劇場公開日 2022年7月22日

「夏休みの子ども向けにはピッタリ!」ゴーストブック おばけずかん おじゃるさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0夏休みの子ども向けにはピッタリ!

2022年7月24日
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鑑賞方法:映画館

楽しい

単純

幸せ

今週末公開作品では特に観たいものがなく、とりあえず予告で印象に残っていた本作をチョイス。予想どおり、夏休み最初の週末にふさわしい子ども向けの作品でした。

ストーリーは、どんな願いも叶えるという祠に願いごとをした3人の小学生が、不思議な本屋で手に入れた「おばけずかん」とともに自分たちの住む世界とは少し異なる世界に放り込まれ、そこで7体のおばけ集めの試練に挑み、願いごとを叶えるというもの。単純なストーリーで、小学生でも十分に理解できます。ただ、序盤から3人の願いごとの予想がつき、どんでん返しもないので、大人には物足りなく感じるのは否めません。

とはいえ、登場するおばけの特徴を生かした役割がきちんと用意され、テンポよくスムーズに展開していたのは好印象です。途中で聞きなれないおばけもいくつか登場しましたが、できれば有名どころのおばけでストーリーをつないでくれるとさらによかったと思います。

本作の肝となるおばけや不思議な世界観の演出は、もちろんCGモリモリで描かれています。多少の違和感はあるものの、子ども向けの邦画であることを考えれば、十分に劇場版クオリティを保っていると思います。エンドロール後のおまけ映像からは、シリーズ化する気満々の雰囲気を感じましたが、1〜2年に1本程度の公開ペースになるぐらいなら、少々クオリティを下げてもテレビシリーズで短期間で観たいですね。

主人公・坂本一樹とその同級生たちを、4人の子役が演じています。4人とも頑張ってはいるのですが、いかにも演技してますという感じで、観ていてむず痒くなってしまいました。城桧吏くんは、「約ネバ」のレイよりはうまくなったとは思いますが、子役同士の会話が多いので、どうにも醒めてしまってなかなか作品世界に浸れませんでした。

子役がそんな感じなので、脇を固める新垣結衣さんの演技がとても自然に感じ、安心して観ていられました。そのため、ガッキー演じる葉山先生の変容はしっかり伝わってきて、ラストの教室でのシーンはちょっとうるっときてしまいました。おばけ役も、釘宮理恵さん、下野紘さん、杉田智和さん、大塚明夫さんら一流声優に加え、いぶし銀の田中泯さんを起用し、脇をきっちり固めています。子どもが主人公の、子ども向けの作品とはいえ、確かな演技力を持った大人が脇を固めることの重要性を改めて感じました。

おじゃる