「傑作!カオスの中から作品の真髄を拾い上げる作業は楽しい!」スパイダーマン アクロス・ザ・スパイダーバース やまちょうさんの映画レビュー(感想・評価)
傑作!カオスの中から作品の真髄を拾い上げる作業は楽しい!
前作は劇場公開時に映画館で観ました。もう、5年前になるのですね。待ってましたの続編です!
前作はスパイダーマンの初のアニメ、しかも主人公が有色人種(黒人?)だったり、女スパイダーマン?が登場するなど、鑑賞前は「奇を衒った際モノ、スパイダーマンとは別モノ」という印象が拭えませんでした。
しかし、映画開始10分でその偏見は超高速でぶっ飛ばされひっくり返され、結果、映画の世界に没入していった記憶が新しいです。
間違いなくスパイダーマン、それも傑作だったわけですね。
今回も前作から受け継いだ映像スピード、クールなアクション、想像の斜め上を行く脚本は映画冒頭から健在・・・いや、かなりバージョンアップしたかもしれません。
結果から先に言うと、間違いなくスパイダーマンの新作、かつ傑作です!
映像から得られる単位時間当たりの情報量が私、アラフィフの認知限界を遥かに超えてまして(笑)、正確な評価が出来ないのはご容赦いただきたいです!
前回は別次元からそれぞれ特徴的なスパイダーマンが登場し共闘しましたが、今作はマルチバース構想の広がりをみせ、日本の神々に並ぶくらい、まさに八百万(やおよろず)のスパイダーマンが登場します。その一部は早々にキャラ立ちし、敵味方も分別つかないまま大活躍だってするもんだからもうカオス全開!
しかし、ご安心ください!速度超過でもきちんと理解できます。高速道路でスピード慣れて次第に情報処理限界が上昇するみたいなイメージです。
さらに鑑賞者の理解度を深めるため、脚本、設定、演出的にも工夫がされている様です。
特に「スパイダーマンとして愛する人と離別(死別)する悲しい宿命、人々を助けるという使命、大切な人ほど身分を明かせないという孤独」など共通項は不変なため、こんなカオスでハイスピードな状況下でもストーリーに関わる重要項目は私みたいなボンクラでも「確実に拾い上げ、なんだったら先読みして理解可能」であるという点。
各スパイダーマンの置かれた境遇は微妙に違うが行動原理、信念は基本一緒というのはたぶんオールドファンとしても嬉しいし、彼らが互いに共鳴して共闘(時に反発も)するのは、胸熱展開必至なわけですよね。
ハイスピードかつカオスの中から作品の真髄を拾い上げる作業は本当に難儀で疲れました。初見じゃもしかしたら沢山の誤解やミスリードがあったかもしれません。だけど、その試行がリアルタイムで本当に楽しいと思った稀有な作品でした。
次回作が本当に待ち遠しいです。是非、ご鑑賞を!