追想ジャーニーのレビュー・感想・評価
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人生は男女のもつれ
高校生の文也が母親に塾をさぼったことで怒られ憎まれ口をきいてふて寝します。居眠りから覚めた時、30年後のしょぼくれた自分が現れ説教を始めます、今がお前にとって重要な人生の分岐点だからしっかり考えろと言う。なんと幼馴染のくるみと大人っぽい同級生のゆりえのどちらかを選ぶというシチュエーション、その後もバイト先で知り合った美奈子が身重で登場、なんとも次々に難解な女性関係が描かれます。男にとっても女にしても相手次第で人生が変わるというのは理解できますし、自分の幸不幸が伴侶の選択に尽きるというテーマは飛躍があるものの現実に悩む者の自己弁護、責任転嫁としては大衆受けがあるのかもしれませんね。ただ、俳優志望でスターに憧れる高校生という設定が子供じみているし男には地道な生活力を身に付ける努力こそ大切と言うありきたりな価値観の押し付けのような展開でもあり、何が言いたいのか、はかりかねる作り方の妙なタイムリープもの。学芸会の様な舞台演出も陳腐だし、恋愛観とか家族を顧みない不倫とか男女のもつればかりが執拗に描かれますので思春期の若者には人生勉強かも知れませんが、現実の人生はもっと複雑と違和感が拭えませんでした。
役者と観客
自分の人生を演じ、自分の人生を鑑賞する
今思えばあれが分岐点だった…なんて何歳になっても分からない!!
過去の選択は変えられないのだから、“今”を1番に生きよう
生き方の正解なんてない。好きにやって、生きてられさえすればそれでいいのかも
演劇を少しやってた身なので、演劇らしさがもっとあれば良かったな。声の出し方とかセットや小道具の使い方とか
サスを使って印象的な舞台とか場転は作れるけど、もう少し演出に意味を持たせられたら解釈の余地が広がってもっと良い作品になりそう!狭い舞台でも見せ方は無限大!!
見事なシナリオ
擦り切れた高校生・文也が「アラフィフになった自分」との関わりを通して成長する話……でもあるのですが、真の主題はアラフィフの成長譚。徐々におじさん文也の言動から違和感が漂い始め、終盤で物語全体の方向性が反転する様は圧巻でした。変わることから逃げていたのは、大人の文也の方だったのですね。
「人生はいつからでも変えられる」というテーマの創作物は巷に多く溢れているものの、巧みなシナリオのおかげで、他にないほど強烈な形でメッセージが伝わってきました。ラストシーンの母親のセリフがとても素敵です。
世界観の設定は結構雑なので、「よく作られた」映画を期待して鑑賞すると序盤は肩透かしを食らうかもしれません。とはいえ、総合的な印象としては、説明は最低限で済ませメインのヒューマンドラマに尺を割いたのは、とても良い判断だったように思います。
多くの人に見られてほしい良作でした。
「好き勝手生きちゃう」って最高じゃん。
怠惰な生活をおくる主人公の高校生の元にふとやってくる冴えないおっさん。
ついて行った先は小さな劇場の舞台。そこにはクラスメイトが二人。「どっちを選ぶの?」
人生の分岐点はこんなちょっとしたことから大きく枝分かれしていくのか。。。
冒頭から登場している冴えないおっさんが、実は主人公の将来の姿であったことをバラさないのがニクい!主人公とおっさんが傷跡を照らし合わせる場面は、今までの「時空がアレしてアレする」系の映画へのリスペクトさえ感じて感慨深い。
映画のシーンほとんどを舞台形式にすることで、制作上の障壁のほとんど全てを解決してしまうと言うスゴ技に感心!
突然現れる主人公の娘との和解。それによって母との和解も決意する。
結局は、自分を認めてあげる作業だったんよね。
この映画 もっともっと長くても見られます。「短いな!」って思うくらい。
でも、人生って確かに短いもんね。好き勝手生きなきゃ。
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