「映画音楽の特殊性」モリコーネ 映画が恋した音楽家 talkieさんの映画レビュー(感想・評価)
映画音楽の特殊性
<映画のことば>
音符は建築の資材と似ている。
同じレンガを使っていても、どの建物も違う。
本作によれば、映画音楽家になることは、普通の音楽家からは敬遠されているとのことですけれども。
本作を観た限り、それは、映画音楽というものは、その映画音楽が織り込まれるシーンとの整合が厳しく求められることで、通常の作曲よりも、もっともっと創造面での制約が多く、作曲の難易度が高いから、ということのようです。
しかし、映画は「総合芸術」として、そのなかに音楽は欠くことのできないもの。
そして、本作のエンニオ・モリコーネが、その難易度の高さゆえ、他の作曲家がなかなか足を踏み入れない映画音楽の世界に傾倒して行ったのは、むしろ、映画音楽は、普通の作曲と比較して、格段な難易度が高かったからではないかと、反対に思いました。評論子は。
例えば、なぜ困難を押して登山に挑み続けるのかと問われて、「そこに山があるから。」と答えるように。
彼が不屈に映画音楽に取り組む…あるいは「埋没する」ことができたのは、その精神性がバックボーンにあってのことと、評論子は理解しました。本作を観終わって。
佳作であったと思います。評論子は。
NOBUさま、コメントありがとうございます。寡聞にして知りませんでしたが、ハンス・ジマーも、多くの映画音楽を手がけているのですね。そうとは知らず、それでもいろいろ観ていました。近いところでは『それでも夜は明ける』『黄金のアデーレ 名画の帰還』『ハンズ・オブ・ラヴ 手のひらの勇気』なんてところでしょうか。
また、映画を観ていくことの「幅」が広がったようにも思います。
ご教示ありがとうございました。
今晩は。
初めましてでしょうか。
近作の映画の音楽と言えば、ハンス・ジマーであり、少し前であればエンニオ・モリコーネですね。
但し、お二人は映画に合わせて音楽を制作されましたが、近年では(特にロック)既成の音楽があり、それを効果的に使用した作品が増えて来た気がします。例えば、グザヴィエ・ドラン監督の「ジョン・F・ドノヴァンの死と生」ではのザ・ヴァーブの名曲「ビター・スイート・シンフォニー」であり、フランソワ・オゾン監督の「Summer of 85」で劈頭爆音で流れるキュアーの「in Between Days」等は中坊の時に嵌った者としては予告編から楽しみにしてました。(で、面白い。)
故、坂本龍一さんの超名曲「Merry Chrisytmas Mr.Lawrence」は別格中の別格としても、徐々に既製の名曲が使われて行くのかなと思っています。
けれども、矢張り映画に合わせた音楽は魅力的ですね。グザヴィエ・ドランにしろ、フランソワ・オゾンにしろ、先鋭的な監督ではありますからね。(で、ロック好き)では。
■余談 レッド・ホット・チリ・ペッパーズの曲がメインで使われる映画が出たら、速攻で観に行きます。