「理解が追い付かない」スパイダーマン アクロス・ザ・スパイダーバース TWDeraさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5理解が追い付かない

2023年6月16日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

前作『スパイダーマン スパイダーバース』を劇場で観たとき、とても大きな衝撃を受けました。今作は「それ以上」と言う前評判を聞いていましたが、果たして?
相変わらず素晴らしい映像美で、キャラクター毎の世界観を圧倒的なスピード感とそれぞれの味で語られるストーリー。もう想像を遥かに上回っています。正直、あまりの斬新さに頭がついていけてないところも少なからずあったのですが、メインキャラクターである若い「マイルスとグウェン」の思いが伝わる胸アツな展開に、特に後半は涙腺刺激ポイントがつるべ打ちです。
特に今作で知るグウェンのストーリーから「彼女の魅力」がより強く感じられますが、それにはヘイリー・スタインフェルドの声と彼女のヴォイスアクトの力量の高さも大きな要因だと思います。マイルスと惹かれ合いながら、お互いに感じる共通する境遇、また自身がスパイダーであること親子関係の悩ましさ、そしてそれぞれが選ぶ(茨の)道に見る二人の成長に「親になったことのない私」も感情が強く揺さぶられます。
さらに、中盤以降に明らかになる「(皆それぞれが)スパイダー」であることの理由、そして、ある「秘密」が明らかになった後の展開はまさにカオスで、あまりの「登場人物」の多さに理解が追い付かなくなりそうですが、そこは惑わされることなく頑張って「メインキャラクター」に集中しましょう。(いやぁ、とは言え観直したい。。)
それにしても、昨今いろんな作品で扱われる「マルチバース」という世界の表現として、どうしてかは巧く説明できませんが、何故か本作はしっくりきてむしろ不思議な感覚です。(『ロキ』と何が違うんだ?w)おそらくは前作同様に、今後の作品に「大きな影響を与える作品だった」と後々に実感できる日がくるんじゃないでしょうか。
0.5の減点は、やはり理解が追い付かないくらいの複雑さ。それってお前の理解力の問題だろうと思われるかもしれませんが、逆に本作を一度観ただけで全てを理解できる人がいるとは思えないほどの新しさで、むしろ、続編まで何度観ても新しい発見をして楽しめる作品だと思います。感動必至です。

TWDera