「残念な気持ちになった」バブル rjmfさんの映画レビュー(感想・評価)
残念な気持ちになった
多分、私含め、多くの鑑賞者は映像美に何か大きな期待をして観に行ったのだと思う。
だからこそ、観終えた後の残念さがとてつもなく大きかった。
アニメは最近見ないので好まれる傾向とかあんまりよくわからないが、
海衹島(泡が浮かんでる)
+セイライ島(岩が浮かんでる)
+進撃の巨人(よく走ってよく飛ぶ)
+まどマギ(神になる)
みたいな印象だった。
まず大きいのが、展開が簡単に読めてしまう点。
正直、順当な結末を捨てて、大きくひっくり返してくれてもよかった。
個人的には別に人魚姫の物語に寄せなくてもよかったので笑ってエンディングを迎えてほしかった。
どんどん泡で消えていく体だけど、根源を消滅させて完全に元通りになった!でも全然よかった。
でも、そうしないで変化球を投げずに直球で消えた。
せめてもの救いは、物理的な人間の姿としては消えたけど、泡とこれからも一緒にいるよ、
的なことにしたことだろう。
ここで問題なのは、この限られた時間のなかで、いかにこの感動劇を鑑賞者に伝えることか
だと思うが残念ながらその手腕は本作には発揮されていなかった。そもそも手腕がないのかもしれないが・・・。
また、ヒロインがほとんど言葉を発さないという設定にしたのも自ら首を絞める結果になっていたと思う。
言語で伝えることに制約をかけると、音か映像でしか表現できない。
その2つを最大限活用し、最後までもっていけただろうか?
ここにおいても明らかに不足していた。
限られた時間内で、感情を誘うというのは難しいものなんだなと。
私はとても感動モノに弱いので、ちゃおの付録のDVDについてくるショートアニメ
だいたい15分前後のものでも号泣することがあるが、
そんな私でも一切泣けずに終わったのは上記のような理由だろう。
時間的な制約と、感動に向かうまでの手腕が不足していたことに加え、
やたら力を入れた映像がシナリオや音楽を引き離してしまい、
アンバランスな印象になってしまったのも大きいかと思う。
何事もバランスが大事なんだな。
誤解のないように補足するが、音楽もシナリオも悪いわけではない。バランスが悪かった。
出来栄えのいい映画は謎が吹っ掛けられると見終えたあとにいろんなことを考えて楽しいものだが、
今回の映画は謎こそあるが、思いのほか構成も中身もシンプルで、
語られていない謎をどうこう推察したところで表のシナリオに反映されないだろうから、
そのあたりの楽しみまでもない点においても残念と言えよう。