ヘルドッグスのレビュー・感想・評価
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原田・岡田コンビの3作目
監督・原田眞人、主演・岡田准一のコンビで3作目となる作品でした。1作目「関ヶ原」(2017年公開)、2作目「燃えよ剣」(2021年公開)、そして本作になる訳ですが、戦国時代、幕末と来ての現代劇となり、次回作は未来なのかなと思ったりしました。
冗談はさておき、岡田准一主演の現代のアクション映画と言えば、「ザ・ファブル」(2019年公開、続編が2021年公開)シリーズがありますが、コメディタッチの「ザ・ファブル」と違い、本作の岡田准一は、「関ヶ原」で演じた石田三成、そして「燃えよ剣」で演じた土方歳三同様、ほぼ全編に渡って眉間に皺寄せたしかめっ面で演じられていました。そんな訳で非常に暗いタッチで物語が進んでいきますが、最終的にはカタルシスが得られる創りとなっており、最終的に敗者となった1作目、2作目と異なっていました。別に物語が連続している訳ではないのでいいのですが、どうせなら敗者の美学を描くシリーズにしても良かったのかなと思わないでもありませんでした。
ただ本作の見どころはやはりアクションシーンであり、特に格闘シーンは見事なもので、非常に見応えがありました。
いずれにしても、なんのかんの言っていながらこのコンビ作品はずっと観てるので、次回作にも期待してます。
想定外
妻が七人の〇〇を観たいと言っていたのでそうしようと思っていた。
しかし、映画に繋がるというTVスペシャルが酷すぎて一気に萎えた。
本作は汚らしく古めかしいやくざ映画との認識だったのでBDで十分と思っていたが、
代替案として急遽足を運んだ。
いやいや、汚らしく古めかしいなんてとんでもない。
スタイリッシュでとにかくかっこいい。
岡田准一は言うに及ばず、彼が霞んでしまうほど全てが見事にフィットしていた。
必ずどこかに穴があって引っかかってしまうのが常だが、本作は全くなし!
特に印象に残ったのが女性の殺し屋。
アクションはスタントなのだろうか、しなやかで美しかった。
日本映画でこういう感覚は珍しい。
久しぶりにエンターテイメントを堪能した。
何度外してもこういう作品に出会えるから映画館通いはやめられない。
バイオレンス、アクションの傑作
原作未読で一切の予備知識無しで鑑賞しています。
まず本作品はヤクザ物なのですが、ちょうどよく現代風にアレンジされているため古臭さは全く感じませんでした。
主人公は昔起きた事件で、自分への絶望から闇堕ちした元警察官で、正義と闇の両方を抱えています。
あるきっかけで潜入捜査のためヤクザ組織に潜入して成り上がっていくのですが、ヤクザ組織や相棒に心惹かれてながらも、目的達成の為潜入捜査を続けています。
物語全体に、うっすらと暗い影や悲しみを感じ、バイオレンスとグロが強烈なのですが、バディ物の側面もあって、不思議と嫌悪感なしに最後まで視聴できました。
アクションもリアリティがすごく、本当に痛そうに見えます。
この感覚はブルースリーの映画に近い感覚でした。
バイオレンス、グロがどうしてもダメでなければおすすめできます。
期待以上
惨さより、気品を感じる
現実的でないからいい
個人的には理解不能
岡田君のアクションが見たくて鑑賞しました。
ストーリー、暴力、特殊な世界とか全く理解出来ないし、そういう意味では楽しめなかったけど、
アクションのスピード感は良かった。
ところどころ、聞きづらいセリフがあったけど、特殊な世界な特殊な用語かも?
とすると、聞き慣れない言葉は聞きづらいかも。
最後は二択。
あれをチョイスできるというのは
性根はやっぱり腐ってないんだな、と思いました。
良くも悪くも強烈な作家性
原田監督の映画を日本でいちばん長い日辺りから意識して見ているが、ほとんどの映画の特徴として「余計なものが極限まで削ぎ落とされたもの」を感じた。
この余計なものを極限まで削ぎ落とすものがドキュメンタリー風で人々の群像劇を描く場合は効果的に作用するのだろうが、こちらとしてはどうしてもテンションが上がりにくいという感覚がある。
結論としては今回の映画は自分には合わなかった。
そして今回の映画ではさらに長台詞が入ってきて組同士の対立関係をかなり早口で説明される。
この早口が映画全体の緊張感を高めてるのはわかるが、誰がどの立場でどういう利害関係なのかを理解するのにまず一苦労。
日本映画で字幕が欲しいと感じてしまった。
これが前作までのような「燃えよ剣(新撰組)」や「関ヶ原」だとみんなが歴史の授業で習った知識が前提であるから早口で進めてもまだわかったが、今回のような完全オリジナルの世界観だとそうもいかなかった。
なので序盤で少々置いてけぼりを食らったのも事実。
とはいえ後半にかけて、特に拷問場所での戦い以降は息もつかせぬ展開で誰がスパイで誰がスパイじゃなくて、誰が殺して殺されるのか予想外の展開が続き、かなり惹き込まれた。
演技面でははんにゃの金田さんが「燃えよ剣」に引き続いて素晴らしい演技。
賢いが肝っ玉の小さい具合が絶妙。
最後の坂口健太郎さんの部分はこの2人のバディの掘り下げが甘かった?ので今ひとつ。
というかこの作品はバディ物だったんだろうか。
原作未読なのでわからないが、宣伝が勝手にバディ物として売ろうとしたのか、それとも原作からバディ色強かったけど上手く出せなかったのかどっちなんだろうか。
タイトルなし(ネタバレ)
かつて新宿で派出所勤務を出月梧郎(岡田准一)。
警官時代に近くのスーパーで強盗殺人事件が起き、密かに恋心を抱いていた若い女性も殺されてしまった。
それから警察を辞め、犯人を追って復讐を遂げていた。
その復讐行は警察組織対策課の知るところとなり、ヤクザ組織「東鞘会」壊滅のための潜入捜査官としてスカウトされる。
組織での相棒は、プロファイル上、最適とされた若き組員・室岡(坂口健太郎)。
兼高昭吾と名を変えた出月は、室岡とともに、組織最高幹部の土岐(北村一輝)のもとで、名を馳せる存在となっていった・・・
といったところからはじまる物語で、香港映画『インファナル・アフェア』シリーズあたりから一つのジャンルになっている潜入捜査官モノ。
いわゆる「なりすまし」モノの変型なので、映画の軸足の一方は、正体がバレるかバレないか、というところにあるのだけれど、本作ではその要素は薄い。
ハードなアクションの連続で見せ場を繋いでいくのだが、そこんところの弱さがドラマの弱さになっていて、どうもハラハラしないです。
代わっての要素は、組織壊滅ができるのかどうかというサスペンスで、ここのところは終盤の作戦(一気にラスボスを含めて最高幹部殲滅)が面白く、うまくいくのかとそこそこハラハラします。
(とはいえ、次から次へと登場する潜入捜査官には苦笑させられましたが)
で、観終わった印象は、あれれ、アクション映画なんだっけ? それとも別のジャンルだったけ? といったもので、映画の底流に兼高&室岡のバディが男臭さを通り越しての背徳的匂いがするから。
映画の物語の終わりは、兼高(=出月)が土岐の愛人(松岡茉優)に抱き留められるところなのだが、映画のラストショットは兼高と室岡の出逢い、兼高が室岡を背後から羽交い絞めにするところで終わっています。
ということで、この別の意味の男臭さがこの映画の面白さを担っているとも言えますね。
ロケーションを含めて美術は秀逸、画面の厚みで飽きないようにできています。
なお、タイトルは『ヘルドッグス』なのですが、タイトルバックの英語では「HELLDOGS IN THE HOUSE OF BAMMBOO」と書かれています。
なるほど、サミュエル・フラー監督『東京暗黒街・竹の家』へのオマージュですかね。
魅せるアクション、ストーリーがとても良かった
好きな内容ではないけれど、めっちゃいい
面白かったのだか…
そこそこ面白かったのだが、坂口君のサイコパス役はハッキリ言って似合わない(悪役が出来るかどうかも疑問⁉︎ファンにはごめんなさい)のもあるが役の設定自体がそもそもサイコパスでは無かった。セリフが聴きづらい所は字幕にするべきでは。それと警察がヤクザ組織を壊滅させる為に多数を殺す指令を出すとは到底思えない。たとえ裏組織であったとしてもだ。また主役の正体がバレる所が安直過ぎてつまらない。もう一捻り欲しい所。それから、一つの組にアンダーカバーが3人も潜入すると言う設定は余りにも無理くり過ぎないか。
原田眞人という監督について、あくまで個人的な意見。
ヤクザ映画は高校生の頃から好きで大抵の作品は見ている。映画通ではないし、少なくとも邦画に関しては監督の名前で映画を見るかどうか決めることはない。が、原田眞人という監督に関しては良い経験がない。魍魎の匣(2007)は原作は素晴らしかったのに映画は最悪(勿論全て監督のせいではない)、関ヶ原(2017)は題材もキャストも申し分なかったのに無駄に長い時代劇になってしまった)、検察側の罪人(2018)は近年稀に見るひどい映画でやたらとセリフが聞き取りずらかったのを覚えている。そもそも初めて彼の名前を知ったのは2003年にラストサムライを観た時で俳優としてだった。下手な英語を話す性格の悪そうな役柄で目立っていたので映画を見た後ですぐ名前を調べた。そもそも原田眞人も阿部寛(魍魎の匣)も極めて滑舌が悪い。検察側の罪人でも今回のヘルドッグでも役者の一部が明らかに意図的に聞き取りにくいようにセリフを言っているのは恐らく監督の指示だろう。この監督はこういう喋り方が良いと思っているとしか思えない。そしてそれは観ている側には大変辛い。にも関わらずこの映画は楽しめた。主因は恐らく岡田准一の演技だが、クラブでのシーン(吉原光夫の歌を含めて)が実に良かった。坂口健太郎のキャステイングに関しては未だ評価が難しい。最後に大きな疑問。。。日本の警察はこんなに有能なのか?そして大きなヤクザ組織はここまで間抜け(エージェントだらけ)なのか?
一大暴力団に潜入した土竜の正体はあの実在未解決事件の所轄警官?! ガチムチ、細マッチョ選り取り見取りの血みどろBL映画
邦画のアクション作品にしてゴリゴリのヤクザ映画ですが、警察がターゲット組織に潜入する"土竜"のお話でもあり、さらには屈強な男たちが冷厳な世界の中でほれ込んだ男に命懸けで尽くすBL作品でもあるという幾重にも楽しめる一本…。
原作は深町秋生さんのハードボイルド小説ですが、映画化に際して大胆に設定変更や登場人物追加が為されているようで、大きなところとしては実在の未解決事件である90年代半ばに発生した八王子のスーパーでの拳銃殺人事件がモチーフとなっており、主人公とその相棒の出自に深く関わっています。
勢力争いを制した組織が一夜にして瓦解していく退廃の極みと、結局は傍観していた国家権力がちゃっかり目的を達成するラストは徒労感も感じますが、それでもそれぞれの信念と美学に散っていった狂犬たちが眩しく写るのは同監督の時代劇作品の侍たちの姿に擬えられているところもあるのかもしれません。
本作によって、ガチムチのコワモテの方々だけでなく、眉目秀麗な男優さん方がメインを張ってもこれだけ骨太なヤクザ映画が成立する、ということが立証されたように思います。
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