「無くしたものを取り戻せるという伝説のトンネル。それを見つけた高校生男女の願いは、はたして叶うのか。そんな、SF基調のファンタジックなお話です。」夏へのトンネル、さよならの出口 もりのいぶきさんの映画レビュー(感想・評価)
無くしたものを取り戻せるという伝説のトンネル。それを見つけた高校生男女の願いは、はたして叶うのか。そんな、SF基調のファンタジックなお話です。
観るかどうか迷っていた作品なのですが
観てという声が聞こえた気がして鑑賞。 (…幻聴?)
アニメーション制作担当がCLIC(”ポンポさん”を制作)
と知ったのも後押しした気がします。
で、お話はというと…
ウラシマトンネルという都市伝説のある田舎町。
そのトンネルは入った者の願いが叶うという。
しかし願いには代償が必要。 あら
滞在した時間の何千倍何万倍もの時間が
外の世界では過ぎてしまうことになる …らしい。
カオルはそんな町の高校に通う高校2年生。
同じ高校に女子高生が転校してくる。
この二人が主人公。
男子高校生の名はカオル。
数年前事故で妹を亡くしてから、家庭が崩壊している。
もう一度妹に会いたい それがカオルの願い。
女子高生の名はあんず。
祖父が売れない漫画家だが、家族の中でやっかい者だった。
漫画で認められる才能が欲しい それがあんずの願い。
ある日のカオル。
線路沿いを歩いて土手の下に転げ落ちる。
その先にはトンネルのような穴が。 おぅ。
穴の中に入ったカオルの肩に鳥がとまる。
それは昔飼っていた鳥だった。
思わず連れ帰ってしまうカオル。
少しの時間だと思っていたのに
トンネルの外では数時間が過ぎていた。
そんなカオルの行動に気がついたあんず。
ある日後をつけて行き、トンネルに入る。
「どうして此処に?」 と、カオル。
「私にも叶えたい願いが」 と、あんず。
互いに家族が崩壊している事を知った二人
願いを叶えるための「共同戦線」を結ぶ約束をする。
一人がトンネルの中に入り
もう一人はトンネルの外にいて
・トンネルに出口はあるのか とか
・時間の進み方の違い具合 とか
・外からのメールは届くのか とか
・中からのメールは届くのか とか
そんな事を調べる二人。
トンネル以外の場所でもデートしたり
あんずの描いた漫画を見せてもらったり と
次第に親密度も上がっていく。
そして夏休み
トンネルの奥まで進もうと日にちを決める二人なのだが…
と、まあ
一夏の出会い(と別れ)を描いた
SF的というよりはファンタジックな世界感のお話です。
前半の展開からは、理屈っぽい感じを受けましたが
あのエンディングは、嫌いでは無いです。
駆け込み鑑賞でしたが
観られて良かった。
◇
ストーリーの前半部分
話の展開が淡々としていて一本道に思えて
やや退屈な感じも受けました。
それが
カオルが一人でトンネルに入る決意をする辺りから
話が急に動き出して面白くなった気がします。
観終わってからは
疑問点がアタマに浮かんできています。
たとえば…
・一人でトンネルに入った主人公
戻らない予定だったのか? とか
・妹に無事会えたのに
なぜ連れ帰らなかったのか? とか
・トンネルの中で出会った幻影は
父と義理の母だったのか? (死んだから居た?) とか
・同い年の二人だったのに八歳の年齢差になった
歳の差カップルは続くのか? とか
う~ん。
気になる。
で、この作品には原作があるようです。
小説と漫画。
読んだ後でもう一度鑑賞するともっと分かるのかな
などと思ったのですが…
かなりの地域で上映終了しているみたいですね… ありゃ
ネット配信されたらもう一度観てみようと思います。
◇最後に
この”トンネル”の中にいる状態は
光速の宇宙船に乗っているのと同じということ
なのでしょうか。 はて
宇宙船に乗るのと大きく違うのは
「途中で引き返すことができる」 こと。
それを分かった上で、
あんずはカオルを待っていたのでしょうか。
そして今度は
あんずが外の世界の8年分、トンネルに入って戻れば
歳の差カップルを解消できるのかなぁ
などなど。
色々想像して楽しんでいます。
☆映画の感想は人さまざまかとは思いますが、このように感じた映画ファンもいるということで。
もりのいぶきさん、コメントありがとうございます。
俺も「タイムトンネル」に関しては全く記憶にありません(汗
ただ、幼い頃夢中になってしまった記憶だけが残っています。
光速に近づけば時間の進み方が変わるという、『猿の惑星』さえも思い出してしまいました。