「王には玉、飛車には飛車、角には角⁉️」ヘルドッグス グレシャムの法則さんの映画レビュー(感想・評価)
王には玉、飛車には飛車、角には角⁉️
【反社会的勢力】
暴対法でもはや、箱もの(目に見える形での存在感)としてはあまり目立たなくなった暴力団。
実際は特殊詐欺や違法ドラッグや似非宗教法人などに形態を変えているのかもしれませんが…
【広義の公安】
そもそもCIAのような専門性を持つインテリジェンスがあるとは思えないわれらがニッポン。
闇落ちした有能な人材を超法規的に国家権力(この映画では警察ということであってるのかな?)のために使うノウハウがあるとも思えません(もしそれがあるようなしたたかな政府だったら、厄介な隣国との外交ももう少し上手くやれるはずです)。
というわけで、この映画の世界観はほとんど日本の現実からすれば絵空事なのですが、なぜか全体として妙にリアリティがあるのです。
どうしてか?
①人物造形が抜群
ヤクザの幹部たちの、〝あるある〟な個性が、身近な感覚に訴えてくる。
②強いけど、興醒めするほどには強すぎない主要人物たちのアクション。
③後悔と贖罪…命に関わるほどのものかどうかは別として、誰しも過去の過ちと償いというテーマを考えるキッカケになるような経験があるはずです。ここに共感性を覚える人にとってはこの映画がリアルな距離感で感じられると思います。
暴力に溢れた映画ですが、正視に耐えられる範囲の描写だし、何しろ面白い‼️
私は自分の思ったことを全て書いてしまう癖があり、いつも長ったらしい文章になってしまうのですが…そう言って頂けると、嬉しい限りです!
本当にそうですね。ちょっとしたシーンまで抜かりなく、そういった場面が流れる度に作品に愛が深まっていく。映画ファンにとってはある意味、超感動作品です笑
グレシャムさんは、いつも自分の言いたいことを上手く言語化してくださいます。まさにその通り!
この妙なリアリティが、違和感を覚えずに映画ファンを唸らさせるのですね。ヤクザ幹部の中では、はんにゃ金田が演じる三上がお気に入りです笑
美紅さん、いつもありがとうございます。
これは年代に関わらず、楽しめると思います。
岡田准一さん、るろうに剣心の佐藤健さんとはまた違う色香のあるキレっぷり。
それだけでも見応えがありました。
【ひとりごと】
『ブレットトレイン』でブラピが演じているレディバグ(天道虫)は、原作『マリアビートル』では頚椎を折って殺すのが得意技でした。
ということは日本で再映画化となれば、天道虫役は岡田准一さんしか考えられませんね。
そうなんですよ。荒唐無稽なのに、なぜかリアリティを感じます。
被害者家族の視点と加害者家族の視点のどちらにたっても共感できる内容が盛り込まれていて、エンターテイメント性も抜群。こんな作品を待ってました。