「設定は面白い」デモニック Minaさんの映画レビュー(感想・評価)
設定は面白い
あのニール・プロムガンプがホラーか・・・と当初は気になっていたものの、いつしか存在を忘れ、それが「未体験ゾーンの映画たち」で公開された際には少し驚かされた。驚いた理由は大作を手がけてきた監督の作品がこんなB級映画祭で扱われていたからだ。
本作はSFとホラーのハイブリッド映画の様で、大量殺人を犯した母親の頭の中に侵入してその心理を暴くという、一見クリストファー・ノーラン監督の「インセプション」を想像してしまう内容の作品である。だが、頭の中に入る際に仮想空間の様な描写となり、主人公含め映像が一昔前のゲーム画像のような状態となる。(プレステ2時代のグランド・セフト・オートの様)劇中でも主人公の体を3Dスキャンするシーンがあるのだが、本作でも実際にそれで製作されたようだ。この辺のシーンが妙にリアリティがあるのはいくら低予算ホラーと言えども監督のこだわりだろう。
この様に冒頭ではだいぶ引き込まれたのだが、後半に行くに連れて低予算の縛りを感じる様になる。その割にはかなり大規模なストーリーとなっていく為、SFアクション好きにはたまらない戦闘シーンがあるはずなのに描かれていないという残念なポイントがある。戦闘を準備して向かっていき、暗転して主人公らが後を追うとフルボッコにされた武装集団がいた・・・という内容だ。
タイトルの「デモニック」から分かる様に、悪魔の仕業だったという展開を向かえるのだが、終盤になるとあれだけこだわった仮想空間も大きな広がりを見せず、ただのB級ホラーで幕を下ろしてしまったのが残念でならない。イマイチ監督の魅力を感じず、ファンとしてはやや物足りない。それほど恐怖シーンも無い為誰でも観れるホラーなのは好印象であり、ちょっとユニークな悪魔の登場シーンもある為そこら辺には注目してもらいたい。