「続編が待ち遠しい」スパイダーマン アクロス・ザ・スパイダーバース がばちょうさんの映画レビュー(感想・評価)
続編が待ち遠しい
予備知識は前作と、幼少期に見た東映版と、平成以降の映画版3シリーズだけ。
アニメは日頃あまり見ない。
そんな四十代半ばによる感想です。
ーーーーーーーー
まずは映像。なんなら宇宙人がもたらしたオーパーツか何かで作られているのでは、そう思えてしまう位のハイセンスかつハイクオリティなCGアニメ。一体どんな脳の作りをしてたら、こんなのを思い付き具現化できるのか。すごい。
その反面、あまりの美麗さによる目のチカチカや、三半規管への刺激は中々の物。そんなシーンの後にはしっかり静的な構成が配置されているので、引き摺る事はありませんでしたが。
※刺激に弱い方は後方での鑑賞がオススメ。自信のある方は前寄り中央でしっかり没入するのが良いと思います。
キャラクターについては、なんせ登場キャラのほとんどがスパイダーマン、混乱しないか不安ではあったけど、各々の個性が良く描き分けられていて、詳しくない自分でもほとんど混乱せずに済みました。可能なら前作は見といた方が良いかもですが。
米国の歴史と共に歩み、長年愛されて来たシリーズなので、米国内のファンからの思い入れにしっかり応えねばならないプレッシャーや責務もあるだろう。それなのに、前述の通り予備知識に乏しい日本人の自分にも、エンタメ的にも文化的にもしっかり理解でき、違和感なく楽しめる作品に仕上がってるのって、とても素晴らしく、すごい事なのかも。
その辺り、制作サイドのバランス感覚が絶妙なのではないかな。
時に、この手の作品にありがちな、愛や思い入れの空回りでウザくなりそうな場面も見られたが、それもさじ加減ひとつで踏みとどまり、回避していたように思います。
そんなこんなで、結論。
いやあ、面白かった。文句なし。
ひとつ不安点があるとすれば、流行りの「マルチバース」や、人気シリーズならではの蓄積された歴史について、惜しげも無くネタとして、しかも手加減抜きの全力で消費しているので、これらを撃ち尽くした時に、次回作に装填する弾があるのかなあと。
その辺り、また絶妙なさじ加減で乗り切ってくれると信じつつ、続編を心待ちにしたいと思います。