「またね、竹ちゃん。またね。またね。」サバカン SABAKAN 栗太郎さんの映画レビュー(感想・評価)
またね、竹ちゃん。またね。またね。
子役のいい映画は、ずるい。多少の無理設定も、全部許してしまう。この二人の少年の瑞々しさが、夏の思い出をキラキラしたものにしてくれる。
そして、大人たちもいい。地方で伸び伸びと育つ二人の母親に尾野真千子と貫地谷しほりをもってくるなんて、今の日本映画では最強タッグだと思う。それにしても尾野真千子のバチコン!と音が聞こえる頭の叩き方がとってもいい。怒ってるんだけど、愛情しか感じない。旦那が竹原ピストルだから更にいい。愛情一途だもの。
最初はよくある冒険譚、と思いきや、ラストの演出の巧みさに涙が禁じ得なかった。今の久田の状況も、全部描かなくても、全部わかる。絶妙な匙加減。そして、現在の竹ちゃん。そう演出するのか。むしろそれでこそ、現在の対比として少年の思い出が、久田少年の懐っこい笑顔と竹ちゃんの最後の笑顔が、こっちの心にも大きく刻まれてしまった。
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