すずめの戸締まりのレビュー・感想・評価
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力わざ
映像が綺麗
ある事件を発端に、閉じ師の草太や、要石のダイジンと関わり、異界と現世を繋ぐ扉を閉める旅に出る話。
九州から東北までの道中、色々な出会いがあるけど皆、親身に協力してくれる。
主人公のすずめはとにかく、タフで真っ直ぐな少女という印象。理由も告げずにあれだけ遠くに移動したら、そりゃ叔母さんは心配するよね。
東京で知り合うホストっぽい大学生の芹沢、なんだかんだ友達想いなやつで、いいキャラしてた。
廃墟の後ろ戸から出てくるミミズ(災害のエネルギー?)とか、扉を閉めるシーンとか映像がとにかく綺麗で迫力があります。
普段の生活の中で、昔賑わっていた施設が無くなっていたり、寂れていたりするのを見かけたりする。後ろ戸があるのかな。。
廃れていく土地を悼わるという考え方に、初めて気付かされたかもしれません。
今まで生きてきた土地や、これから生きていく土地、周囲に居る人に改めて感謝したい気持ちになりました。
25歳男、映画館中央座席で1人泣く
一言で言うと、壮大なラブSF人間成長作品です。
まず原 菜乃華さん。本当に素晴らしかったです。
色んな宣伝で見た想像通りの"鈴芽"でした。
ほかの声優さんたちも、え?どこに伊藤沙莉さんいたの?どこに染谷将太さんいたの?と分からなかったです。さすが
そして、今作は、前の2作とはうって変わって、物語、勢いで魅せる作品といった印象を受けました。歌がなくても、新海誠作品は面白い!って確信した人は多いんじゃないかな、とおもいました。
そんで、その物語、勢いがとてもよくて、
まず開始5分で掴まれました。すずめちゃんがかわいい。(立入禁止ゲートの飛び越え方や劇中の身体能力からして、おそらく陸上部ですね。)
勢いで、船に乗って→愛媛→神戸→東京と目まぐるしく環境が変化していきます。
物語の主人公と言っても、ただの高校生なので、しんどそ〜と思う瞬間が最初にありました。
が、杞憂でした。
旅の途中で出会う数々の人に助けられながら、力を借りながら(服とか帽子も含めて)、進んでいくところ見て、人の暖かさにグッとしました。
そこでさらに感心したのが、労働している点です。相手が親切でただその親切心を貰うのではなく、しっかり仕事をして、その対価を払っています。しかし、それを強く感じさせない。とてもよい描写でした。
すずめちゃんとそうたが行くところに後戸(うしろど)開くの都合いいなと思ってたんですが、ダイジンが案内してくれてたんですね( ;ᯅ; )
バトル作品さながらの、ド派手な演出もあってすごい楽しかったです^^
止まらないのでこの辺にしときます。
いくつか疑問があるので、意見欲しいです。
・ミミズが破裂したとき、なぜ水が出るのか。
・サダイジンはなぜ車に乗ってきたのか。
追記
戸締りをする際の「いってらっしゃい」や「いただきまーす」って言葉の数々は、以前そこに住んでいた人達が交わした最後の言葉なのかなー、って思ったりしました。
1番最後のミミズが破裂したときの雨で地面の火が消えました。そのための雨の演出なのかな?分からん
売り言葉に買い言葉
後半、叔母と主人公が言い争いをするシーン。
これは凄いなと。時に人は、制御が掛からず、本能のまま言葉を発する。人の持つ恐ろしさでもあります。どんなオカルト、スプラッター作品よりも恐怖を感じました。(このシーンだけです)
新海監督恐るべし。
後、違和感があります。
周りは全てその地域の言葉を話しているのに、何故主人公だけが標準語なのか?
廃墟となった遊園地に何故電気が点くのか?(通常、電気は停めるか、引込線を撤去します)
その違和感が邪魔をして、終始モヤモヤしてました。
しかしながら作品そのものは、素晴らしいと思います。
一言でいうなら「浅い」
公開初日に見に行き、気持ちが落ち着いたのでレビューを書きます。
音楽と画作りに関しては素晴らしいと思います。
一方で脚本は「雲のむこう、約束の場所」を思い出す酷さでした。
ネガティブな評価をしている人が深く語ってくださっているので、ポイントを絞って語ります。
主に浅いと感じたのは、
・すずめを中心とした人物の感情描写、感情の動き
・命と向き合うということ
の2点です。
この映画は最初から最後まで主人公と同じ気持ち、テンションになれるシーンがありません。
出会ったばかり(実際はそうではないのですが)の男への執着も、叔母さんへの想いもこちらがその感情についていけるようなシーンもありません。
詰まるところ、「このキャラクターのこと応援したいな、好きだな」と思えないのです。
その一方で道行く人との触れ合いを冗長に演出されるのですが、これもこれで「そこに生きる人」のようなものを描きたいのはわかりますが単調な描写です。
例えば出会った人、優しくしてくれた人の場所が「ミミズ」によって破壊されてしまったり、死を目の当たりにすることで成長をするなどがあれば「命」を強く感じたと思います。
主人公のバックグラウンドをふんわり描いてしまったこと、直接的な描写を避けすぎてインパクトがないことが挙げられます。
命と向き合うからこそ、「100万人の命」と「愛する人」の天秤に価値があると私は思います。
物語を通して全てが「浅く」感じられ、軽薄な内容に思います。
天気の子で、帆高は「あの時僕は、僕たちは、確かに世界を変えたんだ。僕は選んだんだ、あの人を。この世界をここで生きていくことを」と自分が愛する人を選んだことで世界を変えてしまったことを再認識し背負います。
すずめには助けられなかった人、そして自分をしっかり見つめ直して、
その上で愛する人を天秤に掛け、それでもやっぱり愛する人を助けたいと決意する作品であってほしかったです。
そして3.11というテーマ性の重要性はわかりますが、大前提としてエンタメは「面白い」上でテーマを掲げるべきだと私は思います。
つまらない作品は、テーマを語る土俵にいません。
「金」になるアニメの見本
話の内容については他の著名なレビュアーさんに譲るとして「商業的視点」と「アニメ産業」から見るとこの作品
大成功です。ジブリが自滅したアニメ業界では太陽的存在です。
まず、東北地方太平洋沖地震 をストーリーの中に組み込むことで話題性を生んでいます。また、主人公のトラウマにすることで年配、大人の共感性・興味度をあげています。卑怯ですが、下手くそな芸能人を声優にするよりはマシですね。
『リアリティを犠牲にしても不愉快な所をカットする』『気持ちのいい所を定期的に素早く出す』を徹底している
・主人公含め、周りは自己犠牲・他者を思いやる善人しか出てきません。あのクソ猫も弱った自分の代わりに すずめたち に扉を封印してもらうように誘導してた(あと 狂言まわし )
・自己紹介の前から事件がスタートする(まずは観客を引き込む)
・曲も大人なしめで万人受けする選曲(年配には昭和の曲で配慮だ!)
・叔母と主人公の対立は25秒で終了!すぐに和解!
・新海誠ブランドの美術は欠かさない
・旅をすることでご当地巡りをして、背景をコロコロ変えて飽きさせない(いろんな自治体から地元を舞台に!と依頼されたのを逆手にとった形ですね)
・カメラワークが迫力ある(神戸の観覧車の場面は良いですね)
・新海誠の「あ・・・うん・・・」なフェチズムが薄まっている。しかし、真面目な すずめ には所々、色気を感じる(演出)
と「老人から大人、子供」が幅広く80点で楽しめるように配慮されている作品です。これってすごいことですよ?子供向け作品(ディズニー)と違って、方向性のバラバラの人たちが大体満足できるんですから(そのせいで後味がうすい、という弊害を生んでいますが)。 『君の名は』『すずめの戸締まり』は日本アニメ史上で教科書的に見本にされる(模倣される)でしょう。
蛇足ですが
すずめの戸締まりのヒットはアニメに新しい「投資金」を呼び込み業界の活性化に繋がると思います。アニメ文化が大好きな者としてありがたいですね。
人により変わる視点、そこからどう想うか。
色々議論が生まれそうですが自分はとても面白い作品だったと思います。
震災を扱う上で賛否あるかと思います。被災した人、近しい方が被災した人、起きた事だけ知っている人、何も知らない人…色々な人がいます。どれかの意見が正しいとかただ断絶するのではなく観た人がお互いを想い寄り添い理解しあう為の作品だと考えています。
更地になった町の跡や舗装・整備された道路や高くて海の見えない防波堤、他にも新しくなった街並みとか、それを見てどう思うかは本当に人それぞれで私も誰かを傷つけるような事を言ってないだろうかと胸が締め付けられました。
私の家族が被災した事もあり被災地に行く事も多いのですが、終盤の震災当日の行ってきます、行ってらっしゃい。のシーンはボロボロ涙が出てきました。
それに観た直後と時間を置いてから一人で考えり他人の感想聞いてから噛み砕いていくとで感じ方が変わってくる作品だと思います。
例えばダイジンも観た直後は自分勝手な神さまだと思いましたが何十年、もしかしたら何百年も要石として尽くしてきて、やっと役目から開放されてすずめに優しくされてうちの子になる?と聞かれた時はとても嬉しかったのかな?と思いました。
よくよく思い返せば登場人物みんな完璧じゃない。時に傷つけたり助け合う。思いやる。
いってらっしゃい。いってきます。ただいま。おかえり。と言える日々が改めて愛しくなりました。
ダイジン サダイジンという一番の被害者
ダイジンの正体が最後までわからん。主人公の未来の姿とかならわかるけど多分違うよね、震災や使われなくなったところとかテーマにしてたのはいいけど、遊園地は廃墟のままで、ただ伝えただけでなんの解決にもなってなかったし、ただただダイジンが不遇すぎる、先の見えない中ひとりきりでで数十年過ごしてやっと解放されたと思って、閉じるの手伝ってたら勝手に悪者扱いされて、若い男女の色恋の道具にされる、やってることただの嫌がらせにしか見えんかった。
曲もなんだかなぁ、前の2作の方が個人的にはいいし、絶賛されてる分少し残念だったな。。。。
草太くんのお父様から色々設定聞けたらよかったのにな、ダイジンと対面してお久しぶりですみたいなセリフがあったのと、ダイジンが衰弱しきってたのは何十年に一回かは要石の交換が必要だということの伏線だと思ってたんだけど、ダイジンは好きじゃないと言われた途端、やせ細ったりしてよくわからんかったなぁ。
主人公とヒロインが要石になって終わるようなラストでもよかったんじゃないかなとは思う、ダメか。椅子の脚の一本がなにか大事な伏線になってたり、主人公ヒロイン枠のキャラクター設定が、あんまり特色ない気がするのでヒロインを少しSっ気のある子にして足台として使われた時に「踏まれて嬉しい?」みたいな掛け合いあったら面白かったのかな、ヒロインの体力すごかったし、私体力には自信あるんだみたいなこと言わせて要石にしたり、だったらできたのかな。。
追記
他の人も言ってるけど「新海誠」というブランドっていうのがしっくりくるね。
みんなブランドイメージにお金払ってるし評価しているような気がする、3.9もないとは思う。
3作品通してだけど、 君の名は が一番面白かったな...
過去を共にする
新海誠監督の最新作。
「君の名は」「天気の子」に続く、ファンタジーの要素と新海誠監督ならでの心をにくる感じがあった。
トビラと3.11の地震をテーマにした作品で失った過去に残したものを呼び覚まし、それを受け入れて前に進もうというメッセージを感じた。
この作品の中でも地震が過去に忘れ去られつつある中で忘れては、いけないと思いました。
その日「行ってきます!」と扉を開けて出かけて行った家族が友達がそのまま地震に巻き込まれ、津波に飲まれ、失ってしまった多くの人がいた事を思い出さしてくれました。
誰かを失った悲しみは、簡単には、癒える事はないと思うけど、それでも悲しいままでも生きていける。
誰かが生きようとした明日が自分には、迎える事が出来るから。
そんなに気持ちで扉を開いてみたら、次の日を感謝して迎えれる気がしました。
絵、音楽:優 キャラ、シナリオ:可
絵は流石、新海作品クオリティ文句無しで優
音楽に関してもオリジナル曲のみでの評価として、普通に優
ただ、キャラクターに関してヒーローはまだいいんだけど、ヒロイン側の掘りが題材が題材だったので仕方ない部分なのですが、少なくキャラの重みが少々物足りなく感じました
ストーリーに関しても、題材が地震でフィクション世界とは言え現実世界にあった『3.11』も含めてしまっている為、加減が非常に難しく仕方ないと言えば仕方ない部分なのですが、こちらも少々物足りなさを感じてしまいました。
先入観を越えてきたなぁ
なんでやろうね
君の名は 以来久々に新海誠の作品を観ました。
作品の出来や面白さは満足。
ネタバレになりますが、最後に子供の鈴芽に現在の鈴芽が語ったことが全てだと思います。
震災に合われた方、貴方には好きな人も出来るし貴方を好きになってくれる人も必ずいる。今は真っ暗闇かも知れないけど必ず明るい日がやって来ると。だから前を向いて生きて欲しい。
そんな貴方を見れば周りの人も幸せになれる。
なかなか震災で家族を亡くされた方達には受け入れ難く辛いかも知れないし、未だに家族を捜されている人達も居ると思います。
この作品を観てそんなに割り切れるわけないと思う人もいるでしょうが。
鈴芽ちゃんが可愛いです。やっぱりエンタメはボーイミーツガールハッピーエンドでないとね。
追記
今週で終映と聞きましたので、急遽今日観に行きました。
凄く後悔しています。
もっと劇場に観に来れば良かったと。
鈴芽ちゃん、ソウタくんと幸せになって欲しいな。
すずめの戸締まり 続編は無いでしょうけど2人の幸せを祈ってます。
ぞわぞわした
・導入が急展開すぎるような気がしたけど、中盤くらいになるとあれぐらい早い展開じゃないときついかもな、とも思った。朝起きてすぐにイケメンに一目ぼれっていう、とても現実的とは思えずついていけるかなぁと思いつつ学校での日常かと思いきや早々にイケメンのために廃墟へと向かうすずめと必死なイケメンとかを観てたらやっぱりこの映画ついていけなさそうだなぁと負っていたら、地震を防ぐために陰ながら奮闘しているという使命の展開ですずめが彼氏と市民との命を天秤にかけられた辺りから、思ってたのと何か違うなと思い始め、ラストは東日本大震災への救済の願いへと展開していって、映画だけに収まらない現実との感情のリンクで驚きと感動でぞわぞわして泣けた。
・細かい所の疑問があったけど、すさまじい勢いで何か納得させられてそれも何だか気持ち良かった。映画は見始めたらとりあえずは最後まで観る前提だからこその展開という感じもして凄いなぁと思った。ラスト、幼年時代の自分と再会っていうのかしたのが、何で時間軸過去に?とすこし思ったけど、それまでの展開の説得力があってか泣けた。パッと終わったのも良かった。
・冒頭で出たコンクリートの建物の上に乗っかった漁船のシーンであぁ、これは夢なんだ、と思ったら、あれは現実にあった事だったんだと思い、なんともいえない気持ちになった。あとは沢山のいってらっしゃいが切なくなって泣けてきた。
・閉じ師の草太の父親とかどうしたのかなぁと思った。アパート暮らしで実家は由緒ある家系のような感じもあっただけに謎だった。隔世遺伝のみなのか、選択してやっているのか…細かいけど。
・ダイジンって名前はネットで誰かが決めたような気がしたけど、実際はどうだったのかがよくわからなかった。草太もダイジンって言ってたので偶然、合ってたのかなとも思った。後半になって左大臣?っていう巨大な猫も現れたけど、あれは東京にいたダイジンって事で良かったんだろうか、にしてはなぜあんなに大きさが違ったんだろうと思った。あとは中盤でダイジンはすずめの事が大好きみたいだったけど石から戻したのと煮干しをあげただけに見えたけど、それだけでそうなったのか?少しわからなかった。
・立ち入り禁止区域の塀が簡単すぎないかと思った。もっといかついバリケードとか貼ってそうだなぁと思った。
・廃墟に思いを馳せないとミミズを抑えられないっていうのが凄く良かった。場所や物にも人の感情は乗っている宿っているかもしれないってて事を考えさせられる。そして、とても切ないのも良かった。
・後半に出てくる芹澤とのドライブが面白かった。草太が椅子にされててることで終始、悲壮感などを感じていたのであの辺が唯一気楽に見られた。芹澤も闇深いなぁとか見てる側の感想を言ってて一歩引けて良かった。
・サービスエリアでおばさんがすずめに本音を語ってぶっ倒れたけど、あれが左大臣のせいなのか急に感情が昂ったのかが謎だった。あれだと左大臣のせいっぽくて悪い奴っぽかったけど逆だったので余計に謎だった。あと左大臣でかすぎるのに二人とも普通で驚いた。
・宮崎から福島まで、どういったルートでどうやって行ったのかを細かく描いててとても良かった。フェリーが出てるんだ、とか勉強になった。道中の出会いの感じも。冒頭の学校の同級生二人が長く何とかするのかと思っただけに。お金はどうしたのかと思ってたら後はから電子マネーって言ってたけど、もうちょっと早くそういった処理をしてるとこを観たかったかもと思った。
・結果的に皆が幸せな感じになれたようで良かった。
焼きうどんにポテサラ
正直、観る前は不安があった。
キャラデザ田中将賀、音楽RADWIMPS、主演が新進女優、声優神木くん花澤さんなど継続要素が増えてきたから。
妙な縛りで変な作品にならないだろうか、と。
確かにまた早送り演出があったりと既視感のある部分もあった。
でも、挿入歌演出は控えめだったし、蛇口も今までと違う印象で使われてたり、正当な進化と変化を感じました。
物語としては、出会う人がことごとく善人だったりご都合主義の面は否定できないが、不思議とあまり気にならない。
キャラを絞ったロードムービー的なストーリーは理解しやすく、また出会う人たちのことをもっと知りたくなってしまう。
帰りながらお礼して回るエンディングでほっこり。
また、新海さんはキャスティングが非常に上手い。
最低限以上の演技力と、キャラや作風に合った声や、替え難い味がちゃんとあるから、俳優起用でも台無しになることがない。
今回はすずめの叫びがワンパターンだったくらいで、過去イチ素晴らしかった。
神木くん、あんな声もやれるんだなぁ。
オリジナルの用語も多様されるが、漢字が浮かびやすく、役割やイメージを瞬時に理解できてしまうネーミングセンスも、地味に凄い。
毎回ですが、今までの新海作品の要素も残しつつ、これからも期待させる素晴らしい作品でした。
それ故に、どうしても満点がつけられません。笑
「天気の子」以上「君の名は。」未満、だけど
大切な人、大切な場所への人間の普遍的な想いをテーマに、盛り盛りの設定とみんな大好き要素でふわっと包み込んで上手いこと仕上げた、という印象です。
ある程度の年齢の日本人なら誰でもわかるあの出来事を、どうしても描きたかったのであろう新海監督のお気持ちはしっかり伝わりました。
ただ、作品のテーマ、恋愛、ロードムービー、人間ドラマ、と盛り盛りだった設定をお恥ずかしながらこちらの理解不足のせいで自己消化できず、作品に没頭できなかったのは残念でした。
具体的には、何で椅子?はまあいいとして、神様っぽい能力があの時だけだったり、そもそも名前がダイジンってうーんだし、謎が多すぎる宗像家の仕事(1人であんなに頻発する事象の対応とか無理ゲーすぎるでしょ)とか心理描写の掘り下げ少なくいきなり寝起きに◯◯しようとし出したり、後半唐突に登場したあのキャラの片割れとかetc…
色々気になることを書いてしまいましたが、昨今では希薄になってきた「映画館で映画を観る」という価値を十分に味合わせてくれ、鑑賞後は多くの人に満足感を与えてくれると思います。
新海監督作品らしさ全開の圧倒的映像美はいわずもがな、誰しも推しが見つかる魅力的なキャラクター達、重いテーマを尖らせすぎない演出の匙加減、声優さん達の演技、迫力の音、感情をゆさぶるBGM、胸にささる歌、全て素晴らしいエンターテイメント体験でした。
心が純粋なお年頃に見たかったです(涙)
感動と爽やかさと明日を生きる元気を
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