックミュージシャンたちや、タランティーノを始めとする、アメリカの映画監督からの多大なる支持を得て行く姿。
ー ブルース・スプリングスティーン、ジョーン・バエズ、ポール・シムノンは分かるが、あの変態ロック男、マイク・パットンが登場した時はビックリしたなあ。フェイス・ノー・モアだよ!モリコーネの楽曲が如何に広範囲の人々から受け入れられて行ったことが良く分かる。
・だが、ナカナカ、アカデミー賞には手が届かなかった(というか、劇中ではアカデミーが彼の魅力に付いて行けなかったと語られる。)彼が、2007年にアカデミー賞名誉賞、そしてタラちゃんの「ヘイト・フル・エイト」で到頭、アカデミー賞作曲賞受賞である。凄いモノである。
ー 名誉賞を取った時の、妻マリアに対する謝辞のシーンは沁みたなあ。
あと、タラちゃんの「ヘイト・フル・エイト」のパンフレットに記載された”マカロニウエスタンどんだけ好きなんだ!”リストも懐かしく思い出す。-
■劇中、モリコーネは自身が作曲したどんな楽曲でも直ぐにメロディを口ずさむ。
又、曲調の幅広さにも、舌を巻く。
若き頃に、即興音楽に傾倒した事も、大きいのだろう。
<今作は、ドキュメンタリーとしては、異例の尺の長さの作品であるが、それを全く感じさせない実に面白き作品であった。
それは、勿論、エンニオ・モリコーネの曲が素晴しい事と、彼を称える多くの映画監督、音楽家、ロックミュージシャンのインタビューが面白い事。
そして、劇中に登場する数多くの未観賞映画が魅力的だったからである。
明日から少しづつ、モリコーネが音楽を担当した未鑑賞映画を観ていく積りである。>
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