ロスバンドのレビュー・感想・評価
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チェロでベースは難しいぞ!!
ロック大会に参加すべくキャンピングカーで旅をする少年バンドの珍道中のお話。
両親の不仲に悩む言いたいことを言えないDr君、彼の親友でギターは上手いけれど自覚のない音痴君なGt,Voが組む2ピースに、オーディションにやって来た9歳のボッチなチェリスト少女を加えたロスバンドが、町のガレージの次男坊で親の意向でラリーをやっている少年の運転する車で、ノルウェー南部のヘドマルクから、凡そ1400㎞離れたノルウェー北部のトロムソを目指していく。
乗せて下さいっ!の割に謙虚さの欠片もない女性に始まり、家出騒動に車を取り返そうとする兄貴だったりとドタバタ展開を繰り返しつつ、4人の秘密がみえてきたり絆が深まっていったり。
音楽要素もありつつの少年達を題材にした愉しく爽やかなコメディでテンポも良くて楽しかった。
ロック、友情が描かれるロードムービーにハズレなし!
ロック、成長、友情、親との確執が描かれていて、しかもそれがロードームービーだっていうんだから期待してしまう。
親の不仲に悩むドラムと音痴のギターだけのバンドだったが、大会で演奏するためにベースを入れようとするところから始まる。オーディションに現れたのは9歳の少女。そして大会の会場に行くための車と運転を依頼した青年の4人で旅を始める。
トラブルにあったり、コンプレックスや悩みを語り合いながら、お互いのことを理解していく。ロードムービーとして王道の展開。皆、親や兄弟、そして友達づくりについて悩んでいる。どの世界でも少年少女の悩みは共通している。青春だ。
最後の大会での演奏もヤキモキさせながら、しっかり感動させてくれた。4人が4人ともちゃんとしたエピソードがあるが、どれもきちんと解決したわけではない。事件になったアレは大丈夫だったの?とか、不仲な両親はそう簡単には元に戻らないよなとか考えてしまう部分もある。エンドロールで映し出されるものも中途半端と言えるかもしれない。
でも、それでも問題はない。悩んでいた彼らにとって周りのことがどうなっていくのかよりも、自分がどうするかが大事だから。彼らのがんばりと絆に涙してしまった。
ロック、友情が絡んだロードムービーにハズレはない!(暴論)
今年上半期ベスト5入り…かな?
今年39本目(合計312本目/今月(2022年2月度)11本目)。
私はシネマート心斎橋さんで観たのですが、少なくとも1月には「ロスバンド」の「ロ」の字もなく、「文科省選定」(今は推薦をいただいています)という事情から、急遽放映が決まったのだと思います。このような特殊な事情から、放映されている映画館が極めて少ない(というより、2館しかない?)状況なので、できるだけネタバレは少なめに。
ノルウェーのある田舎といえる街で過ごす少年2人は、ノルウェー北部(トロムソ、ノルウェーでも人口9位。人口7.7万ほど)で催されるロックバンドの大会の決勝戦に招待されます。しかし、バンドにいわゆる「ベーシスト」がおらず、探さなきゃ…と思っていたら、ちょうと良い、チェロ奏者のティルダ(9歳/女性)と一緒に、また、車を運転できる人と一緒にさぁ出発だ…と思ったら…。あれ?勝手に出発してもいいの?会社のことは?そもそもみなさん未成年ですよね?お金のことはどうしますか??というトラブルがどんどん起きていきます。彼ら彼女たちはそれを克服して、舞台となるトロムソ(ここは、天文学的にも有名。オーロラが見られるため)に向かっていくことになるのです。
どうも「文科省推薦」は急遽決まったのか何なのか、かなり公式ツイッターアカウントも「騒がしい」状況なのですが、それでもこの映画、よくできています。ノルウェー大使館のアカウントの方も推してくださっているように、きわめて正確に描かれています。
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・ ノルウェー南部から、北部(日本でいえば、沖縄→東京にほぼ匹敵する)量を自動車で移動? → ノルウェーの自然が見える
・ ノルウェーでカラオケ? → ノルウェーはヨーロッパの他国よりも、日本語教育や日本語を学習して日本に行きたい(もっとも、このご時世ですが…)という学生さんが多い国で、親日国と言えます。そのため、「KARAOKE店」まで登場します。
・ チェロを操るティルダ → 設定上は9歳の女の子ですが、芯の強い子です。一説によれば、チェロは人の声と最も近い声を出せると言われます。このチェロそのもののサイズとさしてかわらない大きさを操るのが、彼女、ティルダです。
なお、人名としては thilda となっていますが、スカンジナビア半島(3国)では一般的によくある名前で「人の強さ」を意味する女児名として、ノルウェー・スウェーデンでは年によっては「女児の名付けベスト●●」(日本にもありますよね)にも登場するくらい、今ではメジャーな名前になりました(ノルウェーでは、スウェーデンから少し遅れて「流行り」が始まった模様)。
・ あれ?ノルウェー映画なのにスウェーデンの方も出てくる? → スカンジナビア三国ですからね。「人の一生を祝う、あるイベント(日本では、通常、20歳以上で扱う)」に登場する男女お2人(←ヒントかも)は、スウェーデンの方です。しかし、ノルウェー語とスウェーデン語はかなりの互換性があるとされるので、一般的な会話なら問題なくできるとされます。映画内でも別言語扱いされていない( 《~~》で囲まれていない )のも、このためかな、と思います。
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そして、いろいろなトラブルを「とりあえず」回避して、トロムソで決勝戦に挑む彼ら・彼女たちには何が待ち構えているのでしょうか…?
おっと、ここはネタバレになるから回避しましょう。
そうですね。まだ今年は10か月あるし、上半期だけでもあと4か月半あるけど、上半期だけならベスト5には入るのでは…という印象です。それは、「文科省が推薦したから」という理由ではなく、実際に見て、「なるほど、これは良いな」と思ったものであって(文科省なりの行政が単に推薦するから良い映画だと無批判に考えるのは、行政書士試験合格者としては、したくないのです)、ノルウェーという、日本では「あまり」なじみがない(日本の世界史でも大半出てこない。カルマル同盟くらい)ノルウェーを舞台にしつつ、日本ネタをこっそりいれながら、「子供の成長」などを正確に扱った映画として極めて評価に値すると思います。
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(加点2.0) 上記に触れた通りで、単なる「音楽ネタの映画」ではないんですね。ノルウェーという国自体があまり知られていないという点で「逆ハンディ(=ボーナス)」があるのかもしれませんが、文科省推薦というのはウソではなく、誰が見ても本当に楽しめるし、良い気持ちになるし、今、音楽に興味を持ち「かけている」子に背中を(親御さんが)おせるといった内容を含んでいます。
また、このコロナ事情の中、ノルウェーの自然を見ることができた点も極めてよかったし、より詳しく知りたいなと思えばパンフ(700円)。こちらも良心的な値段ですし、さらに詳しく描かれています(なお、権利の関係があるので、パンフレットからの引用は原則していません)。
(減点0.1) 一方で、映画内では「自動車での運搬が5000(ノルウェー)クローネだ」という発言が突然登場します(なお、「クローネ」は結構使われている単位です。クローネ=Krone で、元はといえば、今おなじみの「コロナ」=「王冠」と同じ語源に帰着します)。しかし、「5000クローネ」と言われても、日本円でだいたいいくらか…というのはあまり想定がつきません。
ストーリーも中盤になると「ある大会の参加費が250クローネ」と言っているところがあるところ、日本での「その大会の参加費」はだいたい2500円~3000円くらいが相場なので、だいたい1クローネが10円~15円くらいかなという「あたり」がつきますが(なお、今日=2022年2月12日時点で、1ノルウェー・クローネは13.06円)、ここはもう少し、序盤でコンビニでも何でも良いのでシーンを挟んで「"日常的な"クローネの相場観」がわかるようにしたほうが良いのでは…と思いました。
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今は、東京と大阪だけですが、今後広まることが告知されていますし、多くの方に見ていただければ…という映画です。とても好印象です。
パンフレット、とても良いですよ。ノルウェーの魅力や文化など、知ることができます。
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