すずめの戸締まりのレビュー・感想・評価
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幼いすずめが母を探す姿に涙止まらず。
難しい題材を、新海監督ならではの家族愛に溢れたファンタジーに仕上げている。こういった目線で3.11を描き、この作品を通して、風化させず、子供から大人までまた国境も超えて多くの人達に伝えることが出来る。優しさの中に作品からも強い信念も感じ、あらためて素晴らしい方だなと思いました。
すずめが幼い頃母を探して泣きじゃくるシーンは本当に胸が苦しくなるほど辛かったですが、すずめが多くの方と出会い、様々な事を経験し成長していく姿の描き方も、新海監督が子の成長を見守る親の気持ちみたいな温かさも感じとても良かったです。
神つながり視点の感想
【鑑賞のきっかけ】
普段、あまりアニメを観ない私が、劇場まで足を運ぶアニメ作家。
その一人は、宮崎駿でしたが、彼が引退した今、唯一のアニメ作家が、新海誠。
その新作となれば、劇場鑑賞しないわけにはいきません。
【率直な感想】
<鑑賞前に発見したこと>
劇場鑑賞の前日、公式HPを訪れました。
題名と予告編から、「すずめ」という少女が主人公だけど、どんな文字なのか、と思いまして。
「岩戸鈴芽(いわとすずめ)」
そうか、鈴に植物の芽か…という思いと当時に、私は、苗字に注目しました。
「岩戸」。
「戸締まり」ということから、連想した「天岩戸」から来ているのだろう。
天照大神の神話で有名な「天岩戸」から、天を抜いて、「岩戸」。
と、次の瞬間、鈴芽と巡り合う男性の名前が目に入りました。
「宗像草太(むなかたそうた)」
何と、「宗像」!
歴史好き、神社仏閣巡り好きとしては、見過ごせない苗字ですよ、これは。
九州の最北端、福岡に、「宗像大社」という日本最古の神社の一つがあります。
日本海に面した社は、「辺津宮」と呼ばれ、そこから、海を10キロほど北上した「大島」という島に「中津宮」、さらに50キロほど北上した沖ノ島に「沖津宮」。
この三つの宮の全域が、「神域」であり、三宮を総称して、「宗像大社」。
このうち三番目の「沖津宮」は、神職など限られた人だけしか島に立ち入ることはできません。
そして、この三宮には、それぞれ祭神が祀られているのですが、その祭神は、「天照大神の子である女神たち」なのです。
つまり。
◆岩戸鈴芽→天岩戸→天照大神→その子の三女神→宗像大社→宗像草太
ということで、物語が始まる前から、二人は、天照大神という神つながりの関係なのです。
<いよいよ鑑賞してみると>
「君の名は。」では「彗星」、「天気の子」では「天候」をモチーフにしていました。
これらは、「自然現象」という共通点があり、今回はというと、公式HPでは、「災い」としか表現されていないので、ここでは、どんな「災い」なのかには触れません。
さて、この「災い」の危機は、映画が始まって間もなく、主人公・岩戸鈴芽の住んでいる地域で起こります。
ここで、彼女の住んでいる場所が分かるのですが、「宮崎県」。
ここには、「天岩戸神社」があります。
「岩戸」という苗字は、単に「戸締まり」からの連想だけではなく、その名を冠した神社(神域)が存在していることで、新海誠からのメッセージを感じることができます。
物語は、岩戸鈴芽が宗像草太と出会い、ある目的を持って、県境を越えて東へ向かって旅をしていくというもの。
旅の途中、ある都市で、親切な女性と出会い、一晩を過ごすのですが、この女性の名前にも、驚きです。──「二ノ宮ルミ」。
二ノ宮とはその地域で、二番目に格付けされる神社なのですが、注目は、神社は登場しないけど、彼女の名前から、そこも、物語構成上は、「神域」ということになります。
<物語の向かうところは…>
あくまで私見ですが、この物語では、「宗像大社」の「三宮という神域」を、「日本全域まで拡大」していると見立てることができると思います。
つまり。
第一の宮(辺津宮)=天野岩戸神社(宮崎県。鈴芽の住所)
第二の宮(中津宮)=二ノ宮ルミの住む都市
そして、岩戸鈴芽は、さらに、旅を続ける…。
そこに待っているのは、第三の宮(沖津宮)ということになります。
この第三の宮(沖津宮)は特別な場所です。「神職以外立入禁止」ということを先述しました。
言い換えると、神様が認めた人でないと立ち入ることができないということ。
「神域」としては、最高位の場所となりますね。
鈴芽がそこに立ち入れたなら、彼女は、「神様に認められた」特別な存在ということになります…。
【全体評価】
本作品は、上述のような「神」つながりのことなど考えないでも、岩戸鈴芽と宗像草太の人間模様や「災い」とどう立ち向かうかを観ているだけで、十分に感動できる作品であると思います。
私も、その部分で深く感銘を受けた作品となりました。
【率直な感想】に長々と書いたことは、歴史好き、神社仏閣巡り好きの戯れ言として捉えていただければ幸いです。
エンドロールが終わるまで誰も席立つ人いなかった
ネタバレなしに挑戦。
あくまで個人の感想なことをご了承いただけるようお願い申し上げます。
私ごとですが、ちょうど入院中に公開となった作品で、とても観たかったです。
なので、この作品の賛否両論的な評価を見てしまった上での鑑賞でした。
自分はこの映画好きです。
劇場に観にくるかはわからないけど、もう一度観たいです。
月並みな表現ですが、
良かった、泣けた、感動した。という映画でした。
題材が深いことに向き不向きがあるかもです。
映像がリアルで綺麗。社会描写がポイントになっています。
音楽もいいです。
自分は今年還暦を迎えましたが、同世代には懐かしい音楽や表現が多々ありました。
あるもの(食べものです)に○○○サラダを入れて食べてみたくなります。
自分とちゃんと向き合うことができる作品です。
運命を受け入れて、そこから先をどう生きるかは自分次第だよ。
って言われたような気になりました。
まあ、言うは簡単なんですけどね‥‥
ポジティブに捉えた者勝ちですね。
映画のいいところは
観る人の解釈は人それぞれでみんな違っていいところ。
自分も本編終わってエンドロールも終わって
しばらく立ち上がれませんでした。
身体が座席にくっ付いてしまったかのように
きっと自分にちゃんと向き合うのが苦手だからです。
反省!
そう自分には反省の機会を与えてくれた
ありがたい映画でした。
やっぱり、劇場に観るかなぁ。
もう一回。
残念ながら、「君の名は」を越える作品ではない💧
上映終了後、後ろの席で何人かの「良かった!」と言う声が聞こえた。
でも、「君の名は」を越える作品ではない。映像は相変わらず美しいが、内容をもっと吟味し洗練したものにしないと飽〈あ〉きられるような気がする。
今回も女子高生の恋愛作品だが、「天気の子」では大雨などの異常気象、「すずめの戸締まり」では地震をキーにしながら、女子高生が織り成す勇気と恋愛を扱っていた。
新海監督は、少し女子高生を中心とした恋愛へのこだわりが強いのではないか?
それよりむしろ、異常気象や地震を中心にすえて、勇気や信頼、友情へと広げていった方が、作品に広がりが出てくるような気がする。
恋愛に絞りたかったら、「君の名は」のように、恋愛だけに集中した作品にした方がいいように思う。
生意気な言い方かもしれないが、「天気の子」も「すずめの戸締まり」も中途半端ゆえに、作品の良さが出しきれてないのではないか?
観てよかったです。
震災のお話で何度も地震のシーン、緊急地震速報のアラーム音が鳴ります。観ていてその度に怖いし苦しい気持ちにもなりました。でも、すずめがとにかく一生懸命でかわいくて。そうたさんもとても優しくて。出会う人たちがみんなとってもいい人。少しクスッとしたり、懐メロも流れたり、旅行気分で楽しいところもたくさんあります。そして映像が美しかった。母を亡くしている私は終始うるうるしながら観ていましたが、最後のすずめの言葉に号泣しました。しんどかった想いを全て救ってくれた気がします。RADWIMPSの歌がめちゃくちゃ素敵でした!劇場で観て良かったなと思いました。賛否あるかと思いますが、私は観てよかったです。
面白かったです。
従来イメージとは違う雰囲気と結末、だからこそ良い!
おもえば『君の名は』は無理解によるいじめを行う同級生、大人達との度重なる確執描写そして何ともモヤっとする結末---話の全てがとにかく苦手だった。調べれば以前の作品達はもっと影のある内容と知ってからは、新海作品は合わないと思い『天気の子』は見送った。
本作も見る気はなかったが、耳に入る評判と信を置いているレビュアーの太鼓判もあり“もしダメでも以降の作品を二度と見なければ良い”程度の心構えで劇場に臨んだのだが---嬉しい意味で裏切られた、何より称賛したいのは記憶ないとかの不安要素なくきっちり再会させたラスト、これが最大の評価点だがそれに次いで新海誠作品の醍醐味であろう綺麗でいて生活感に溢れる背景を『君の名は』では重い展開で意識が分散しそれ所じゃ無かったが、ようやく今作でその美麗さを堪能できた点も大きい。
夏特有の日差しでコントラストが美しく強まった空や緑の木々という監督の十八番背景はもちろんの事、行く先々で訪れる古い民宿やスナックに大学生の住むアパートのどれもが既視感に溢れ、とりわけ主人公が住む島の廃墟はその幻想さと荒廃しつつもかつて人が住んでいた雰囲気が残る街並みとリアルな老朽化描写はとても素晴らしかった。個人的にこの夏にとある古い旅館に宿泊したのもあり、古民宿の部屋の構造は既視感を覚える程リアルに感じた、推しの評論家が“新海監督は観察眼と再現力が凄い”と評していたが正にその通りだと思う。
話も前向きで明るい雰囲気に加え冒険の様なロードムービーは観ていて楽しい、その中で人物のセリフも展開もわかりやすい伏線のお陰で読み解きやすくスルスルと頭に入った---ただ重要アイテム【要石】は、その製法と実態を考えると深い闇が垣間見えそうだが、これは良いとして主人公と叔母の激重確執シーンは突然過ぎてさすがに困惑・・・この確執シーンだけは無理に入れたような感じがして仕方ない。ところで喫煙者が火を付けずにタバコを吸う真似するのは何を意味するのだろうか?煙が苦手な人への配慮かそれとも---何にしろあの友人は面白いイケメンなのは間違いない。
マニアックだと思うがタイトルコールもオマージュしたくなるカッコよさだった。従来だとポエムめいたセリフ言った後にTVアニメのOP系だったが、今作は重厚な扉を閉める音と黒背景に浮かぶタイトルだけなのだが大作映画らしくて好み。
前述の通り、多少新海節が入り混じっていたがこの『すずめの戸締り』レベルに明かるい作品なら再び劇場に足を運んで観に行きたい、是非とも売れてほしい作品だ。
( ^ω^)・・・でも叔母との確執シーンは不要で気悪いので星-0.5。
伏線回収が気持ちいい
映え
ミミズかっこよかった
ネタバレなし!!!
戸締まり用心、火の用心
廃墟マニアは結構多い。確かに魅力はあるので理解できますが、最近、もっと凄いゴミ箱マニア(?)が写真を撮っている光景に遭遇しました。ゴミ箱撮ってて楽しい?写真を整理していて、ウゲーってならない?などと、世の中色んな人がいるものだと感じる今日この頃。イケメン青年ももしかすると廃墟マニアかと想像していたのですが、全く違ってました。
災害を扉と要石で封じ込める、巻き込まれ型青春ロードムービーファンタジーといったところでしょうか、女子高生のトラウマなどの内容が濃いアニメ作品となっていました。廃墟の扉を探しているという草太に出会った高校生の鈴芽が、草太がダイジンという猫にイスに変えられてしまったから、さぁ大変。猫を追いかけ、ミミズを封じ込め、草太を助けなければならない・・・
最初からジブリ作品へのオマージュが感じられること多々。温泉リゾートの廃墟の雰囲気は『千と千尋の神隠し』だし、巨大ミミズの出現は『もののけ姫』のタタリ神みたいだし、猫(ジジ風)やドライブ中の曲が「ルージュの伝言」を使ってるため『魔女の宅急便』まで思い出す。テーマ曲「すずめ feat.十明」」は『風の谷のナウシカ』の「王蟲との交流、ナウシカレイクエム」と雰囲気が似ている。イケメン草太のイメージはハウル?いや、それより、友人・芹澤が神木隆之介じゃん!待たれよ・・・とまぁ、ジブリに影響を受けた新海誠の恩返しだったのかもしれません。
BGMも何だか凄い。テーマ曲もいいのですが、最初のスペクタクルシーンでのビッグバンドジャズがあったり、クラシカルな雰囲気の曲もあったりで、音楽的にも大満足。そして、水の描き方も『天気の子』のように幻想的だ。
劇場で配布された「新海誠本」を読むと、岩戸という名字から天照大神が天岩戸に隠れたことから取っているみたいだし、すずめの名前も芸能の神様アメノウズメノミコトから取っているとわかります。
東日本大震災から11年。いまだ復興は終わってないことを改めて感じさせられ、亡くなった方への思いに目頭が熱くなりました。
新海監督、ありがとうございます。
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