ロスバンドのレビュー・感想・評価
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温かく優しい気持ちになった
観るだけで、優しく幸せな気持ちになりました。
少年少女の青春が詰まったストレートな作風で、『リトル・ミス・サンシャイン』と『スタンド・バイ・ミー』『グッバイ、サマー』のいいとこどりみたいなロードムービー。
4人のメイン登場人物(子どもたち)全てが愛おしい。 疲れた私の脳みそを、フニャッとほぐしてくるたみたいなぬくもりでいっぱいでした。
何度か観直したいから、配信に来ないかなぁこれ。
やっぱり斜め左後ろの席の娘だよね
スカンジナビア半島の先端のノルウェーの田舎町からトロムソというさらに緯度の高い町でのロックバンドコンテストの出場権を得た少年二人組のグリムとアクセル。アクセルはクラスの人気者のリンダの気を引こうと必死。ギターとドラムのツーピースバンド。ギターのアクセルがボーカルも受け持つ。練習はグリムの家の大きなガレージ。冒頭、グリムのノートパソコンに音程修正ソフトウェアなるものがちらっと写る。あー、そうゆうカラクリなのね。なるほど。音痴のボーカルに悩まされているドラムの悩みは痛いほどよくわかる。しかし、幼なじみのアクセルに遠慮して言えないグリム。ベースがいないから音の厚みが出ないんだと言うアクセル。ベーシストのオーディションを行うことに。応募してきたのは学校の中では友達のいない9歳のチェリストの女の子のティルダ。
彼女!神童なんですわ。アクセルの歌に顔をしかめる仕草もかわええ。
近所のモーターショップの次男で運転の上手いお兄ちゃん、マッティンに5000クローネで連れて行ってと頼む。マッティンは若い頃のブラピ似のイケメンなのよ。
よっ、北欧のブラピ❗
。
この4人がキャピングカーでトロムソを目指す。マッティンがバンド名 Los Bando Immortale のカーボディペイントをたった小一時間で仕上げて、迎えに来たのには感心しましたね。両親に見送られて出発。四人の珍道中が最高。途中、スウェーデン、フィンランドとの国境を跨いで行くルート。北欧3国には国境はあってもいちいち検問やパスポート提示は要らないみたい。おおらかです。素晴らしい景色。
英語だと The Immortal Band
日本語だと【不朽の名バンド】でしょうか。
とても楽しい映画。
なのにちょっと泣いちゃった。
北欧の青春音楽映画にハズレなし。
デスメタルの花嫁さんもバンドメンバーに入れてあげよ~よ。
シネマカリテの最前席の真ん中で堪能させていただきました。
番狂わせ
自分は普段ミニシアターで働いているのですが、休憩中に先輩の方からこの映画の事を教えてもらいました。バンドが大好きなので、こういうフィクションのバンドのロードムービーって久しぶりだなと思い、少し足を伸ばして映画館へ。
最っっっっ高でした!まさかここまでとは…!この映画が4年も封じ込められていたなんて勿体ない!いやでも時間がかかってもこの作品を観れたことに感謝すべきか…!
バンドメンバーが最初は2人でどんどん集まっていき、最後の最後で形になるという王道ながら良いストーリーでした。ギター・ボーカルのアクセルギターはは確実に上手なのに歌がとっても酷い、しかもタチが悪い事に当人は気づいていないという見事なまでに共感性羞恥を体現したかのような人物です。しかも面白いくらいポジティブで、それが裏目に出て好意を抱いている子に鬱陶しがられるというとても哀愁に満ちた子でもありました。そんなアクセルと共にバンド活動を続けてきたグリムはかなりの苦労人で、音痴な歌を編集したり、音痴な歌に耐えたり、面倒くさい両親に挟まれたり、と序盤だけでもその大変さがひしひしと伝わってきました。その2人のバンドのベースポジションにチェロを持って入ってくるのが9歳のティルダ。このティルダがとにかくキュートで、9歳とは思えない落ち着きっぷりを見せつつも、道中ロックを聴くと自然とシャウトしたり、アクセルの歌に顔を顰めたりと、子供っぽさも持ち合わせていて今作のMVPは彼女に授けたいです。そしてやさぐれ運転手のマーティン、彼は物語が進んでいくごとにどんどん成長、というか頼れる兄貴分になっていきます。現実にあんな人がいたらもうイチコロですよ。
と、メインの登場人物だけでもお腹いっぱいなのに、すぐ喧嘩しちゃうグリムの両親、荒っぽい&キレやすい、その上近くを通った子供から小型自転車を奪い取るマーティンの兄、結婚式に間に合わない事に焦り、マーティンの車のフロントガラスに飛びついたり、クスリを飲んでハイになったり、ヘビメタを熱唱したりする花嫁、カラオケ大会で一見北斗の拳の世界線にいそうなのにめっちゃ気前のいいおじさんだったり、退職日に限ってめちゃくちゃ不幸に見舞われる警官と、背景の人物たちもこれでもかというくらいキャラ立ちしています。よって全員好きです!
バンドの大会に出場するため集まった親友同士の2人と9歳の少女、まさかの無免許ながらも運転手を買って出た青年のロードムービーというのもまた面白く、道中ドタバタトラブルに見舞われますが、ちゃんと理想と現実を分けて考えて前へ前へたまに後ろに戻りながらも前へと進んでいく姿がとても愛おしかったです。アクセルがとにかく後悔しているシーンが多いですが、彼が1番今作で成長しているなーと思いました。マーティンも一度捨てた夢を歌でまた切り開いていく姿もかっこよかったです。
物語の終わりも次への旅支度をするというのも自分好みの終わり方でした。
何故このような傑作が4年近く公開されず、その上小規模も小規模な公開規模なのかと思ってしまいました。もっともっとこの楽しい映画よ広まれ〜!
鑑賞日 2/13
鑑賞時間 13:35〜15:15
座席 E-9
チェロでベースは難しいぞ!!
ロック大会に参加すべくキャンピングカーで旅をする少年バンドの珍道中のお話。
両親の不仲に悩む言いたいことを言えないDr君、彼の親友でギターは上手いけれど自覚のない音痴君なGt,Voが組む2ピースに、オーディションにやって来た9歳のボッチなチェリスト少女を加えたロスバンドが、町のガレージの次男坊で親の意向でラリーをやっている少年の運転する車で、ノルウェー南部のヘドマルクから、凡そ1400㎞離れたノルウェー北部のトロムソを目指していく。
乗せて下さいっ!の割に謙虚さの欠片もない女性に始まり、家出騒動に車を取り返そうとする兄貴だったりとドタバタ展開を繰り返しつつ、4人の秘密がみえてきたり絆が深まっていったり。
音楽要素もありつつの少年達を題材にした愉しく爽やかなコメディでテンポも良くて楽しかった。
ロック、友情が描かれるロードムービーにハズレなし!
ロック、成長、友情、親との確執が描かれていて、しかもそれがロードームービーだっていうんだから期待してしまう。
親の不仲に悩むドラムと音痴のギターだけのバンドだったが、大会で演奏するためにベースを入れようとするところから始まる。オーディションに現れたのは9歳の少女。そして大会の会場に行くための車と運転を依頼した青年の4人で旅を始める。
トラブルにあったり、コンプレックスや悩みを語り合いながら、お互いのことを理解していく。ロードムービーとして王道の展開。皆、親や兄弟、そして友達づくりについて悩んでいる。どの世界でも少年少女の悩みは共通している。青春だ。
最後の大会での演奏もヤキモキさせながら、しっかり感動させてくれた。4人が4人ともちゃんとしたエピソードがあるが、どれもきちんと解決したわけではない。事件になったアレは大丈夫だったの?とか、不仲な両親はそう簡単には元に戻らないよなとか考えてしまう部分もある。エンドロールで映し出されるものも中途半端と言えるかもしれない。
でも、それでも問題はない。悩んでいた彼らにとって周りのことがどうなっていくのかよりも、自分がどうするかが大事だから。彼らのがんばりと絆に涙してしまった。
ロック、友情が絡んだロードムービーにハズレはない!(暴論)
今年上半期ベスト5入り…かな?
今年39本目(合計312本目/今月(2022年2月度)11本目)。
私はシネマート心斎橋さんで観たのですが、少なくとも1月には「ロスバンド」の「ロ」の字もなく、「文科省選定」(今は推薦をいただいています)という事情から、急遽放映が決まったのだと思います。このような特殊な事情から、放映されている映画館が極めて少ない(というより、2館しかない?)状況なので、できるだけネタバレは少なめに。
ノルウェーのある田舎といえる街で過ごす少年2人は、ノルウェー北部(トロムソ、ノルウェーでも人口9位。人口7.7万ほど)で催されるロックバンドの大会の決勝戦に招待されます。しかし、バンドにいわゆる「ベーシスト」がおらず、探さなきゃ…と思っていたら、ちょうと良い、チェロ奏者のティルダ(9歳/女性)と一緒に、また、車を運転できる人と一緒にさぁ出発だ…と思ったら…。あれ?勝手に出発してもいいの?会社のことは?そもそもみなさん未成年ですよね?お金のことはどうしますか??というトラブルがどんどん起きていきます。彼ら彼女たちはそれを克服して、舞台となるトロムソ(ここは、天文学的にも有名。オーロラが見られるため)に向かっていくことになるのです。
どうも「文科省推薦」は急遽決まったのか何なのか、かなり公式ツイッターアカウントも「騒がしい」状況なのですが、それでもこの映画、よくできています。ノルウェー大使館のアカウントの方も推してくださっているように、きわめて正確に描かれています。
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・ ノルウェー南部から、北部(日本でいえば、沖縄→東京にほぼ匹敵する)量を自動車で移動? → ノルウェーの自然が見える
・ ノルウェーでカラオケ? → ノルウェーはヨーロッパの他国よりも、日本語教育や日本語を学習して日本に行きたい(もっとも、このご時世ですが…)という学生さんが多い国で、親日国と言えます。そのため、「KARAOKE店」まで登場します。
・ チェロを操るティルダ → 設定上は9歳の女の子ですが、芯の強い子です。一説によれば、チェロは人の声と最も近い声を出せると言われます。このチェロそのもののサイズとさしてかわらない大きさを操るのが、彼女、ティルダです。
なお、人名としては thilda となっていますが、スカンジナビア半島(3国)では一般的によくある名前で「人の強さ」を意味する女児名として、ノルウェー・スウェーデンでは年によっては「女児の名付けベスト●●」(日本にもありますよね)にも登場するくらい、今ではメジャーな名前になりました(ノルウェーでは、スウェーデンから少し遅れて「流行り」が始まった模様)。
・ あれ?ノルウェー映画なのにスウェーデンの方も出てくる? → スカンジナビア三国ですからね。「人の一生を祝う、あるイベント(日本では、通常、20歳以上で扱う)」に登場する男女お2人(←ヒントかも)は、スウェーデンの方です。しかし、ノルウェー語とスウェーデン語はかなりの互換性があるとされるので、一般的な会話なら問題なくできるとされます。映画内でも別言語扱いされていない( 《~~》で囲まれていない )のも、このためかな、と思います。
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そして、いろいろなトラブルを「とりあえず」回避して、トロムソで決勝戦に挑む彼ら・彼女たちには何が待ち構えているのでしょうか…?
おっと、ここはネタバレになるから回避しましょう。
そうですね。まだ今年は10か月あるし、上半期だけでもあと4か月半あるけど、上半期だけならベスト5には入るのでは…という印象です。それは、「文科省が推薦したから」という理由ではなく、実際に見て、「なるほど、これは良いな」と思ったものであって(文科省なりの行政が単に推薦するから良い映画だと無批判に考えるのは、行政書士試験合格者としては、したくないのです)、ノルウェーという、日本では「あまり」なじみがない(日本の世界史でも大半出てこない。カルマル同盟くらい)ノルウェーを舞台にしつつ、日本ネタをこっそりいれながら、「子供の成長」などを正確に扱った映画として極めて評価に値すると思います。
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(加点2.0) 上記に触れた通りで、単なる「音楽ネタの映画」ではないんですね。ノルウェーという国自体があまり知られていないという点で「逆ハンディ(=ボーナス)」があるのかもしれませんが、文科省推薦というのはウソではなく、誰が見ても本当に楽しめるし、良い気持ちになるし、今、音楽に興味を持ち「かけている」子に背中を(親御さんが)おせるといった内容を含んでいます。
また、このコロナ事情の中、ノルウェーの自然を見ることができた点も極めてよかったし、より詳しく知りたいなと思えばパンフ(700円)。こちらも良心的な値段ですし、さらに詳しく描かれています(なお、権利の関係があるので、パンフレットからの引用は原則していません)。
(減点0.1) 一方で、映画内では「自動車での運搬が5000(ノルウェー)クローネだ」という発言が突然登場します(なお、「クローネ」は結構使われている単位です。クローネ=Krone で、元はといえば、今おなじみの「コロナ」=「王冠」と同じ語源に帰着します)。しかし、「5000クローネ」と言われても、日本円でだいたいいくらか…というのはあまり想定がつきません。
ストーリーも中盤になると「ある大会の参加費が250クローネ」と言っているところがあるところ、日本での「その大会の参加費」はだいたい2500円~3000円くらいが相場なので、だいたい1クローネが10円~15円くらいかなという「あたり」がつきますが(なお、今日=2022年2月12日時点で、1ノルウェー・クローネは13.06円)、ここはもう少し、序盤でコンビニでも何でも良いのでシーンを挟んで「"日常的な"クローネの相場観」がわかるようにしたほうが良いのでは…と思いました。
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今は、東京と大阪だけですが、今後広まることが告知されていますし、多くの方に見ていただければ…という映画です。とても好印象です。
パンフレット、とても良いですよ。ノルウェーの魅力や文化など、知ることができます。
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