「日常に潜むテロ犯」ドント・ストップ　bionさんの映画レビュー（感想・評価）

　冒頭の学校でのテロシーン。高校生らしく、ふざけ合って登校する日常から一転して、銃弾に倒れる男女、恐怖のまま逃げ惑う若者達の描写が生々しい。実行犯を捨て駒にする自爆テロは、心底憤りを感じる。いかなる理由があろうとも指示を出す幹部には神を語る資格はない。

　テロ実行犯、指示役ともごく普通の見た目をした高校生と市民で、草のごとく日常生活に溶け込んでいて、ある日突然、牙を剥くというのが恐ろしい。2016年に連続爆破テロを経験しているベルギーだけあって、犯人側、警察ともリアリティの高いストーリーになっている。

　救急車をジャックしたままで話が続くため、ちょっと中だるみしちゃったかな。その反動か、ラストの緊迫感はなかなかのもの。