「「シラノ・ド・ベルジュラック」の見事なミュージカル化の見事な映画化。」シラノ もーさんさんの映画レビュー(感想・評価)
「シラノ・ド・ベルジュラック」の見事なミュージカル化の見事な映画化。
①言わずと知れた永遠の三角関係の悲劇。しかし、21世紀にシラノを小人症の俳優が演じ、クリスチャンをアフリカ系アメリカ人の俳優が演じても少しも不自然に感じないところに、人間というものを適確に描いている古典が持つ普遍性と強さとを感じましたね。②目玉曲はないものの歌はどれも美しい。17世紀のフランスの風俗を取り入れた群舞シーンも巧く、一番のお気に入りのミュージカルシーンはパン屋を舞台にしたシーン。死線に向かう兵士たちのシーンに現在唯今起こっているロシアのウクライナへの侵攻が二重写しになって胸が突かれた。③ピーター・ディンクレイジは場面と相手のリアクションによって次々に変わる表情が素晴らしく観ていて飽きない。時には凄くハンサムに見える時もある。キワモノ的な役が多かった人だが一俳優としても力のある人だということがよくわかった。④ヘイリー・ベネットという女優さんは初見で、最初ロクサーヌ役にはもっと美人が良いのではと思ったが、頭の方のシーンでの恋に恋する乙女像と、ラスト修道院で暮らすようになった少し大人になった女性像とをちゃんと演じ分けていましたね。⑤
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