劇場公開日 2022年9月16日

「散逸感。何を軸につくろうとしたのかみえない。」ヘルドッグス 菜野 灯さんの映画レビュー(感想・評価)

0.5散逸感。何を軸につくろうとしたのかみえない。

2022年9月16日
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鑑賞方法:映画館

薄っぺらい感じの映画でした。薄っぺらい映画でもここぞといった場面でぐっと来るようなものもあるものですが、この映画にはそれさえなかったと言う印象です。
何を軸に脚本を組み立てたのか、例えば、復讐ならば、主人公・兼高のたぎるような思いをもっと俳優の寄りのカット、表情やそこに至る苦悶、後悔、怨念、そういったドロドロしたものがあってこそ、外のクールさとの対照が活きるのに、それがないから、表面のバイオレンスだけがザワザワうるさい。
とにかく、騒がしい映画です。ヤクザものも静からバイオレンスにバンっと切り替わるドキドキ感もあんましないので、精神年齢低い大人がギャーギャーうるさい軽薄さが目立っていました。だから殺しも安易なものに写ってしまう。
もう一度言います。何を軸に組み立てたんですかね。兼高と室岡の関係もそこまでの絆が結ばれたのかよくわからない。原作を読んでないからというなら、読まずに観るひとのために、もっとテーマを絞り込むべきなんではないですかね。
群像劇みたく、いろんな関係性をみせられて、どれもが深まらずに中途半端に終わっている感じ。そういえば、この原田監督の「燃えよ剣」もどれもこれも盛り込もうとして散逸感あったことを思い出した。この監督、もっと、軸をもった映画を一から出直して考え直すか、それが無理なら、別の監督持ってきてほしい。
岡田准一と大竹しのぶの演技力が唯一のみどころ。特に、大竹しのぶが最後の復讐を遂げる場面はさすがの演技でした。

菜野 灯
菜野 灯さんのコメント
2022年9月17日

岡田くんは安定です。脚本監督に恵まれれば、さらに飛躍しますよ。

名優と呼ばれる俳優たちは必ずといっていいほど、監督とセットで飛躍してますよ。旧い話しでは、三船敏郎と黒澤明のように。

菜野 灯
トミーさんのコメント
2022年9月17日

監督脚本だけに責任は逃れられませんね、原作はどうなんだろう。岡田くんは良かったと思います。

トミー
菜野 灯さんのコメント
2022年9月17日

逆ですね、脚本が薄いから、俳優だけの映画になったと思いますね。岡田くんを起用しながらってところはもう監督脚本の責任ですよね。

菜野 灯
トミーさんのコメント
2022年9月17日

軸は岡田准一の表情やアクションのカッコ良さ、それだけですかね。だから脚本も薄くなったのでしょう、いちいち説明が無いのは潔い。最近岡田くんの佇まいはミフネ御大を感じますが褒め過ぎでしょうか?

トミー