「眩しい少年時代の情景に感動!」サバカン SABAKAN 三輪たかしさんの映画レビュー(感想・評価)
眩しい少年時代の情景に感動!
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草彅がゴーストライターの職で、いつかは自分の作品を上梓したいという設定です。愛娘とは会えるけれども、離婚状態。自分の作品を表すことによって、妻も認め始めるのです。その作品の内容が、メインストーリーとなります。少年時代の夏の期間だけの男の子らしい友情の形成の物語に心を掴まれました。誰しもが通ってきた友達の存在の大切さを、あくまでピュアに美しく描いています。タイトルのサバカンは、今でも庶民の食卓を彩ってくれますが、この作品の中では、寿司が大好きな主人公のために、友達がサバを乗せた寿司を握ってくれるのです。それがたまらなく美味しくて、おそらく忘れ難い食事だったのでしょう。私たちも、いろんな食事の思い出を持っています。それも大好きな人と食べたからこそ覚えているのでしょう。まして登場人物たちは貧困の中にいますから尚更なのでしょう。その大好きな友達との別れは辛いものです。父親の胸の中で泣いている主人公の姿に泣きました。思うに、貧乏や交通事故や、いろんなことが人生には起きますが、生きていること自体はこんなに幸せで美しいのか、ということを教えてくれる作品だと思います。そして人生に対する見方を変えれば、何が起ころうと、生きているだけで100%幸せであるということは、多分間違い無いと思いました。
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