「大人もカッコ良い映画です。」サバカン SABAKAN せつこんさんの映画レビュー(感想・評価)
大人もカッコ良い映画です。
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長崎の田舎で暮らす小学生の久田が家が貧乏でクラスでは浮いている竹本にイルカを見に行こうと誘われ一緒に冒険したことから仲良くなるひと夏の話。
『となりのトトロ』を大人になってから見返した時と同じ気持ちになった。私の中のノスタルジースイッチが連打されてさらに「大人になってしまった自分」をもう一度見つめさせられる。
ポスターに「子供が主役」とあるのだけど、脇にいる「大人たち」がとても良い。意地悪な大人もいるけど、いつもはだらしないとーちゃんやいつもは怖いかーちゃんが時折見せる愛情や、無言で助けてくれる通りすがりのにーちゃんやねーちゃんが印象的。この大人達を見て今の自分は、こんな風に誰かを助けてあげれるかっこ良い大人に全然頭も届いてないし、まだ誰かに助けられて生きてる大人子供だ!と思った。
それに加えて、冒頭で「じいちゃんの葬式以来〜」と言っていたことが久田のお父さんのことだとすると、辛い時に無言で抱きしめて慰めてくれるとーちゃんはもういないという事実が、より戻れないあの頃を強調されてエモ悲しかった。
ノスタルジー感だけじゃなく、良いなと思った所は、大人達が過剰に介入しないこと。常に大人があの時一瞬だけ関わった人という立ち位置が良い。助けてくれたにーちゃんとねーちゃんの関係は兄妹かカップルか分からないし、どうしてねーちゃんが韓国語を読めたのかも分からない。あるのは、あの時優しくしてくれたという揺るがない事実だけ。
あと久田がねーちゃんのおっぱいを見る描写が全然やらしくないのめっちゃ正しいと思った。谷間も見えてないしTシャツ濡れてるけど透けてないし胸が強調されるような服でもない。でも小学生はおっぱい見ちゃうよね。
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