「イケメンでも生理的に無理感の強い坂口健太郎が最高。」ヘルドッグス せつこんさんの映画レビュー(感想・評価)
イケメンでも生理的に無理感の強い坂口健太郎が最高。
かつて警察時代に解決できなかった事件の復習を遂げた男が警察に雇われ、ヤクザ組織に潜入し、そこでブイブイ言わせてるサイコパス小僧とコンビを組む話。
もう最初の潜入捜査の説明から早口&まるで人に見せる気のないぐちゃぐちゃなホワイトボードからして、多分この映画真面目に話を理解してくれなんて1ミリも思ってなさそうな心意気に男気を感じた(笑)聞いてなくても面白いから!見て!っていう感じ。
実際韓国ノワール感とイカついアクションの匂いを嗅ぎ付けて見に行ったようなものなので、その姿勢はめっちゃ正しい(笑)確かにちゃんとノワールノワールしてたし、最初のタイトル英字の上に「ヘルドックス」のカタカナが何の美的センスも感じない明朝体赤文字で出てきて最高すぎた。そうそう、こういう雰囲気だけで良いのよ。
でも、やっぱり原田監督の泥臭い男の感じにグッと来ないんだよなぁ。確かに、悪を汚く泥臭く描くことで憧れさせないことには成功してると思う(今回も室岡の所々見せる生理的に無理感が最後の結末を十分納得させる要素)。でも私はガラも口もやってる行為も最悪でも、どこかに品を感じたい(笑)『孤狼の血』とか『アウトレイジ』にはそれがあるとめっちゃ個人的な感覚で思ってる。
そして、「男も女も平等に見てる」から最後室岡との絆を選ぶのではなく、恵美裏を助けたのだろうが、恵美裏と一応デキてるから単純に女を選んだように見えちゃうのがなぁ。決定的な殺しをほぼ女性が担当した様に、女性に華を持たせようとしてるんだけどなーんか中途半端な感じ?それなら振り切ってくれた方がいいんですが。
あと、最近ヤクザ映画ってあんま指詰めないけど今作しっかりやろうとしててなんだか嬉しくなった。割と今までのヤクザ映画の雰囲気とは違うけど伝統はちゃんとやるんだと思った(笑)