「映画って一体誰のものかを考えてしまう作品」モリコーネ 映画が恋した音楽家 カツベン二郎さんの映画レビュー(感想・評価)
映画って一体誰のものかを考えてしまう作品
映画音楽と言えばエンニオ・モリコーネとジョン・ウィリアムズ(次のインディ・ジョーンズで引退表明)が2大巨頭だと思うが、作品の影響もあり印象としてはそれぞれ陰と陽ではあるものの、全てオリジナルの楽曲にもかかわらず映像以上に頭から離れないほどのインパクトを残せるのは妥協が許せない性格というだけではなく、作品への理解力と鑑賞者の感情への共感力が優れているからだと思う。
ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカでは音楽を流しながら撮影をしたと言うのは驚愕だった。
これは俳優が後からセリフをアテレコしなくてはいけないという事を意味するが、デ・ニーロらからは好評だったという事でさらなる衝撃を受けた。
リップサービスだとは思うが「モリコーネは監督以上にその映画のことをわかっている」と言う発言があり、映画ファンとしては捨て置けないと憤りも感じたが、まあ状況に対して適正な音楽をあてる力は天才的だったのは間違い無いと思う。
「時計じかけのオレンジ」は残念だったが、こだわりの権化のようなキューブリックとはぶつかって上手くいかなかったのではないかと思ったりする。
セルジオ・レオーネはハリウッドが嫌いなのか?
イタリア映画なので当たり前なのだが、前半イタリア国内の映画やアーティストへ向けた作品を通してのエピソードへは若干退屈さを感じたが、中盤から終わりにかけ知っている作品の話になって以降のめり込んで観てしまい、トータル157分があっという間に感じたほどだった。
アカデミー名誉賞受賞後の作曲賞受賞ってかっこよすぎ。
「モリコーネが音楽を担当したら映画は成功した様なものだ」・・・・最高!
映画ファンにはお勧めです。