すずめの戸締まりのレビュー・感想・評価
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見事な調和がとれた作品
話の根本が重いのに、とても上手く纏められている。ストーリー、映像、音楽、声優全てが丁度よく混じり合って、重くも可笑しくもなく気持ちが伝わってくる映画だと思う。話を世の中にだすタイミングも良かったと思います。
心に響かない…
まったく心に響かなかったです…
悲しくなるくらいに、話に乗れなかった。ものすごい絵があってものすごいことが起こっているのに、途中から退屈で退屈で仕方なかった。
いちばんは、すずめと草太の関係性に気持ちが乗れなかったこと。すずめは過去の出来事があって、震災を止めたいというのはわかるけど、草太への思いがあるから、あそこまでの危険に飛び込むわけですよね。だからすずめにとっては、草太はかけがえのない存在でないといけない。この2人の関係性が、物語上で描ききれてないのは大きな問題で、関係性が積み上がっているようには感じない。だから、終盤に向けてのすずめの草太を助けたいと思う展開が、そこまで切実に感じられない。
すずめと草太が一目惚れなのはいい(実は出会っていたというのもいい)。さすがに椅子になるのが早すぎるように思うんです。人間パートが少なすぎないか。
もっと草太の人となりがわかるくらいには描いて、椅子になってしまうのが寂しいと思えるくらいには、2人の関係をじっくり描いてもよかったのではないか?
だからバディものとしても物足りない。
基本的にはミミズが出てきて、2人が戸締まりをする。このとき、2人だからこそできたという共同作業な感覚もない。ダイジンもつかまらない。つかまえても戻る術がよくわからないんですね。
日常が危うい、日常を守らなければならないという感覚も弱い。
すずめの日常を描く時間をもっと増やしてもよかったのではないか。旅をしているなかで、出会った人たちを守るというマインドももっと強くなっていかないといけない。不特定多数の人を守る、というのはさすがに命をかける理由がうすぼんやりとしてしまう。
すずめが命を賭けて守るものはなにか。それがよくわからないのだ。
さらにすずめは生命の大事さをわかっているのか。簡単に差し出すというが、それはどうなんだ。もちろんラストに生きるんだという強い意思にはつながるのだけど。終盤までチープな動機が続くので、かなりツラい。ダイジンが要石に戻るのでいいなら、最初からそれでいいじゃん…とも思ってしまった。
『天気の子』で、自己犠牲のその先を描いたのに、どういうことだ。世界を救うために誰かが犠牲にならないといけない、そのときにどう選択するのかという強烈な問いや設定がない。
4度の地震の危機があるが、同じようなパターンで、どんどん緊張感が失われていく。インフレさせるか、パターン変えるか、日常をもっと描くかしないと。なんならミミズが落ちてからの世界を描いてほしかった…。問題はそのあとだからだ。震災はすべて止められるものではない。じゃあそのさきの世界をぼくらはどう生きていくのか。現実に生きている人たちにどう接していけばいいのか。平和だと思っている人なんてもうどこにもいないよ。不安が蔓延しているこの時代に、それでも前に進まないといけない時代に、そんな表層的な自己犠牲の話をやられても響かない。
新海誠を信頼しているのは、時代を描ける人だと思った点。『君の名は。』で震災と向き合った。『天気の子』では、終わりのない狂った日常を、それでも好きな人と生きていくと宣言させた。反社会的といえるかもしれないけど、これこそが今の時代を描いたと思わせる強烈な作品を突きつけてきた。あのラストから世界はどうなっていくのか、考えざるをえない。それは震災後の僕らでもあるし、コロナ禍の僕らであるし、経済が衰退していき不安が覆っている状態だと読み替えることもできる。『天気の子』は2019年の作品でコロナ前でありながら、的確に今の時代を描いていたのだと思う。
だからこそ、新海誠が今なにを描くのかに興味があった。
しかしそもそもハードルを上げすぎかもしれない。その先を見たいなんて、こちらの願望でしかなくて、作家はしつこいくらい同じテーマを描くのが作家性ともいえるわけで、時代と寄り添わなくてもいい。震災に誠実に向き合った作品と見れば、また違うのかもしれない。
あと、「かえるくん、東京を救う」という村上春樹短編のなかで自分が最も好きな作品があって、かなりリンクしている部分がある。それで鑑賞中に期待値が勝手に上がっていたのもある。
散々、指摘されていた歌パートが今回はまったくない。これは物足りなさにつながっているのは明らか。失って初めて気づく、俺歌パート好きだったんだよーという気持ち。
だって否応なくエモーション。新海誠の絵と、RADWIMPSの歌が流れてたら、感情が揺さぶられるわけで。おかげで、RADWIMPSの歌もまったく印象に残っていない。ミュージックビデオ要素でいいじゃないか、ごめんね新海誠。
本当に惜しい。あと少しで映画史上最高傑作だったのに…
今年の夏、まず自分は小説版「すずめの戸締まり」を手に取った。そして、3日程度で読破。その瞬間、分かった。あぁ、これは間違いなく映画史に残るレベルの映画になるだろうなと。それくらい完成度の高すぎる小説だった。これだけ完成度の高い小説に、新海監督の映像美が組み合わさる。なんて映画だ、そう思った。そして、いざIMAX版で鑑賞。オープニングが始まる、これは☆5だな、そう確信した。しかし、映画が終わると、え?と思った。なぜなら、小説版で描写していた部分がカットされていたからだ。確かに、121分とアニメ映画にしては長めの上映時間のため、どうしても全てを描き切るのは難しいと思う。しかし、どうしてあの部分をカットしてしまったのか、特に予告編ではあったのに…と思った。よく小説を読んで、予告編も見ていた人なら、どの部分か分かると思う。
芹澤が歌うシーン、あそこをもう少し少なくするなど、他に色々と手はあったはず、本当に惜しい。でも、それ以外はほぼ完璧に近い完成度なので、是非1度は、映画館でご覧になってはいかがでしょうか。
震災をテーマにしていて、東日本大震災で被災した女の子すずめの成長が...
震災をテーマにしていて、東日本大震災で被災した女の子すずめの成長がテーマの一つになっていて、素直に泣ける映画だった。
旅をしていろんな人々と出会うけど、会う人がみんないい人過ぎて気持ちよく観れた。その中でも芹澤くんは見た目もいいし優しすぎるし声も神木隆之介なのでめちゃくちゃに人気が出るだろうなと思った。
環おばさんがすずめに本音をぶつけるところ、その後仲直りする時に「あれは本音だけど、それだけじゃないから」という言い方をするところに、環おばさんの哀愁を感じた。環おばさんにも幸せになって欲しい。
あと声優がみんな俳優やアイドルなんだけど、違和感がある人が一人もいなくてとても演技が良くてびっくりした。草太の声をSixTONESの松村北斗がやっていたけど、演技も自然でかっこよかった。アイドルで演技もうまいなんてずるい。。深津絵里もすごかった。
予告を観た予感通りの出来
前提として自分は新海誠作品の「君の名は。」や「秒速5センチメートル」は傑作だと思っています。その上で、前作の「天気の子」は凡作だと感じていました。本作は予告の段階で嫌な予感がしており、劇場で観るか躊躇していましたが鑑賞しました。映画の出来は開始5分程度で大体分かりますが、始まりからして嫌な予感は的中でした。まずストーリーが滅茶苦茶です。震災にスポットを当てる事には全く悪いと思いません。主人公や脇役達の行動がどう考えてもあり得なすぎだし、終始ご都合主義が続いてもはや苦笑するレベルでしらけます。音楽に関しても君の名は。>天気の子>本作と劣化感が否めなません。一曲も耳に残る曲がないんです。風景映像は綺麗ですが、新海作品を観たことがある人なら同じような映像を観たなと感じるでしょう。同日に鑑賞したブラック・パンサーが良作だったため余計に酷く感じたのかもしれませんが、本作を高評価にしている人が多いことに愕然とします。自分には新海監督の才能は枯渇したとしか思えませんでした。
なるほど
こうきたか。
地震がテーマ。そして日本にも昔からある結界とか封印とか。もしかしたら地震ってこうやって起きているのかもしれないと思わされるほど。
3.11を絡める作品は多いけど、決して無理矢理でもなく、すずめの過去や、お母さんがなぜ亡くなったのか後半に向けナチュラルに教えてくれるのが好感もてる。
そして主演2人。松村さんはジャニーズっていう色眼鏡があったんだけど、素晴らしくてよかった。こんなに上手なの?!って。
原さんも透明感のある真っ直ぐなザ・ヒロイン。良かった。
ただ、あまり恋愛っぽさはいらなかったなーっていうのが個人的なところ。
RADWIMPSの歌もエンディングだけだったのは良かった!
予想より良かった
「君の名は」は面白くて2回映画館へ
観た後には聖地巡礼で
階段探して四谷三丁目まで行きました。
「天気の子」は映画館に行くつもりも
結局は行けず地上波で見ました。
ただ、君の名はが良かったから、
ハードル高めに期待していたから
正直なところ物足りず…。
今回は…。
期待値下げて行きました。
YouTubeの冒頭7分間を見てから。
九州在住の女子高生が主人公「すずめ」
PVに出ていた猫やイスは何⁉︎って
思っていたけど意外と早く分かりました。
舞台は九州→四国→神戸→東京→東北
すずめの過去が絡み合って
ちょっと予想とは違った展開になり…。
君の名はに近い仕上がりでした。
入館時に冊子くれるの知らず
貰えてちょっと得した気分に。
誠実・面白く内容も深い
具体的な内容としてネタバレはしないが・・・ 新海誠監督の誠実な人柄や社会に影を落とす人々すべてに向ける思いやりを感じられる作品。 映像も迫力がありディテールや廃墟の世界観やリアリティも素晴らしく映画館で観るのもおすすめ。 内容の深さや人間社会への希望、そして面白さがすべて両立したみんなに観てほしい良心の塊のような作品です🦄✨
新海誠は日本を殴りにきている
地震、コロナ、戦争、いろいろあったけど、新海誠が言ってたように、僕らはなんだかんだで大丈夫だったようにおもう。
天気の子で少女を救った代償に世界が決定的に破壊されても、そんな世界で僕らは元気に生きてきた。
僕らは、だ。
僕ら以外の大丈夫じゃなかった人たちも確実に存在するし、存在していた。
そんな彼らを新海誠は今回、真っ正面から描きにきた。これは、国民的映画監督として油ののりきったいまでしか放てない最高の右ストレートだとおもうのだ。
この映画で成長するのは僕たち観客なのだと、思わずにいられない。
集大成にふさわしい作品
今日見てきたが、非常に面白かった。
一個人の感想であるが、先が読みにくい作品でとても面白かった。
また、すずめの子供の頃の動画を最初に見せるという、非常に面白く考えられた構成をしていた。
さらに、声優の方が非常に上手であった。
なので、新海誠先生の脚本とマッチしていて非常に物語にどっぷりハマることができた。
この作品は生涯見続けたい作品であるし、新海誠先生の集大成にふさわしい作品であると思った。
さらに新海誠本であるが、歴代の3作品に絞って(君の名は、天気の子、すずめの戸締まり)企画書や裏話などを書かれてあったが、それがすごく集大成にふさわしい本であると思った。
展開が早い
今までの君の名は、天気の子などと比べて導入の日常パートが短くて展開が早くて
すぐにファンタジーな雰囲気になってるのかな。
一般人には受け入れづらいのかもしれない。
私はよくアニメとかもみるので大丈夫だったが、
一緒に見てた嫁は横から「面白いの?」って何回もきいてきた。
鑑賞後に感想きいたら「難しかった」って。
前を向くことが大事なんですね。
幸いにして、これまで大きな災害に遭ってはいませんし、大きな痛手も受けてはいないのですが。評論子は。
でも、そういうトラウマを心の内側に抱えている人の苦痛は並大抵ではないことでしょう。
でも、人間は未来に向かって生きていかなければならないので、今を大切に生きることが大事であることは、多言を要しないでしょう。
「記憶の中にすっかり封印してしまえ」ということではないにしろ、やはり既往だけに囚われていては、いけないということでしょう。
その意味で「已往の諫められざるを悟り、來者の追ふ可きを知る」という言葉は、一面の真理をついていると思います。
(現に過去のトラウマに苦しんでいる人の苦しみを否定するものではなく、あくまでも前記のようなトラウマにを抱えてはいない評論子の考えですが)
本作で鈴芽が果たしてきた「戸締まり」というのは、そういうことでは、なかったでしょうか。
新海版シン・ゴジラ。 ダイジン、あざと過ぎ萌え。 東日本大震災の経...
新海版シン・ゴジラ。
ダイジン、あざと過ぎ萌え。
東日本大震災の経験や思いが、本作評価の一つの分水嶺。
カブリオレあるあるw
男性主人公側が大学生のせいか、君の名はや天気の子より、セクシュアリティな部分が薄い。
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