追想ジャーニーのレビュー・感想・評価
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見事なシナリオ
擦り切れた高校生・文也が「アラフィフになった自分」との関わりを通して成長する話……でもあるのですが、真の主題はアラフィフの成長譚。徐々におじさん文也の言動から違和感が漂い始め、終盤で物語全体の方向性が反転する様は圧巻でした。変わることから逃げていたのは、大人の文也の方だったのですね。
「人生はいつからでも変えられる」というテーマの創作物は巷に多く溢れているものの、巧みなシナリオのおかげで、他にないほど強烈な形でメッセージが伝わってきました。ラストシーンの母親のセリフがとても素敵です。
世界観の設定は結構雑なので、「よく作られた」映画を期待して鑑賞すると序盤は肩透かしを食らうかもしれません。とはいえ、総合的な印象としては、説明は最低限で済ませメインのヒューマンドラマに尺を割いたのは、とても良い判断だったように思います。
多くの人に見られてほしい良作でした。
「好き勝手生きちゃう」って最高じゃん。
怠惰な生活をおくる主人公の高校生の元にふとやってくる冴えないおっさん。
ついて行った先は小さな劇場の舞台。そこにはクラスメイトが二人。「どっちを選ぶの?」
人生の分岐点はこんなちょっとしたことから大きく枝分かれしていくのか。。。
冒頭から登場している冴えないおっさんが、実は主人公の将来の姿であったことをバラさないのがニクい!主人公とおっさんが傷跡を照らし合わせる場面は、今までの「時空がアレしてアレする」系の映画へのリスペクトさえ感じて感慨深い。
映画のシーンほとんどを舞台形式にすることで、制作上の障壁のほとんど全てを解決してしまうと言うスゴ技に感心!
突然現れる主人公の娘との和解。それによって母との和解も決意する。
結局は、自分を認めてあげる作業だったんよね。
この映画 もっともっと長くても見られます。「短いな!」って思うくらい。
でも、人生って確かに短いもんね。好き勝手生きなきゃ。
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