「キャストは変わったが、ダークな骨太さは変わっていない」特捜部Q 知りすぎたマルコ bionさんの映画レビュー(感想・評価)
キャストは変わったが、ダークな骨太さは変わっていない
特捜部Qシリーズは大好きで、原作シリーズは全部読んでいるし、実写版も全部鑑賞済で、すごく楽しみにしていた。
なんと、キャストが変わっている。聞いてないよー。しかも、カールが随分と髪が薄くなって中年の悲哀が漂っている。ショックを受けながらも次第に物語に引き込まれていく。
カールの短気ぶりとか、脊髄損傷した元同僚とかは、今までよりも原作に近い。特捜部Qシリーズは、謎解きよりもデンマーク社会の闇に迫っていくことがメインなので、早々に失踪したスタークの行方はわかってしまう。今回のテーマは、ODA汚職とロマ民族。
ODAは構造上、支援を受ける方で中抜きしやすい上に、先進国側が受注することが多いから汚職を防ぐ事の方が難しい。日本だけじゃなくて、デンマークも同じ暗部を抱えている。
終わって見れば、ダークな結末と少しの希望というシリーズお手の物のストーリーテリングで、なかなかの満足度でした。原作のカールは、もっとユーモアのある皮肉屋なんだけどね。
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