「デメリットは何処に」夏へのトンネル、さよならの出口 uzさんの映画レビュー(感想・評価)
デメリットは何処に
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全体を包む雰囲気は良かったと思う。
しかし、気になるところが非常に多かった。
まず、あんずの性格があんなに排他的でツンケンしている必要を感じない。
なのにカオルには(傘の恩があるとはいえ)好意的。
共同戦線と言い張ってはいるが、両想いになるルートしか見えず、しかし積み重ねの大部分が(尺の都合とはいえ)ダイジェスト。
出会いのシーンを再現するところも雰囲気のみで、向日葵が後に活かされるとかもなし。
殴られた女子や塔野の後ろの男子など、名前が付いてるのが不思議なくらい脇キャラの存在意義がない。
(某作品のようにピクトグラムでも十分)
最後、あんずは5年、カオルは13年も失踪扱いになってるハズで、それがウラシマトンネルのデメリットなのに、その影響を一切描かず終わるのは如何なものか。
というか、偏見かもしれないが短期間一緒にいただけの男を女性が8年間も引き摺ってくれるとは思えない。
だったら全速力で追いかけなさいよ。
妹かあんずのどちらかしか選べない感じになってるのもよく分からない。
演技も、飯豊まりえはまだしも鈴鹿央士はキツかった。
挿入歌演出もややあざといかな。
ただ、作画は非常に良く、背景やトンネル内の紅葉、花火、水の表現などは素晴らしいものがあった。
手を繋ぐときの指の動きも細やか。
CLAPは今後も追い続けたいと思えたので、原作なのか脚本なのか、話がもう少しなんとかなってればと悔やまれます。
(タイトルの『さよならの出口』から、最後の決断を察してしまえるから、余計に)
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