「映像は見応えがあるが話がモタつく」スパイダーマン アクロス・ザ・スパイダーバース tomatoさんの映画レビュー(感想・評価)
映像は見応えがあるが話がモタつく
前作同様、3DのCGアニメーションでありながら、限りなく2Dのセル・アニメーションに寄せた作りからは、原作コミックとの親和性の高さが感じられるし、芸術的とも言える美しくてダイナミックな映像に引き込まれる。
今回は、マイルスだけでなく、グウェンの物語にも大きな比重がかけられており、そこから、すべてのユニバースに共通する、スパイダーマンであることのルールのようなものが明らかになる。
それと同時に、マイルスがスパイダーマンになった経緯や、雑魚キャラであると思われたスポットや、前作で倒したはずのプラウラーに関する衝撃的な事実も用意されていて、多くの情報と目まぐるしい展開にクラクラする。
ただし、マイルスにしても、グウェンにしても、独り立ちしようとする子供と、彼らを送り出そうとする親の葛藤が大きなテーマになっていることは分かるのだが、それを描くのに、あまりにもモタモタし過ぎているのではないか?
こんなことで、盛り沢山の物語を決着させることができるのだろうかと疑問を抱き始めた矢先、いきなり「次回に続く」となり、その尻切れトンボぶりに驚く。
「ワイルド・スピード/ファイヤーブースト」の時もそうだったが、タイトルに「前編」とか「PART 1」を付けるなどして、予め二部作とか三部作であることを明らかにすることはできないものだろうか?
当然、次回作は楽しみだが、期待感によるワクワクだけでなく、不完全燃焼によるモヤモヤも少なからず感じてしまった。
コメントする