「トンネルの謎解きまでは良いが、ラストには多くの疑問が残る」夏へのトンネル、さよならの出口 tomatoさんの映画レビュー(感想・評価)
トンネルの謎解きまでは良いが、ラストには多くの疑問が残る
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最大の疑問は、主人公は、なぜ妹を連れて帰らなかったのかということ。時間的に、外の世界から取り残されると分かっていながら、それでもトンネルに入って行ったのは、妹を取り戻すためではなかったのか?これでは、13年間を棒に振ったのも同然ではないか?
それから、失ったものとして、彼女からのメールを受信するが、失ったのはメールではなくて、彼女そのものではないのか?だったら、妹だけでなく、彼女にも会えるはずだが、トンネルには、死んだ人にしか会えないというルールでもあるのか?
そのトンネル(洞窟?)も、いかにも見つけやすそうなところに漫然と存在しているが、あれでは、誰でも気軽に使えてしまうのではないか?「トンネルが主人公を選んだ」という説明に説得力を持たせるためにも、例えば「主人公と一緒でないとトンネルを見つけることができない」といった設定が必要だったのではないか?
ラストの主人公の決断にしても、「そりゃあ、思春期の男子だったら、妹よりも彼女と一緒にいたいよなぁ」と、すんなりと納得できてしまい、何のサプライズも感じなかった。
主人公がトンネルを出てきた後も、時間の経過を活用したドラマチックな展開や伏線の回収みたいなものがあっても良かったのではないか?
前半の、2人でトンネルの謎を調査しながら、お互いの距離を縮めていくところの描写が、青春映画としてのトキメキを感じさせてくれただけに、終盤になってからの展開と物語の終わらせ方が、とても残念に思えてしまった。
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