「味がほとんどしないし、何をどう思っていていたらいいのか...」バブル スカポンタン・バイクさんの映画レビュー(感想・評価)
味がほとんどしないし、何をどう思っていていたらいいのか...
Netflix配信にて視聴。
これ、本編の感想以前の話として、Netflix配信を先にやって劇場公開というのはどういうことなのでしょうか?つまり、どういうマーケティング戦略から、これが有効であるという判断なのか、という事です。
近年は、劇場公開された作品をそう待たずに配信で観れるということから、劇場にあえて公開時に行くという人が確実に減っているわけで、それを逆に配信を先にするというのは、どれほどの劇場の興行成績を見越したものなのか。少なくとも配信で見てしまった人がわざわざ足を運んで観に行くまでなるというのはよっぽどのことでなければないでしょうし、配信で観ていない未見者が来るのだとしても、絶対に他劇場作品よりもその数は少ない事が前提なわけです。
そう考えると、根本的にこのやり方でどう稼げるのか、というのが分からないのです。これについては、誰か詳しい人がいれば教えてほしいです。
では、そもそもですよ。
よっぽど面白ければ映画館にもう一度でも観たいとなるわけです。そうすれば、マーケティングがどうこうとは関係なしに、成功する事だって全然あるわけです。
結論としては、そこがない事がこの作品の最大の問題なんだと思います。
話としては、東京パルクーラーズが日々ホップステップジャンプで、物資とか領土とかを奪い合うみたいな感じの世界でのボーイミーツガール?って事でいいのかと思います。
世界観はまぁー、「AKIRA」とか「天気の子」とかのラストの東京に泡玉をいっぱい浮かべたような感じです。
序盤の段階で言いたいことはいっぱいあるわけですが、ほとんどこの疑問や言いたいことは解消されずに終わりました。とにかく最初から最後まで思っていたのは、この映画内で終始描かれるパルクール戦のルールがよく分からないということです。ゴール旗を取れば勝ちの5人対5人のチーム戦なわけですが、まずスタートは5人でスタートじゃなくて、代表?が1人ずつスタンバイでスタートなわけです。そう考えると、その代表が旗を取らなきゃいけないルールなのかな?と思うと、旗を取るのはほとんど別の人(主人公)なんです。つまり、だとすると、これ「他の4人が旗近くですぐ取れるようにスタンバイしたら終わりじゃね?」とか思っちゃうんです。でも、なんか代表というか、その画面内で走ってる人を襲いかかるシーンとかしかなくて、両チームとも旗を取る事に全力とは思えないんです。特に、中盤の最新型立体機動装置をつけてる敵チームに関しては、「旗まで直線で進んだら終わりじゃね?」とずっと思っていました。
とまぁ、序盤から競技としてどう考えても成立してないであろう立体機動パルクールをどう思って観ていたらいいのかがさっぱり分からないのです。
次にボーイミーツガールについてです。あからさまに人魚姫の絵本を音読するという展開とテーマありきでしかないダサい演出はともかくとして、このウタという少女。というか、少女なのか、そもそも生き物なのかもよくわからないわけで。つまりは、彼女のバックグラウンド的な事がサッパリ分からないのです。本当に形ばかりのボーイミーツガール以上でも以下でもない。そんな希薄な人間?と関係で、彼女がピンチだか危機的状況だかになるわけですが、別に感情移入も何もないんですよ。思い入れる余地が全くないんです。
このように、メインであろう人間関係もパルクールもよく分からないし、スッカスカとしか言いようがないのです。
え?SF要素はどうなのか?泡ってなんなのかって?さぁ、なんなんでしょうね。w
映像アクションとしては、流石進撃の巨人監督というべきか、凄いものを見せてくれますが、だったら別に進撃の巨人で良くね?という感想になってしまいますね。
結局、何がしたかったのかといえば、おそらくこの泡玉アクションなんだと思うんですけど、それだけで1時間40分だかを引っ張るだけの力があるのかというと非常に疑問ですね。あまりにも、それ以外何もないので、本当に美味しく楽しめる要素がない。
良くも悪くも、声を挙げたいみたいな気持ちにはさせられない、虚無系な映画だなぁと感じました。
では、また。
U様
ご返信ありがとうございます。
私も後々調べて知りました。
ただ、確か私の記憶だと、例えばデイヴィッド・フィンチャー監督の「マンク」とかは、劇場でかけましたけど先行公開だったと思うんですよね。それだったらまだ、すぐに配信になるとはいえ、出来るだけすぐ観たいって人が出向くかもと思うんですけど、逆だとそういう人は配信を観ちゃうわけですよね。うーん。配信より後に公開する効果ってなんなんでしょうね。