「絵は綺麗だけれども・・・・」バブル パライソさんの映画レビュー(感想・評価)
絵は綺麗だけれども・・・・
絵を描く人にとっては勉強になるアニメかなと思いました。
最近のアニメ映画に共通することですが、おどろくほど映像が綺麗です。
アニメ画と3Dが駆使され、細部まで丁寧に描かれていてすごいなと感動しました。
アクションやアングルもすごくよかったです。
ストーリー的にはよくわからなかったです。
私的には(業界人ではありませんが)ストーリーよりも企画書を見せられているような感覚でした。
メッセージ的には
「人魚をテーマにしよう」「”主人公の成長”、”恋愛”で幅広い層を狙おう」
ということはわかりました。
そこから、二次的に「人魚=水の世界」、「成長といえばバトル」というコンセプトが生まれ
人間と人魚が共存できる「泡によって荒廃した東京」というディストピアのような土地が加わり・・・
バブルとは???という設定が追加され・・・・
という商業的な側面が強烈でした。
商業的なことを排除すると、
バブル=泡=泡沫
海=生物誕生→その原子=泡?
生物は海から始まり、その原子を泡にたとえ、その元となる泡、つまり うた が化身として現れ荒廃した東京(人が溢れ海のように多すぎる東京?)に降臨し、救済する。
うたとひびきの恋もうたの消滅と共に泡沫に。
しかし、うたが生命の起源となる泡だとするなら、ひびきもいずれ死に魂になったとしたなら、その魂は渦の一部となり、渦の中なのか、輪廻転生
なのかいずれ会えるかも・・・
ということなのかなと思ったりしました。
ただ、色々詰め込んだり派生しすぎてボヤけた感が否めません。
最近のアニメ全般そうですが、映像が綺麗なのが当たり前になりすぎていて、コストがあがっているのか、やり直しがきかないのか・・・・どうも企画というか販売戦略というか、「こういうテーマなら受けるはず!」ということが強く出過ぎて、中身がなくなっているような気がします・・・
映像重視でストーリーはエンタメもしくは日常要素の強い恋愛やドラマ偏重のアニメにするか、哲学的なストーリーが先にあり映像がそれをサポートするアニメにするか、が曖昧だっだなと思います。
限られた時間の中では軸がいるんだなと思い知りました。
個人的には、映像のコストを抑えて、さほど凄い映像でなくとも、ストーリー重視であるほうが嬉しいなと思います。