「次回作に期待」スパイダーマン アクロス・ザ・スパイダーバース Ken@さんの映画レビュー(感想・評価)
次回作に期待
今回はネタバレなしのレビューが難しいので、具体的な展開を含めて語らせていただきます。
アニメ映画「スパイダーバース」の続編で、今回は2部作の前編にあたります。
前作の映像表現も凄かったですが、今作はより広いジャンルのアニメーションをミックスさせた盛りだくさんな内容になっていました。アジアンテイストのスパイダーマン・インディア、ギターを武器にして戦うスパイダーパンクに加え、レゴのスパイダーマンも登場して驚きました。さらに、実写映像も入っており、スポットがヴェノムに登場したコンビニで働くチェンと出会う所では衝撃を受けました。
本編には笑えるシーンも多く、私が行った劇場内で度々観客の笑い声で溢れていました。特に、マイルスが持ってきたケーキの文字が「I'm not proud.」になっていたり、マルチバースのスパイダーマンたちがお互いに指をさしている場面では、私も声を抑えられないぐらい笑ってしまいました。
グウェンは前作以上に出番が増えており、もう一人の主人公として活躍していた印象を受けました。バンドメンバーとうまく噛み合わず、父をうまく説得できないなど、彼女は悩める若者としての描写が多かったため、とても共感しやすいキャラになっていました。マイルスも、彼女に負けないぐらいの見せ場が用意されていて安心しました。彼がヒーローと日常生活の両立で苦戦する姿は、街の平和を守る大変さがしみじみと伝わってきました。また、「愛する人の死」というスパイダーマンになる人全員が避けられない運命に左右されず、自分で道を切り拓いていこうとする前向きな姿勢から勇気をもらいました。
映像表現としては1作目よりも向上していましたが、前編だけで物語を評価するのは難しいところです。来年公開予定の「ビヨンド・ザ・スパイダーバース」でどんな結末を向かえるのか、それによって今作の出来が大きく変わりそうな感じがしました。ラストで闇落ちしたアース42のマイルスが登場した時は「一体、どうなっちゃうの!?」と思うぐらい次回作が待ち遠しくなりました。それと、ペニーパーカーも少しだけ登場していましたが、次作でグウェン達とどんな活躍をするのかにも期待したいです。
ちなみに、今回はドルビーシネマで観ました。色鮮やかなアニメーションと縦横無尽に駆け巡るサウンドで迫力が増していました。特に、沢山のスパイダーマンがスイングする場面は、観ているだけでもアトラクションに乗っているような爽快感があり、本作との相性がかなりマッチしていて最高でした。