「15年って残酷よね…」マーシー・ブラック Lymanさんの映画レビュー(感想・評価)
15年って残酷よね…
生贄(同世代の少女)を捧げて悪魔(マーシー)召喚の儀を行った少女達…の15年後の後日譚。
そのセンセーショナルな事件性に、全員まとめて精神病院送りになった主人公マリーナがようやく退院して我が家に戻るも、やっぱり怖い目に遭います、ひぃ~!
これはマーシーの呪い? それとも頭の病気が治ってないの?…と苦しむマリーナが、「もう子供じゃないぞ!」と真相を探るお話
ホラー描写は満遍なく散りばめられているものの、犠牲シーンはほぼ全カット(☆-1)で、肝心のマーシーがチープすぎるので、ホラーやスリラーを期待すると肩透かしを食らいます。
(私はジャケットに釣られて観たので、マーシーにはガッカリ。何より動きが紐で引っ張ってるようにしか見えない子供騙しっぷり☆-3)
シナリオは一話完結の海外刑事ドラマ程度には2転3転するので、ちょっぴりホラーを味わいつつ気軽にサスペンス劇場を楽しみたい人には暇潰しになるかもしれません。
演技は主役も子役も頑張っていました(☆+1)が、逆にマーシーのチープさを引き立てている様にも見えました…
以下【ネタバレ】含む感想
個人的にはマリーナの動機付けやオチへの流れは好印象(☆+1)。
「近所の嫌がらせ?→姉の(どクズ)恋人による奸計?→やはり私がサイコ?→いや真相を確かめてやる!→やっぱり子供時代に創った作り話→マーシー襲撃!呪いはやっぱり本物?→先生によってあらすじの叙述トリックが暴かれる→お前生きとったんか!じゃあ今までのも全部お前の仕業か!!」
と、マリーナ視点の動線はややこしくもきちんと整理されており、ここから観客視点では「じゃあ姉の子の影響は何だったの…?イマジナリー?」からのラストへの流れが綺麗でした
(犯人だったあの人は、児相案件ルートを思わせるミスリードと15年後の変貌ぶりが完全に予想外でちょっと笑ったw逆にマリーナとレベッカが若すぎる…?後こじつけでもいいので、もう少し犯人の動機を掘り下げてほしかった)
ただやっぱりマーシーがなぁ…。
よく考えるとコイツ自体、人に直接的な危害ってあまり加えてないよね(マリーナをしばく、姉を階段から突き落とすくらい)?
操る系なのかもだけど、ホラーとしての怖さが今ひとつ伝わらず、もはや舞台装置としてすら機能していない(作中世界でそこまで畏れられる説得力に欠ける。☆-1)
やりたいことは伝わるだけに惜しい映画でした