「恋とジュブナイルSF」夏へのトンネル、さよならの出口 コージィ日本犬さんの映画レビュー(感想・評価)
恋とジュブナイルSF
アニメーションとして出来はよかった。
『君の名は。』以降顕著な、リアル系の美麗背景に、アニメーションキャラクターという作画も、高い水準。
「いいから早くえっちしちゃえよ、お互い好きなくせに」というイライラ感のひっぱり具合は、正当なジュブナイル(笑)。
ヒロインが主人公の少年を好きになっていく過程を丁寧に描いているのは、かつて少年少女向けSF冒険ものや、ラブストーリーが好きだったおっさんな私には好感ポイント。
ただ、10〜20代にコレはゆっくりすぎて退屈では、と心配になった。
あと、ヒロインが観客に理解されにくいかもな、と。
「やりたいこと」をすでに見つけているために精神的には大人びていて強い態度を取る部分と、褒められたりしたらチョロく恋落ちする部分の幼すぎる表現によって、「性格分離しすぎてないか?」と観客側が戸惑いそうだな、と。
それと、どこかで読んだ(見た)ことのある要素がたくさん入りすぎとか、(たぶん初期作ゆえの未成熟さが出た)原作由来らしき点に不安はありましたが。
まぁ、いろんな意味で一途なヒロインに、どこまで共感できるか(または好きになれるか)次第かな。
ヒロインの声、飯豊まりえさんは上手かった。
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