「初期のコナンが戻ってきた雰囲気」名探偵コナン ハロウィンの花嫁 翔翔さんの映画レビュー(感想・評価)
初期のコナンが戻ってきた雰囲気
良かった点
1、犯人の個性が良い
今回の映画がかなりメルヘンな内容だが犯人もぶっ飛んでいて面白い。
最後の豹変ぶりやアクションなど個性が際立っていた。
2、ゲストキャラのバッグストーリー
今回のゲストキャラである謎のロシア人、エレニカ。
個人的にこのキャラのストーリーや描写はとても良かった。
感情移入もしやすく純黒のゲストキャラ、キュラソーと並ぶくらい良いキャラになっていた。
3、音楽の良さ
今回はとにかく音楽がとても良い。
アダルティなメインテーマ、優雅なBGM、アレンジされた「キミがいれば」どれも近年で一番クオリティの高い音楽が最高。
4、バランスの良さ
今回はアクション、サスペンス、ラブコメが均等に割り振られていて初期のコナンを思い出させる作品。
これは人によりだが偏りとかもなく綺麗にまとまった内容だった。
5、小ネタの数々
脚本が大倉さんということもあってコメディが去年よりも盛り込まれているがスピンオフなどのネタなどもあって全体的に重い主体の話のいい中和剤となっていた。
6、ハロウィンならではの鮮やかさ
今回は音楽はもちろん色彩もかなりクオリティが高かった。
首輪爆弾の液体、爆発の色、クライマックスの渋谷の鮮やかさ。
アクションがないところでも華やかさや派手さがあり見てて飽きなかった。
7、コナンのカッコ良さ
近年はコナン✕メインキャラの構図で一番の活躍などを他のキャラに取られるようなことが多かったコナンだが今回は最初から最後まで活躍していた。
少しキザなカッコついた動作や言動、エレニカとの掛け合いなどコナンのカッコ良さが目立っていたのが最高に良かった。
微妙な点
1、犯人の分かりやすさ
全体的な内容は良かったのだが犯人が誰なのか個人的に直ぐに分かってしまった。
もちろんそれでもサスペンスとして機能していたがゼロの執行人のような本格サスペンスが欲しい人には微妙かもしれない。
2、盛り上がりに欠ける展開
重苦しい話や緊迫感のある展開が盛り込まれてる本作だがギャグをかなり入れてるせいで盛り上がりに欠けてしまった雰囲気がある。
シリアスはシリアス、ギャグはギャグとしっかり分けて欲しかった。
3、アクションや爆発力の微妙さ
近年に比べるとアクションが少ない雰囲気。
もちろん人間離れアクションはあった訳だが純黒やゼロ、紺青などのぶっ飛びアクションに比べると今作のアクションは微妙に感じてしまった。
「アクションが見たい!」「派手な展開が見たい!」という気持ちで行きたい人は今作はいまいちの評価になると思う。
4、数人のキャラの雑な扱い
今作はキャラ数がかなり多いゆえに何人かのキャラの扱いが雑になってしまった印象。
特に小五郎などは身を挺して灰原を守ったのにフォローも特になしで終わるなど「雑じゃないか...?」という部分があるのが残念。
総評
原点回帰を目指したと感じる今作の内容。
全ての要素が丁度良く盛り込まれゲストキャラの良さなど良作と言っていいと思う。
次回作は個人的に純黒、ゼロレベルで凄まじいことが起きるのではないか...と既に期待している。