「奇奇怪怪」宇宙人の画家 ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
奇奇怪怪
伊能昌幸さんが出てらっしゃる、制作に大坂健太さんがいらっしゃったので鑑賞。予告も見かけませんでしたし、完全に未知数な状態で鑑賞。
いやーヤベーもんがそこにはありました。観てる途中も、観終わってからもずっとこんがらがってました。レビューを書いてる今でさえも脳が整理できてません。
今作、とにかく攻めに攻めまくってます。海外との接点だったり、今と昔との考えの違いだったり、差別的発言だったり、横文字の羅列だったり、監督が心に引っかかるものを全て登場人物に吐かせるという大胆なことをやってのけています。全体的にカルト的な雰囲気を漂わせており、雰囲気作りが上手いなと思いました。ディストピアな世界観での銃撃戦、少なめですがキレの良い肉弾戦(←ここに伊能さん)、人型爆弾(←ここにまさかの大阪さん)のアイデアは面白かったです。
終盤も攻め攻めで、呂布カルマの演じる虚無ダルマ(ここの韻踏みも好き)のラップが作品の雰囲気にマッチしており、そこからはだしのゲンを彷彿とさせる監督手書きのアニメーションのおどろおどろしい、とにかく奇怪な時間が凄かったです。
ただ、モノクロの中学生パート、ここは今年観た映画の中でもトップクラスにキツい時間でした。子役のキャストにあーだこーだいうのは野暮だとは思いますが、鑑賞料金を徴収している作品でこの低レベル、というか学生の授業の朗読みたいな酷い演技は見るに耐えないです。滑舌も悪すぎて逐一何言ってるかが分かりませんでした。なんでこれにOK出した事が理解できません。作品を活かすためという名目で言い逃れは出来そうですが、それはそれなので。鉄拳制裁なんかはいけない時代ですが、この演技に対しては厳しく指導した方が良いのでは…。
こんな事言ったら若い芽を踏み躙るようで申し訳ないのですが、シーン毎シーン毎に監督のドヤ顔が浮かんでしまいました。絵作りに持てる予算を振ったのは良いと思いますが、もう少しストーリーにも旨みを含んで欲しかった…。97分とは思えないくらい長かったのも残念。
今作が商業監督デビュー作品なので、是非とも次回作以降に注目していきたい監督です。ただ、次回作もこの路線で進むのであれば疑いをかけなければなりません。ジャンルは違いますが、阪本監督のように大化けしてほしいと願っています。
鑑賞日 7/27
鑑賞時間 19:45〜20:30
座席 A-1